大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年2月21日(火)9:08~9:20  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、私の方からご報告することはありません。

2.質疑応答

(問)NHKの橋本です。まず温暖化対策についてお伺いいたします。長期戦略についてですが、既に小委員会で示されている素案では炭素の価格付けを導入すべきということで、それを柱においていると思いますけれども、いよいよ来月1日にはその案のとりまとめに向けた議論が行われると思います。改めて、長期戦略がどうあるべきとお考えなのか教えてください。
(答)今お話がありました、カーボンプライシングの表記は、たぶんこれまでになかったのだろうと思っております。私としましては、環境省が発表する長期ビジョンの柱は正にカーボンプライシングであると思っております。今様々な御意見をいただいてきております。いただきました御意見を適切にとりまとめまして、年度内に発表できればと思っております。
(問)追加してなのですが、小委員会ではこれまでに国内の有識者から意見を聞いてきましたけれども、例えば今後海外から著名な有識者を招いて話を聞くとか、そういった可能性はあるのでしょうか。
(答)国内でも様々なご意見があると聞いておりますし、海外の特に既に導入されたような国等々の御意見はお伺いする機会があれば、あってもいいのかなと思っております。
(問)別件なのですが、沖縄県のやんばる国立公園に関連してお伺いします。国立公園に隣接する区域に、米軍の北部訓練場の返還された土地がありまして、ここでは希少な生態系があるとされていますけれども、環境省としても来年度現地調査を予定されておりますけれども、この区域での自然保護について大臣としてはどうお考えなのでしょうか。
(答)今朝の報道を見ました。その通りでございまして、来年度から専門家を含めまして、詳しい調査をさせていただきたいと考えております。
(問)今後国立公園の編入についても、当然その自然保護の観点から視野に入れていらっしゃると思います。この辺の見通し、可能性についてはいかがでしょうか。
(答)とにかく専門家との調査をした後の編入という話になろうかと思いますけれども、今現在のところ何か申し上げるような段階にはきていないと思っております。
(問)とりあえず来年度に調査ということになるということでしょうか。
(答)とにかく調査をしてみてからということになります。

(問)毎日新聞の日野といいます。防衛省の日報の問題等もあって、公文書の管理であるとか、情報公開に関する問題が非常に最近話題になることが多いのですが、弊社も1月に報道して少し古い話になりますが、汚染土壌の非公開ワーキンググループの議事録の問題について改めてお伺いしたいと思います。これについて、先日、NPO法人の情報公開クリアリングハウスというところから環境省の方に公開質問状が出されたと思います。この質問状を見ると、この情報公開の請求後に議事録を修正するというのは、情報公開ではなく、非常にこれ情報操作に近いということで、非常にきわめて悪質な事例であるということで指摘されています。経緯を見ると、事務局を委託されたJAEAから環境省に議事録、まあ議事メモと言っても、議事概要と言ってもいいと思うのですが、環境省に素案が出されていて、比較すると一部を完全に削除して全部開示として出しました。これはもう都合の悪い部分をいくらでも消せるという、非常に悪質な事例だと思います。2点お伺いしたいのですが、以前の記者会見の時に、要約しただけで特に問題はないと、環境省がこれを削除したことについて問題はないと、これ根拠としておそらく素案をJAEAから入手した時点で公文書ではないという認識の下に問題はないというふうに言われたと思いますが、情報公開法を見ると、行政文書の定義がありまして、省庁が組織的に入手したものと書かれています。これ素案の段階で公文書ではないのでしょうか。公文書なのでしょうか。改めてお伺いいたします。それからあともう一つが、こういった運用というのは当たり前に行われているものなのでしょうか。これだといくらでも都合の悪いことを隠せることになります。2点お伺いいたします。
(事務方)ワーキンググループの議事録、議事メモの公開についてということでございますけれども、まず公文書かどうかということについては、作成途中のものであっても、共有をされていれば公文書に当たるものであると思っております。ただ今回の公開については議事概要、議事メモを公開したということでございまして、その議事概要を作成する過程において、所要の要約を行い、必要なポイントをまとめた上で、整理してお出ししたということでございまして、その手続自体は適正なものであったものであったというふうに考えております。
(問)先ほどの繰り返しになりますけれども、一部しか削っていないですよね。素案の段階で公文書ということで今お認めになりましたけれども、素案、公文書から一部しか削っていない、これは公文書の改ざんではないのでしょうか。
(事務方)公開請求をいただいた文書については「議事録(議事メモ)」の公開の請求をいただいておりまして、議事メモに相当する議事概要をお作りしてお出ししたということでございまして、これ自体は改ざんではなく、必要なものを編集してお出ししたということでございますので、適正な手続であったというふうに考えております。
(問)議事録か議事概要かというのはそちらの判断でしかなくて、もともとあった議事概要、これ素案と言っていいと思いますが、JAEAから組織的に入手した素案から一部を削るというのは、完全に改ざんですよね。違うのですか。
(事務方)議事概要を作成する時点で必要な部分を引き出してお示ししたということでございまして、これは改ざんということではなくて、適正な議事概要を作るプロセスであったというふうに考えております。
(問)朝日新聞の小堀です。フロン排出抑制法に関してなのですけれども、使用中のエアコンとか冷蔵庫から漏れているフロンの量について、法律に基づく報告制度で初めて集計結果がまとまりましたが、そのことについて所感をお伺いいたします。
(答)おっしゃるとおり、初めて公表させていただきました。報告された算定漏えい量の合計は約235万t-CO2で、報告事業者数は446事業者でした。今後、今回の数値について分析を進めるとともに、本制度を着実に運用することで、フロン類の排出抑制を進めてまいります。私としましては、空調設備業界をはじめとして、一生懸命取り組んでいらっしゃる方、業界がございます。そういうことを考えていくときに、この問題を役所としてもう少し踏み込んで業界の御協力を得られるようにやっていきたいと思っております。
(問)使用中に漏れているフロンというのが、全体で400万トンぐらいあるそうなのですけれども、今後どういうふうに減らしていくのか、大臣は踏み込んで関わっていくとおっしゃいましたけれども、具体的にはどのようなことをお考えなのでしょうか。
(答)検討会を開いて、御検討もいただいておりますけれども、フロンに対する一般の認識というのは非常に正直低いというのが、私の長年の携わってきた感想でございます。従いまして、特に漏えいが多いと言われているものとしてショーケースの類いがかなり多いというふうに聞いておりますので、ショッピングモールをはじめ、量販店の皆様方含め、街の肉屋さんに至るまで、このフロンの問題を認識していただけるように、どういうやり方があるか是非これから広報に努めていきたいと思っております。

(問)共同通信の佐々木です。先ほど質問のありました、やんばる国立公園の調査に関して、例えば調査はいつ始めて、いつまでに終わらせたいとか、大体で結構ですのでスケジュール感についてもしあればお聞かせください。
(答)今はスケジュールについて口にするのはいかがかと思います。いずれにしましても、長い間違う状況と言ったら語弊がありますけれども、米軍の管理下に置かれた地域でございますので、おそらく想像するに、ヤンバルクイナはじめ、希少な動植物が存在をしているだろうと想像しておりますが、とにかく調査をしてみないとどういう状況になっているのかわかりません。それを見て、判断をさせていただければと思っております。