大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年3月7日(火)9:21~9:30  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から1件御報告させていただきます。本日の閣議で、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。この法案は、新規化学物質の審査特例制度における総量規制を合理化するとともに、毒性が強い新規化学物質について管理の強化を図ることを内容とするものです。これらの措置によって、化学物質による環境汚染の防止をより適切に実施できることになると考えております。

2.質疑応答

(問)時事通信の今泉です。間もなく、東日本大震災及び原発事故から6年を迎えます。環境省としては除染に取り組まれてきたと思うのですけれども、一応今年度内で面的除染を完了する目標を立てていらっしゃいますが、これまでの除染の評価と今後の課題について大臣の考えをお聞かせください。
(答)除染等の効果によって、空間線量率が除染前と比べて除染直後の平均値で約50%、除染の半年から1年後の事後モニタリングの時点では約65%低減することが確認されております。本年3月までに、除染特別地域において除染実施計画に基づく面的除染が完了する見込みであります。汚染状況重点調査地域のうち住宅や公共施設等、日々の生活の場における除染作業もおおむね完了する見込みです。こうした取組を通じて、福島県をはじめとする被災地の復興に貢献することができたと考えております。事業を進めるに当たり、地権者の方、福島県、各市町村をはじめ多くの関係者の御理解、御協力をいただきましたことに心より感謝を申し上げたいと思います。
 今後のことにつきましては、除染については開始から5年余り経て、いよいよ完了に近づいているわけでございます。来年度もフォローアップ除染や仮置場の安全確保など、地元の皆さまに寄り添った対応を継続してまいりたいと思っております。帰還困難区域については復興拠点の整備につき、福島復興再生特別措置法の改正がなされた上で、必要な役割を果たしていきたいと思っております。一言付け加えさせていただきますと、今朝のニュースで避難指示区域における家の再建の映像が映りました。帰る家について手を入れたいという映像が映ったわけですけども、本当に復興が一歩ずつでも前進しているということをその映像を見ながら感じておりました。
(問)もう一点なのですけれども、この除染事業には2012年1月の開始以降、2兆6000億円の予算が投じられて、延べ3000万人以上の人手がかけられています。大臣は今おっしゃったように成果が上がったということなのですけれども、どういう形で被災者の方をはじめ国内外にこの除染の成果というものを周知していくお考えでしょうか。
(答)一番分かっていただきたいのは、先ほど申し上げましたように、当事者の方々、被災された方々に今の姿を見ていただきたいと思っております。除染の地道な作業が環境改善にかなり貢献をしてきているということを被災者の方々にまずは分かっていただきたいと思っております。その上で世界といいますか、多くの方々に御理解をいただければと思います。

(問)読売新聞の野崎です。先週の環境省の職員の逮捕の関係で、先日大臣がおっしゃっておりました再発防止策の件ですけれども、ダイレクトダイヤルだとかそういった対策をいつからどのようにやるのか、もし具体的に決まっていたら教えて下さい。
(答)ダイレクトダイヤルにつきましては、来週にも開設したいと思っております。

(問)NHKの橋本です。除染に関連して、地道な作業が線量低減につながっているというお話でしたけれども、被災地、特に避難区域の現状を見てみると帰還する人が少数だという現状もありまして、その辺りは復興、あるいは住民の帰還を目指して行われたというのが除染の本来の目的だったと思うのですが、住民の帰還についてはどう貢献できたのか、あるいはそこまでつながらなかったのか、その辺の評価について教えてください。
(答)さっき申し上げましたように、今朝の映像はNHKの報道だったのですけども、家に手を加えていらっしゃる映像が流れて、ああいう映像が流れることによって帰還をためらっている方々、また思い悩んでいらっしゃる方々に一つの示唆を与えることができるのではないかなということを私は感じたんです。ああいう言ってみれば早く帰られるという方々の姿を見て、いろんな方々がまた思いを致されるんだろうと思っておりますので、これからの話だと思っております。従いまして、環境省としては、いつも申し上げますけども、とにかく与えられた役割、除染という作業を通じて環境を整備していきたい、そのように考えております。
(問)もう一点が、来年度から帰還困難区域に国費を投入して除染が始まりますが、より一層国費投入ということでコスト抑制という視点もこれから必要になってくるかと思います。当然やるべきところは除染をすべきだとは思いますけれども、その辺の兼ね合いが必要になってくると思いますが、5年余りやってきたこれまでの知見や教訓を今後、来年度以降どう生かしていかれるお考えか教えて下さい。
(答)当然これまでの経験、知見を生かしていくのが当たり前だと思っております。いろいろ作業を進めていくときに、これは年月が経とうとも、やっぱり地元の方の声をとにかく大事にするということに尽きるのだろうと思います。地元の方々の声を聞いて、この作業の先を見ていきたいと私は思っています。