大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年3月3日(金)9:15~9:31  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、私の方から3件御報告いたします。昨日、福島環境再生事務所の職員が、収賄容疑で逮捕されました。大変残念なことであり、福島の皆様及び復興に取り組まれている多くの関係者の皆様、国民の皆様の信頼を大きく揺るがせるような事態が生じてしまったことについて、深くお詫び申し上げます。福島環境再生事務所が行っている除染、中間貯蔵施設事業などは、福島の再生・復興に不可欠な事業であり、地元をはじめ関係する皆様の御理解とご協力がなければ進められないものです。それにもかかわらず、このような事態を招いたことは、きわめて残念であります。環境省としては、捜査に全面的に協力するとともに、当該職員につきましては、今後の司法当局の取り調べ結果などに基づき、厳正に対処いたします。また、改めて綱紀粛正、適正な業務執行に取り組むとともに、倫理規定の遵守についての個別指導や、外部識者を招いての教育研修などの指導を徹底します。

 次に、本日の閣議において、「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。本法律案は、土壌汚染に関する適切なリスク管理を推進するため、土壌汚染状況調査の強化を図り、都道府県知事が汚染の除去等の措置内容の計画提出を命ずることとするとともに、一定の要件を満たす区域における土地の形質変更の届出及び汚染土壌の処理に係る特例制度の創設等の措置を講ずるものです。
 次に、昨年12月26日付けで中央環境審議会から答申をいただいた「奄美群島国立公園」の指定について、来週3月7日に告示を行います。これにより、同日付けで、国内34番目となる新たな国立公園が誕生することとなります。また、「奄美群島国立公園」の指定によって、平成30年の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の保護担保措置がすべて整ったこととなります。

2.質疑応答

(問)時事通信の今泉です。先ほど冒頭ご発言のあった福島再生事務所の除染工事の汚職の関係なんですけど、逮捕された職員は浪江町の担当だったと伺っております。まず、被災者の方たち、あと浪江町あるいは福島県に今回の事件のですね、再発防止で環境省としてどのように説明されるお考えでしょうか。
(答)昨日、私と次官の方から、福島県知事及び浪江町長にお電話し御報告とお詫びをいたしました。また、小林次官に対しまして、今日、福島県及び浪江町に直接足を運んで、お詫びをするとともに、福島環境再生事務所へ行って職員に訓示をするように、私の方から指示を出したところでございます。再発防止のために何をするかということについては、こうした事態を踏まえまして改めて綱紀粛正、適正な業務執行に取り組んでまいり、信頼回復に努めてまいりたいと思っております。福島環境再生事務所職員全体に対しては、訓示を行うとともに、倫理規定の遵守についての個別指導や、受注業者から問題のある事案について通報を受けるダイレクトダイヤルの開設などを行ってまいりたいと思っております。
(問)関連で、再発防止事項で倫理規定の徹底というお話がございましたけれども、やはり定員560人程いらっしゃって、300人程が任期付きで、つい最近公務員として入られてきたばかりで、いわゆる現場の仕事の実態のコミュニケーションがどうなっているのかというのは、まだ我々が取材した限りでは十分把握をされているかどうかわからないところがあるのですけれども、実態把握として環境省として今後何か取り組まれるお考えはありますでしょうか。
(答)管理職員による監督指導が図られていると認識はしておりますけども、任期付き職員に限らず、全職員に対して改めて綱紀粛正を徹底いたしまして、適切な業務執行を行われるよう取組を強化してまいりたいと思っております。

(問)北日本新聞の北崎です。今回、事件の発端はですね、警視庁から環境省への相談だったということで、本省からも、任意で関係資料を提出したり、あるいは提出されているかということと、あと民間出身の職員がそういった職務権限をですね、実際持っているのかと、元請けのJVがあって、下請けが入るために実際にはどういった何か、競争原理を働かすようなことで業者選定をしているのか、その辺の仕組みをお教えください。
(事務方)まず、警察当局とどのような接触をしたのかということにつきましては、時期とか内容を含めまして、現在捜査を行っております。捜査に関わることでございますので、コメントは控えたいと思います。
(事務方)下請けの選定に環境省が関わるかということでございますけれども、これは元請けが民間同士の契約として下請けを選定して事業に参入してまいりますので、環境省が下請けの選定に関わるということはございません。
(問)下請けの業者選定に関しては、元請けのJVがやっていると、権限を持っているとなります。そこに職員が介在して口利きをした可能性があるということでしょうか。
(事務方)その辺の事実関係は、捜査に関わる話でございますので、コメントは控えさせて頂きます。
(問)さんずい事件だと、職員が職務権限をまず持っているかということが問われると思うのですが。
(事務方)職員の職務権限はありません。

(問)NHKの橋本です。今の職務権限の話に絡んでなのですけれども、専門官という立場で一般的に、元請けですとかあるいは一次下請けの業者と、普段の業務で接触する機会というのはあるんでしょうか。
(事務方) 接触の機会というのはあると思っております、この担当職員の業務内容は出来高管理というのを担当をしております。内容としては、除染現場において空間線量の測定を行いまして、線量を確認して線量が下がっていなければ受注者に追加対策を指示するという作業を行っております。これは単独で行うものではなくてですね、除染活動推進員と監督職員が共同して行う、さらに客観的な測定値を確認しながら行う作業ということでございます。接触はありますが、恣意的な権限を振るうという実態はございません。
(問)二次下請けの業者を選定する立場にはない、権限はないというお話でしたけれども、今朝までの報道で、鈴木専門官が元請けなどに口利きをしたという供述をしているという報道がなされています。ということは権限がないにしてもですね、口利きをできる可能性、立場にはあったという理解でよろしいでしょうか。
(事務方)話ができるかできないかということから言えば、話はできるという立場でございますけれども、権限はないということでございます。
(問)最後に、一点お伺いしたいのが、今回摘発された業者が関わっている、浪江町での除染工事というのが、果たして適切になされていたのかどうか、過去にも不適正除染ということが指摘されていますけれどもそのことについてと、そもそも元請けの落札金額が妥当だったのかどうなのかということもですね、環境省の発注者責任としてしっかりと検証すべきだと思いますけれども、その辺の対応はいかがでしょうか。
(事務方)今後、経緯等を調べてまいりたいと思っております。
(問)それはその二点についてですか。適切なされていたのかどうか、放射線の線量をしっかりと落としたということをやってるのかということと、落札金額について妥当だっていうことについて、しっかりと検証するということでしょうか。
(事務方)そうした検証とかですね、チェックというのは普段の業務の中でもしっかり対応しているところでございますけれども、今回の案件についてもその二点について調べていきたいと思っております。

(問)テレビ朝日の吉野です。同じことなのですが、再発防止で今、第三者委員会的なことを実施することもお考えということなのですが、何かもう少し具体的にありましたら教えてください。
(事務方)第三者委員会を設置するといったことを大臣から発言していなかったかというように思います。特に大臣から指示を受けておりますのは、福島再生事務所に対して今日、次官が行って訓示をきちんとしなさいと、それから倫理規定の遵守について個別指導を行いなさい、それからダイレクトダイヤルを開設する、これは専用のダイレクトダイヤルをきちんと開設しなさい、こうした指示を受けましたので、これらをきちんとやってまいりたいと思っております。
(問)あのすみません、事後の検証を客観的に行うというは、何かそういうものは予定されていないですか。
(事務方)事後の検証というには、どういうことでしょうか。
(問)ですから、今回のような事態が起きたわけで、先ほどNHKさんからもありましたように、除染と落札金額をね、きちんとチェックしたいとか、どうしてこういうことが起きたのか、再発防止するためにどうしたらいいのかということを、だいたいその外部的にこう何かを作って検証するということもあると思うのですけど、そうしたことはされないのでしょうかというお尋ねです。
(事務方)契約内容とか不適正除染についてというのは、まずは内部でしっかり確認してまいりたいと考えております。国の手続として、会計検査等もございますので、そうしたところにもしっかり対応してまいりたいと思っております。
(大臣)私の方から一点追加をさせていただくならば、当然職員はもちろんのことでございますけれども、元請けはじめ下請けの業者の方々にも疑わしき行動はとらないでほしいという通達を出したいと思っております。