大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年7月4日(火)10:47~11:05於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から3件御報告をいたしたいと思います。まずは、本日の閣議におきまして、環境省幹部職員の任免が承認されましたので御報告いたしたいと思います。発令は、7月14日付けとなり、新組織の発足と同時となります。具体的には、小林正明環境事務次官、梶原成元地球環境審議官及び奥主喜美総合環境政策局長の勇退を認めました。環境事務次官には森本英香大臣官房長を、地球環境審議官に高橋康夫水・大気環境局長を充てることとします。大臣官房長には、鎌形浩史地球環境局長を、地球環境局長には、森下哲大臣官房審議官を、水・大気環境局長には、早水輝好大臣官房審議官兼内閣官房内閣審議官を充てることとしました。また、新設となる環境再生・資源循環局長には、縄田正放射性物質汚染対処技術統括官を、総合環境政策統括官には、中井徳太郎大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長を充てることにしました。なお、勇退する小林環境事務次官は、7月15日付けで環境省顧問に就任させます。梶原地球環境審議官、奥主総合環境政策局長を環境省参与に就任させます。併せて、その他の部長・審議官級の人事についてお伝えしたいと思います。環境再生・資源循環局の次長には、山本昌宏サイバーセキュリティ・情報化審議官を充てることとしました。また、小川晃範大臣官房審議官は勇退し、深見正仁大臣官房審議官を大臣官房付とし、新たに、米谷仁秘書課長、近藤智洋官房総務課長、小野洋廃棄物・リサイクル対策部企画課長、江口博行水・大気環境局総務課長を大臣官房審議官に、鳥居敏男会計課長をサイバーセキュリティ・情報化審議官に昇任させます。なお、江口審議官は、内閣官房内閣審議官を兼ねることといたします。詳しくは、配布資料をご覧いただきたいと思います。
 次に、「原子力災害対策特別措置法施行令の一部を改正する政令」を、本日閣議決定いたしました。この政令は、原子力事業者が原子力事業者防災業務計画の作成又は修正に際して協議等しなければならない関係周辺都道府県知事の要件を改める措置を講ずるものです。詳しくは、お手元の紙を御覧いただきたいと思います。
 次に、ヒアリの確認及び関係省庁連絡会議について御報告いたします。環境省が大阪港において30日に実施していた調査にて発見された個体が、昨夜、ヒアリであると確認されました。発見個体は既に防除済みであり、また、周辺の緊急調査を開始しております。詳細は後ほど発表資料を配布しますので、事務方にお問い合わせいただきたいと思います。また、昨日、財務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省による「ヒアリ対策関係省庁連絡会議」を開催し、全力を挙げて水際対策に取り組むことを確認いたしましたので、今回の確認も踏まえ、更なる調査を検討するとともに、引き続きヒアリの早期発見、早期防除を徹底してまいりたいと思っております。

2.質疑応答

(問)日本テレビの中村です。まず幹部人事について伺います。森本さんが新たな事務次官になられた上で、さらにまた新設の環境再生・資源循環局もできて縄田さんが局長になられたと、異動が結構大きかったようにも見えるのですけれども、改めて今回の幹部人事の狙いをお聞かせください。
(答)大きいといいますか、組織が再編されたということがまず第一点だろうと思っております。環境省のやっている仕事の大きな柱の一つであります福島の事業に対して組織の再編を行ったわけでございます。それに伴いましての異動もあろうかと思っております。一点申し上げたいのは、やはり組織にとって人事というのはやっぱり要諦であろうと思っております。どんな組織であろうと人事を行うということは組織に対する一つの、何といいますか喝を入れるという表現がいいかどうか分かりませんけれども、やはり組織の引き締めのためには私はいいことだと思っております。そういう思いで今回の人事異動を私どもはやったつもりでございます。
(問)もう1点ヒアリについて伺います。これまでヒアリが見つかったところに関して環境省は調査をしたという事例があったのですけれども、今回ヒアリ以外のアリがみつかって調査をしていたら、つまりはヒアリもいたというのが、昨日大阪で発覚したということだと思います。関係省庁連絡会議がありましたけれども、こうなると他にもいるんじゃなかと思ったりもするのですが、水際でヒアリを止められるかどうかについて改めてどのようにお考えですか。
(答)アカカミアリだという説もあったりして、とにかく専門家がその個体を識別するのに若干時間を慎重に要しているということだろうと思っております。従いまして、今回の大阪港でヒアリが新たに見つかったということを含めまして、やはり水際対策というのはとにかく人手はかかりますけれども、個体が何せ数ミリという単位でありますからなかなか見つけにくい。にも関わらず、今回はいろいろな組織の方々が動いていただきまして見つかったというのが事実でございます。そういう意味において、これからもやはり水際ということを含めて関係省庁と深く協議をしていきたいというふうに思っております。環境省一組織だけではなかなかこの問題に対処しきれません。あまりにも範囲が広いので。そういうことを考えていくときに、今回の大阪港の一つの事例は非常に参考になったと我々は思っております。

(問)NHKの松田です。ヒアリなんですけれども、今回大阪では新たにヒアリが見つかったということで、まとまった数であるということと、女王アリと思われる個体を含むというところが新たに分かったのかなというところなのですけれども、定着しているという可能性についてはいかがでしょうか。
(答)女王アリと思われる個体が発見されたということで、今日の午後には女王アリであるのかどうかということが判明するだろうと思います。女王アリがいたということになれば、定着という言葉がいいかどうかは分かりませんけども、ある種のアリの組織というのかな、が存在するという蓋然性は高いということだけは間違いないのだろうと思っておりまして、まずはその今回見つかった個体が女王アリであるかどうかを確認することが大事だと思っております。その上で、もし女王アリであるということになれば、やはり周辺を含めてより詳細な調査が必要になってくるだろうと思っております。
(問)これまで環境省の方では、神戸港や名古屋港のことに関して日本に定着している可能性は低いというような見解を示されてこられました。ちょっとこれは見方がやはり甘いのではないかというような感じもするのですけれども、その点に関して大臣いかがでしょうか。そして、これからどのような対策をされていかれるのでしょうか。
(答)女王アリが存在するということがやはり定着しているかどうかの話のベースになるだろうと思っておりまして、今回見つかったのが女王アリであるという可能性が高いと。今日の午後には判明しますけれども、そういうことになれば、自ずから今後の調査においてやり方も工夫していく必要はあるのかなと思っております。
(問)もっと調査を広げたり。
(答)今回見つかった現場というのが港のコンクリートの割れ目だと報告を受けておりますけれども、本当にアリ塚というようなものが、特色のある巣ですよね、それが見つかったといったら、ゆゆしき一大事だと思っておりますけれども、現実には今そこまでいっているのかどうかということを詳細に調査したいということだと思います。

(問)読売新聞の野崎です。閣僚の一人として、都議選の結果について伺いたいのですが、自民党が大敗する結果となって政権の緩みというのも指摘されていますが、大臣がどのように考えるのかということと、地方選の一つではあるのですが、今後国政に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
(答)閣僚の一人としての問いなので答えにくいのですが、一国会議員として答えるならば、非常に気持ちよく負けたなと。大敗ですな。正に大敗だろうと思っております。それは、いろいろな意味において政権与党、特に自民党に対する御批判というのがあのような結果になったんだろうということは否めないだろうと思います。その上で閣僚として申し上げるのならば、緩みがあるのではないかというお問合せに対しては、私自身はそのようなことはないつもりで今までやってきたつもりであります。ただ、全体の話としてはいろいろと選挙に影響があるような発言等があったことは、これは事実だろうと。影響はあったのだろうと思います。いずれにしても気持ちよく負けているなと。負けっぷりがいいというか、選挙というかこういうものは良い時もあれば悪い時もあるので。いつもいつも良い時ばかりだったら政権に緊張感はありませんので、ある意味でこういうことを機にやっぱり緊張をしてもらいたい、もう一回引き締めて政権運営に当たっていただきたい、また与党としてもそういうつもりでやっていただきたいということに尽きるのだろうと思います。

(問)NHKの松田です。昨日、うちのニュースの方で福島の除染についてなのですけれども、南相馬の方で農地の除染をしたという報告があったにも関わらず、実はそこが除染ができていなかったということがあって、内部でのミスだったというような話を業者の方はしているわけですけれども、こういった事態が発覚したことについて、初めてではないと思うのですね。何度もこういう、除染ができていなかったということはあったかと思うのですけれども、これについて大臣は今どのように感じていらっしゃるかということと、あと再発防止に向けてどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
(答)いつもこの種の事件が表面化しますと、私はとにかく事業そのものが住民の信頼の下に行われているものだと思っておりますから、こういうことが起きるたびに住民の信頼を損ないかねないということに懸念を感じます。そういう意味において、もう長い時間こういう除染の作業をやっているわけですけれども、常に緊張感を持って、現場の方々、そして我々役所もそうですけれども、緊張感を持って当たってもらいたいと思います。そういう意味において今回の事件を受けて改めて私どもとしては、業者に対して厳しい指導をしていきたいと思っております。
(問)再発防止に関してはいかがでしょうか。
(答)環境省に対する報告書をもってすべてが完了したというシステムになっているやに感じておりますけれども、やはり、国土交通省あたりの公共事業の在り様を見ておりますと、工事完了に対しては必ず役所が確認するのです。厳しい指導をしながら確認する作業があります。それがやはり今回抜けておったのかなという気がいたしておりまして、改めて事務方には、今後のことについて、環境省は今度、福島の環境事務所も格上げをいたしますので、体制もしっかりしてくると思いますので、そこの辺りを含めて、今後の福島全体に対するこういう事業に対して、福島環境事務所の現場の方々に期待をしたいというふうに思っております。

(問)毎日新聞の五十嵐です。ヒアリの件で簡潔にお尋ねします。これまで基本的には水際対策というところに主眼をおいて取り組んでおられたと思いますが、今日の一件がどうなるかにもよりますけれども、やはり今後は入ってきているという前提に立った対策というところもしっかり考えていかなければいけないと思いますが、その辺りについて現時点でのお考えをお聞かせください。
(答)現時点におきましては、水際でとにかく入れないということに全精力を集中すべきだと思っています。私がいろいろと聞いた話では、ニュージーランド辺りで成功例もあるやに聞いておりますので、そういうことに注力をしたいと思います。御懸念はもっと広範囲にという御指摘なのだろうと思いますけれども、何せ相手が数ミリという、目視しにくいような個体でございます。なかなか一般の人も、専門家も分かりにくいというようなことも聞いておりますので、やはり情報を集めておくということは必要だろうと思っております。ただ、いたずらにこの問題で我々の立場の者が大きく取り上げますと、人様に対して煽るようなことになってしまいかねないということも懸念いたしております。さはさりながら、やるべきことはきっちりやっていく。現時点においては、とにかく今のところ個体そのものは水際でしか、港でしか、見つかっていないわけですから、何としても個体を水際で防いでいく、そこから広がらないようにしていくということに精力を傾けるべきだろうと今は思っております。