大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年3月28日(火)8:40~8:47  於:参議院議員食堂前ぶら下がり)

1.発言要旨

 私の方から1件御報告いたします。国立研究開発法人国立環境研究所の住明正氏は、3月31日付けで任期満了となりますが、その後任に東京大学大学院医学系研究科教授渡辺 知保氏を、4月1日付けで任命することについて、本日の閣議で了解を得ることができました。渡辺知保氏の略歴については、会見後に事務方から説明を致します。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。福島県内の除染で出た土壌の再生利用の関係なのですが、昨日の在り方検討会にて、これまで利用の方針を決めていた道路、堤防のほかに、公園などの緑地の造成にも使用をするという方針を了承されたということで、環境省として膨大な土をどう処分するのかが課題だと思うのですが、地元の方や住民からは反対の声や、不安の声が聞かれると思うのですが、そこにこれからどういうふうに対応していかれるのか、考えをお聞かせください。
(答)まだいわゆる実証モデル事業を開始したところでございまして、これから、色々な知見が生じてくるのだろうと思っております。どういう状況になろうとも、とにかく環境省としましては、再生利用はどういう事になっていくかはよく分かりませんが、いずれにしても管理はしっかりとしていかなければならないという事に尽きるのだろうと思っております。今、緑地であるとか公園であるとか色々な表現で言われておりますけれども、いずれにしましても、多様な選択肢はあってしかるべきだろうと思います。やはり、きっちり管理しての再利用になるのだと私は思っておりますので、それに尽きるという話だと思います。

(問)住民の不安の声もあると思うのですけれども、そこにはどういうふうな説明が必要だとお考えでしょうか。
(答)先ほど申し上げましたように、モデル事業において知見が生じてくるだろうと思いますので、その知見に基づいて御説明を丁寧にしていく必要があると思います。

(問)日本経済新聞の川口です。福島1Fの周辺で避難計画が作られていないところがあると思いますけれども、その状況を教えていただけますでしょうか。
(答)避難計画、一部の周辺についてだと思いますけども、福島県の地域防災計画・広域避難計画を勘案しまして、関係市町村が避難計画を策定することとされております。まだ策定していないところが5市町村ございます。田村市、葛尾村、飯舘村、大熊町、双葉町の5市町村あるわけでございますけども、住民の帰還状況等を踏まえつつ現在策定中のところもあったり、又は住民の帰還後に策定予定とされているところもあります。いずれにいたしましても、国としては、福島地域原子力防災協議会の枠組みの下、今後とも関係自治体と一体となって避難計画の具体化、充実化に取り組んでまいりたいと思っております。
(問)大臣としては、早めに作ってほしいという意向でしょうか。
(答)できましたら、住民の方々の御不安もあると聞いておりますので、地域の方で策定されるならば、国としても、今までの他のところと同じように避難計画というものを考えていきたいと思っております。

(問)朝日新聞の小堀です。福島の再生利用の件なのですけれども、今やっているモデル事業が8,000ベクレル以下の土をどうにかしようということですけれども、実際に使われる土の平均濃度が約2,000ベクレルしかありません。実際に8,000ベクレルの土の処理がこれで進むとお考えでしょうか。
(答)さっき申し上げたように、管理をしっかりするということに尽きるのだろうと思っておりますので、今、小堀さんが御指摘のようなこと等についても、測定をしながら、いろいろと復興作業を進めていきたいと思っております。
(問)8,000ベクレルの土を使いたいけれども、実際には2,000ベクレルの土しか使わないということで、8,000ベクレルぎりぎりまでの土はまだ使われようとはしていないですけれども、丁寧に説明していけば、それを使うということは進むとお考えでしょうか。
(答)いずれにしても、これは実証モデル事業でございますので、周囲の方々、また地元の方々の御意見も尊重しながら作業を進めていく必要があろうかと思います。当方本意で進めていく事業ではないと思っておりまして、住民の方々の御不安もありますので、その辺のことを勘案しながら作業を進めていく必要があるのだろうと思っています。

(問)読売新聞の野崎です。香川県の豊島の産廃問題の関係なのですけれども、40年前に大量に不法投棄された産廃が今日撤去が終わる予定ですけれども、そのことに関して大臣の御所感をお願いいたします。
(答)私が環境に携わっているときに豊島の問題が発生いたしまして、豊島の不法投棄の問題等々、やっと解決といいますか、完了という日が来たなということは、感慨深いものがあります。そういう意味において、今日まで御協力をいただきました香川県をはじめ関係各位に謝意を表したいと思っております。いずれにいたしましても、このようなことが今後起きないように、環境行政はきっちり役割を果たしていく必要があると思っております。