大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年2月28日(火)9:12~9:25  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から3件御報告いたします。本日、「種の保存法改正法案」と「カルタヘナ法改正法案」が閣議決定されました。種の保存法改正法案は、国内希少野生動植物種に関する新たな類型の創設、動植物園等の認定制度の創設、国際希少野生動植物種の登録制度強化及び象牙事業者の管理強化等の措置を講ずるものです。カルタヘナ法改正法案は、名古屋・クアラルンプール補足議定書を担保するため、遺伝子組換え生物等の使用等による損害の回復に係る措置命令の規定の整備等の措置を講ずるものです。
 もう一件ですが、「独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令」を閣議決定しました。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。温泉施設での硫化水素の事故を防ぐ安全対策についてなのですけれども、昨日、検討会の方で安全基準の改正案というのがまとまったわけですけれども、改正そのものも大事だと思いますけれども、大事なことはこれをどういうふうに施設側だったり、行政がしっかり基準に沿った安全対策を徹底するということが大事だと思うのですけれども、それについて今後環境省としてどういうふうに取り組まれるのか教えてください。
(答)今回の温泉利用基準の改正案は、昨年9月から有識者による検討会にて検討を重ね、とりまとめていただいたものです。今回の基準案のポイントは、温泉利用施設における硫化水素中毒事故を防ぐための措置として、施設管理者が、浴室内における硫化水素濃度をしっかりと把握した上で、一定以下にする措置を適切に講じることを求める点です。今後、環境省では、パブコメを経て基準を改正するほか、本基準の解釈や運用を示したガイドラインの策定等を行うとともに、温泉法を運用している各都道府県等の関係機関と協力して、本基準遵守の徹底を図ってまいります。どういうふうに守ってもらうかということが重要だと思いますけれども、都道府県等においては、本基準の遵守状況について、必要に応じて、温泉法に基づく報告徴収や立入検査により確認していただきたいと考えております。環境省としても、温泉法を運用する各都道府県等の協力を得て、引き続き本基準の運用状況の把握を行うとともに、本基準の遵守徹底を図り、硫化水素中毒事故の未然防止に努めてまいります。
(問)もう一点、大阪の森友学園の件についてなのですけれども、敷地内で出た廃棄物を埋め戻したのではないかというような指摘がされていて、学園の方は仮置きをしているというようなことを言っております。地元の豊中市も調査をしたというところなのですけれども、環境省として今この件に関して、何か聞き取りであったり、調査であったり、行っているようなことがあれば教えてください。
(答)事案の詳細については承知しておりません。廃棄物処理の指導監督については、豊中市の事務となっているところ、豊中市において適切に対応されるものと承知しています。そういう意味において、早速豊中市が業者の聞き取りに入ったことの報告を受けております。これから豊中市の調査の結果を詳細にこちらも聞き取りまして、環境省としてどう取り組むのかということを検討していきたいと思っております。一義的には豊中市が調査されるのだろうと思っております。
(問)豊中市が聴取をされた上で、環境省としてもそこは豊中市に聞き取りをするということでしょうか。
(答)豊中市から廃棄物処理に関して御相談があれば、協力していきたいと思っております。

(問)時事通信の今泉です。アメリカのトランプ政権が近々、発電所からの炭素排出量を厳格に制限することを求めるクリーンパワープランというのを撤回すると一部情報が出ておりますけれども、大臣は常々脱炭素に向けた世界の潮流は変わらないとおっしゃっておりましたけれども、こういったアメリカの動きに対して、どのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)昨日、梶原地球審のアメリカ訪問の報告を受けました。今御指摘のようなことも含めて、一言でいうならば、私の立場から言うと「悲喜交々」、「悲」の方が比重は大きいですが、いずれにしましても、まだ予断を持って状況を見ていくことは難しいだろうと思っております。引き続き各種のチャンネルを通じて、情報収集に努めてまいりたいと思います。今のCPPのことについても、どうなっていくのかいろいろと臆測はありますけども、まだ予断を持って物事を判断するのは難しいかなと思っております。
(問)アメリカは世界第2位の温室効果ガスの排出国なのですけれども、そこがパリ協定の流れと逆行するような動きを取った場合、それに追随するような動きは他の国であるとお考えですか。
(答)現段階において、私はもうパリ協定の一つの流れというのは変わらないと思っておりますので、追随をしてというようなことはないんだろうと思います。アメリカ自体がどういうことになっていくのかまだちょっと分りませんが、流れは変わらないでもらいたいし、変わらないだろうと思っています。

(問)共同通信の佐々木です。種の保存法の改正についてお伺いしたいのですけれども、象牙の管理制度を強化するという内容になっていると思うのですけれども、昨年、必要な登録をしないで象牙を売買したという事案が東京、静岡、神奈川と各地で相次いだのですけれども、こういった事案については今回の改正で防止できるような内容になっているのでしょうか。
(答)届出制から登録制に変わってまいります。登録制になった段階で、国内における象牙の全形牙の数を把握していきたいと思っております。まずは今回の法改正で、多分業者が持っていらっしゃる全形牙の数は把握できるのだろうと思っておりますけども、その流れが個人の方が所有をされている全形牙、それにまで波及をしていけばいいと思っております。さすれば、全体の日本国における全形牙の数が推計できますので、そしたらまたやり方が出てくるんだろうと思っております。まずは今回の法改正で届出制から登録制に変わっていって、業者の方が持っていらっしゃる全形牙の数が把握できる、そこに大きな狙いがあると思っています。
(問)今の話ですと、将来的には取引に用いない業者以外の一個人が持っている在庫象牙についても登録を義務付けることを考えているのでしょうか。
(答)そこまでまだ今回は考えていないのですけども、流れで個人の方にも波及をしていけばいいと思っております。そういうことが今のところ我々の頭に、今後、登録推進キャンペーンを実施いたします。個人の所有についても積極的な登録を呼び掛けをしていきたいとは思っておりますけど、法において云々ということは、現時点では考えておりません。

(問)朝日新聞の小堀です。関連で種の保存法の象牙の強化規制なのですけれども、昨年のワシントン条約の締約国会議では、違法な取引を助長するような国内市場の閉鎖そのものを求める動きがありましたが、今回の法改正は象牙市場の閉鎖までは求めていませんが、このことで十分だというふうにお考えでしょうか。
(答)ご指摘のように、ワシントン条約会議においてこの問題がいつも取り上げられるということは、やっぱり我々としては不本意なことでありますので、きっちりした国内市場をつくり上げていきたいと思っております。そのためには、まずは先ほどから何回も申し上げますけども、やっぱり全形牙の数を把握することが大事だろうと思っておりますので、不断にこの問題についての努力をしていく必要があると思っております。

(問)テレビ朝日の吉野です。経済産業省の全室戸締まり、鍵掛けの問題について改めてお伺いするのですけれども、多くの批判やそこの記者クラブの抗議があるのにもかかわらず、あのようなことが今実際に運用され始めました。環境省では似たようなことをやるつもりがあるのかどうかをまずお答えください。
(答)先週も申し上げましたけども、環境省は全く予定もしておりませんし、今のところ考えてもおりません。
(問)経済産業省は私も4年担当したが、甚大な原子力災害を予見することも防止することもできなかった非常に問題がある省庁だというのは国民の間に定着していると思います。情報の公開自体も当時から問題になっていた中で、このようなことを断行することについて多くの怒りの声が広がっていると思いますが、大臣御自身の所感をお願いします。
(答)個人的には先週も申し上げましたように、好ましいことだとは思っていないということでございます。それに尽きるわけでございまして、他の省庁がそれぞれのご判断においておやりになるのだろうと思っています。ちなみに私は、個人的にも鍵を掛けて家を出るということはございませんで、多分、議員宿舎の中でも鍵を掛けずに出るのは私ぐらいではないかと思っているのですけども、議員宿舎の管理人さんに鍵を掛けてくださいよと言われるのですけど、面倒くさいというか掛けない主義なのです。だから、あまり施錠ということにぴんとこないところがあるので、好ましくないというのはそういう表現でもあったということをご理解いただきたいなと思います。
(問)ありがとうございました。大臣の個人のお宅はぜひ鍵を掛けていただきたいと思います。
(答)出が田舎ですから。