大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年7月7日(金)10:32~10:53 於:第8共用会議室)

1.発言要旨

 私の方からは4点御報告をいたしたいと思います。まずは九州の今回の大雨の対応について報告したいと思います。福岡県、大分県等での大雨により被害に遭われた皆様に、まずは心よりお見舞いを申し上げたいと思います。事務方には引き続き関係省庁と連携して情報収集に当たるよう指示しており、今後も必要な対応を進めてまいりたいと思っております。特に、今後、発生が予想される災害廃棄物の処理が適正かつ円滑に進むよう、災害廃棄物の仮置場を速やかに確保する等、被災自治体に寄り添って全力で支援してまいりたいと思っております。
 次に明後日9日(日)に、香川県が主催する豊島の廃棄物等処理完了式典に出席をいたします。詳しくは、後ほど、貼り出しをいたしたいと思います。
 次に本日までライトダウンキャンペーンを実施しております。夏至の日(6月21日)から本日7月7日まで、「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」を実施しております。今日が最終日でありまして、夜8時から10時までの2時間を特別実施日として設定しておりますので、御協力をお願いしたいと思います。
 次に地域経済循環分析自動作成ツールの提供についてでございます。本日から、環境省ホームページにおいて、「地域経済循環分析自動作成ツール」の提供を開始いたします。このツールは、地域経済に良い影響をもたらす温暖化対策のみならず、産業振興策や地方創生につながる観光対策などの検討に役立つものと考えております。地域における環境・経済・社会の諸問題の同時解決に向け、まち・ひと・しごと創生本部とも連携しつつ、地域経済循環分析を活用して地方を支援してまいりたいと思っております。お手元の紙のとおりであり、詳細については事務方にお問合せください。なお、この件につきましては、昨日モデルで私の地元である宇和島のものを作ってくれてまして、私もざっと見ました。私も若い頃から青年会議所だったり、商工会議所の議員として地域経済についてずっと勉強してきたのですけれども、こんな資料ができるのかというのが目から鱗でございまして、早速私の地元の商工会議所なり市役所なり要路にこういう分析を提供したいと思っております。全国の津々浦々で行政がこれを利用してくれれば、環境省久々のヒットだなというぐらいの気持ちをもっております。非常にわかりやすい地域経済の分析が改めて数字で示されておりますので、非常にいい資料ができあがったなと思っており、胸を張って今日から提供を開始したいと思っております。以上でございます。

2.質疑応答

(問)日本テレビの中村です。まずは九州北部の大雨ですけれども。報道等で拝見していましても、流木のみならずがれき、災害廃棄物の量がおびただしい様子がみてとれるのですが、被災地主体だけでは対応できない難しいケースももしかして出るのかなと思いますけれども、改めて環境省としてどのように取組をされるのかということをお聞かせ下さい。
(答)非常に心配をいたしております。報道等を見てもまだ雨が収まっていないという状況が映し出されており、ますます被害が拡がるのではないかという懸念を抱いておりまして、非常に心配をいたしております。環境省としても瀨川廃棄物対策課長が現地に行っております。今夜には帰ってくるのではないかと思うのですけれども、現地の状況を見て今後収まった、というか一度落ち着いた段階から、おっしゃったような環境省の出番が出てくるのだろうと思っております。関係自治体とも今後連絡を密にいたしまして、環境省が持っているノウハウを是非活かしていきたいと思っております。
(問)もう1点ヒアリについてお伺いいたします。昨日東京でも確認されました。まず現在の環境省の対応等についてお聞かせ下さい。
(答)大阪港や神戸港でヒアリの女王アリが確認されまして、昨日東京港でも確認されたとのことであります。定着している可能性もあり、港湾以外にも対策が必要ではないかという御懸念があろうかと思います。女王アリに関しては、神戸港についてはコンテナ内部から発見されており、また、大阪港については、港湾地域のアスファルト面の限られた箇所で確認されていることから、侵入は港湾地域に限定されているものと考えております。また、東京港についてもコンテナより発見されており、引き続き、港湾を中心とした早期発見、早期防除が重要と考えております。このため、現在実施している7の港における専門家による確認調査を進めるとともに、これまでにヒアリが確認された4港において、確認地点の周辺2km程度に規模を拡大した緊急調査、及び中国南沙港からのコンテナ定期輸送サービスが行われている22の港における調査と予備的防除を実施する予定であります。また、国土交通省においては、全国の港湾管理者に対してヒアリ対策を文書で要請し、特に中国からの定期航路を有する港湾、63港については、殺虫餌の設置等を要請したと承知しております。今後とも、関係省庁が連携して対応してまいりたいと思っております。

(問)共同通信の深谷です。本日からG20がドイツで始まりますけれど、地球温暖化対策も議題に上がっていますが、今回新興国も参加するということで、トランプ大統領について、パリ協定脱退についてかなり厳しい話もでるかと思うのですけれども、大臣はどのようにみていらっしゃいますか。
(答)環境分野においては、持続可能な成長、気候変動等が話題として取り上げられる予定であると聞いております。G20の成果文書等については議長国のドイツがまさに調整している最中と承知しておりますけれども、世界全体のGDPの8割を占めるG20の首脳の間で、気候変動をはじめとする環境問題が前向きに議論されることを期待したいと思っております。トランプ大統領がパリ協定からの脱退方針表明後、各国首脳と初めて意見交換を行う場となっておりますし、G7参加国だけでなく、中国や、インドといった主要排出国も参加するため、その動向は注視してまいりたいと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。2点お伺いいたします。1点目は九州北部での大雨による災害廃棄物の発生についてなのですが、環境省としてはここまでいくつかの災害を経験した上で、かなりノウハウですか、対応のスピード感みたいな蓄積もあろうかと思います。現地からの要請を待つまでもなく、プッシュ型というような支援のあり方もあるのではないかと思うのですが、その辺りについて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まだ現状が落ち着いていないことがまず第1点でございますが、環境省は確かに常総市の水害が起きたときのいろいろな知見・経験を有しております。是非それを活かしていきたいと思っております。そういう意味において、地元自治体との連携が非常に必要になってこようかと思いますし、今までの経験からいくとやっぱり環境省の出番というのは少し落ち着いてからの世界になってこようかと思っております。さっき申し上げましたように、仮置場の確保ということが、こういうがれきの処理のときには一番急がなければいけないということになってまいります。そうすると、仮置場のスペースを確保するためには、どうしても地元自治体の御協力というのが必要になってこようかと思いますので、その辺を含めてとにかく地元自治体と連携を密にしていきたいと思っております。
(問)もう1件ヒアリについてなのですけれども、報道している立場から申し上げるのも何なのですが、外来生物対策は別にヒアリに限ったことではないと思うのですけれども、今回の対応やそういったものの教訓を今後の外来種対策にどのように生かしていけるとお考えでしょうか。
(答)外来生物の場合、やっぱりまずは水際でどう対処できるかということに尽きるのだろうとずっと思っておりました。最近では対馬から入ってきたツマアカスズメバチ、あのときも対馬の人には申し訳なかったのだけれども、まず対馬で九州本土に来ないように何とか対策を打てないかということ、私は自民党の調査会の会長という立場でございましたけども、そういうことも申し上げました。今回のヒアリも同様に、まずは水際でとにかく防除するということに全力を挙げていくと。そういう面において、先ほど申し上げましたように、国土交通省も港湾に関して、本腰を入れて対策を取ってくれるようでございますので、一体となって水際対策を進めてまいりたいと思っております。

(問)NHKの橋本です。G20に関連してなのですけれども、大臣御自身は先月G7の環境相会合で経験されたところだと思うのですが、アメリカの協定脱退の意思を覆すのはなかなか厳しい中で、アメリカを孤立させないことが重要だということもおっしゃっていたと思うのですけれども、改めて今回G20の議論はどういったことが必要だとお考えか。
(答)今おっしゃったように、G7の環境大臣会合は、いわゆるアメリカがパリ協定を脱退表明した後に行われた会合でございまして、そこではとにかくアメリカを孤立させないようにということで、ああいうコミュニケの形でG7の一体感を出すことができたと思っております。その意味で、今回、G20においてどういう形で議長国であるドイツが取りまとめを行われるのか、注視をしていきたいところでございます。少し、私どもが期待した以上の一つの会議の成果が表現されるのではないかということを私自身は期待をしております。というのは、いろいろな意味で今回、さっき申し上げたように、20カ国が集まっての会議でありますので、ドイツが一生懸命今取りまとめに奔走されていらっしゃいますけども、私は多分G7の環境大臣会合よりも少し前進したようなコミュニケというか、コミュニケになるのかどうか分かりませんけれども、発表されるのではないかということを期待しております。
(問)アメリカの譲歩が少し引き出せるのではないかという趣旨でしょうか。
(答)譲歩という表現がいいのかどうか分かりませんけども、やっぱりトランプ大統領も、そして私が会談したプルイット長官も、いわゆる国際会議の場が初めての経験であられたと思いますので、そういう意味において、国際会議の場を経験されると、おおよその雰囲気を理解されるのではないかということで期待いたしております。さはさりながら、いつも申し上げますように、離脱という表明をされたわけですから、じゃあ、明日また入りますよという簡単な話ではないと思いますけども、少しずつでもいい、私どもの考え方に同調してもらえるように軟化をしていただければありがたいと思っております。

(問)フジテレビの加藤です。ヒアリの件について、先ほど東京湾の港湾というところと、あと懸念という話が出ていたと思いますけれども、環境省の話だと千葉県の君津市にコンテナが一回行って、荷物が下ろされています。そういうことになると港湾以外の懸念があるかと思いますが、君津市に関しての対応ですとか、港湾以外についても改めてよろしいでしょうか。
(答)君津市の場合も、今回、コンテナを陸路で輸送して君津にコンテナの荷を上げたと聞いておるのですけれども、それを含めて事務方の方にまた後で聞いていただければと思っております。
(問)君津で揚げたときに、コンテナ内にいたヒアリが外に出てきている可能性も否定はできないと思うのですけれども、コンテナ内にいたヒアリが君津市のコンテナの外に出たというそういう懸念はないのでしょうか。
(事務方)事務方の方からお答えいたします。君津の事業者さんの方で確認をされていまして、コンテナからヒアリは発見されていなかったというふうにお聞きをしておりますので、君津の方で漏れ出しているという心配はないというふうに考えております。
(問)大臣もそのような同じ考えでしょうか。
(大臣)はい。
(問)報道で御存じかと思いますが、原子力規制委員会の田中委員長の件で、福井県に行かれて、ミサイルを原子炉に撃つのは難しい、東京に落とした方がいいというああいう発言をしてしまっていて、後で撤回、謝罪もされていますけれども。ああいう発言をされていることについて所感をいただけますか。
(大臣)田中委員長も不適切な表現であったということを謝罪されていらっしゃいます。今後、言動には是非注意をしていただきたいなと思っております。

(問)共同通信の丸田です。ヒアリに関してなのですけれども、現状、発見場所というのは港湾周辺に限られていて、環境省としても港湾周辺での水際対策を重点的にやっていくというお話だったと思うのですけれども、その上で、今後どこかのタイミングで定着ということが確認される可能性もないとはいえないと思うのですけれども、万一、巣が見つかるとか、港湾からもっと街中で見つかるとか、そういった状態というのが考えられると思うのですけれども、現時点で、定着が確認された場合の対応というのは、環境省の中でも想定はされているのでしょうか。もしされているのであれば、同じ特定外来のアルゼンチンアリとかアカカミとか、そういったものの対策が流用できるものなのか、また生態とかの違いによって抜本的にヒアリ専用の対策が必要になってくるのか、その辺りというのはどうなのでしょうか。
(事務方)先ほど大臣からもお答えしましたとおり、基本的に現在、港湾地域で確認をされていますので、まずは港湾での水際対策というところに全力を挙げているという状況でして、今のところ、定着を想定した対応等というのは検討は進んでいないような状況です。

(問)環境新聞の小峰です。これは大臣としての公務というよりも政務に近い話だと思いますけれども、内閣改造がうわさされている中で、環境大臣が前回丸川大臣から山本大臣に代わったときもそうでしたけれども、福島の方で、そうころころ大臣が代わってもらっては困るという批判の声もありました。そして地球環境問題というこの大事なときに、環境大臣のポストを単に閣僚の順繰り送りのポストのように考えているところも今まであったと思います、内閣では。こういう点からですね、大臣は何か御懸念はありませんでしょうか。大臣が地位恬淡とした人だというのは知っていますけれども、仕事に対しては非常に執着があると思っております。そういう点からも環境大臣がころころ代わることについての御意見を聞かせいただきたい。
(答)私の個人的な考え方ということでお許しを願いたいと思いますけども、私はやっぱり内閣というのは環境大臣に限らず、一内閣一大臣というのが一番いい姿だと閣外にいるときからずっと思っておりまして、そういう意味においては、継続性を持った大臣が閣僚として仕事をするのが内閣にとって一番いいのではないかとずっと思っておりましたので、今の御指摘については私も同様なことを考えております。