大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成29年1月24日(火)9:39~9:49  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から1点ご報告いたします。国立公園満喫プロジェクトにつきましては、昨年7月に選定した8つの国立公園において、地域の多様な関係者からなる地域協議会を設置し、「ステップアッププログラム2020」の策定に向けた議論を重ねてまいりました。その結果、昨年末までに8つの国立公園全てにおいて「ステップアッププログラム2020」が策定されました。8つの公園それぞれ特徴的な魅力があり、今回、その魅力を活かした取組を整理しましたので、お知らせいたします。今後は、このプログラムに基づき各地域において、関係省庁とも連携を図りつつ、地域の関係者と取組を推進するとともに、8つの公園の特長を活かした積極的な海外発信等を実施してまいります。まずは8公園で成功例を作り、更に他の公園にもその成果を広げていくことにより、2020年までに訪日外国人の国立公園利用者1,000万人という目標を達成してまいります。また、海外への情報発信の一環として、本日より国立公園フェイスブックを開設いたします。初回は私から、足摺宇和海国立公園の紹介をいたします。全国のレンジャーから、日英二言語で、国立公園の紹介をしていく予定としておりますので、こちらも是非ご覧いただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの松田です。国立公園満喫プロジェクトに関してなのですけれども、環境省は環境の保全と国立公園の自然保護という観点も大事だと思うのですが、阿寒ではこれまでは側までは行けなかった、環境省が許可していなかった、マリモの生息地に入るツアーを開催されたり、民間のホテルだったり、民間の事業者の誘致というのも今回の大きな柱だと思うのですけれども、保全ということに対して、大臣どのように保全と国立公園満喫プロジェクトをどういうふうにしていこうと考えておりますでしょうか。
(答)もちろん保全をするということが第一義でございまして、保全をしながら、なおかつ外国人の方々を含め、多くの人に来ていただきたいというプロジェクトでございますので、その辺は注意をしながら進めていく必要があろうかと思います。今最後におっしゃったようなことも含めまして、地域の協議会において十分に協議をされたと思っておりますので、期待をしていきたいと思います。
(問)注意をされたいということですけれども、例えばどういったことが懸念されるのでしょうか。
(答)環境を破壊してまで人様に来ていただきたいというのは、これは正に本末転倒の話になりますので、まず第一義は、国立公園の国立公園たる魅力を発揮していく、そのための保全というのが大事だということを申し上げたいと思います。

(問)共同通信の津川です。文科省の天下りの問題の関係なのですけれども、安倍総理から全省庁調査の指示がありましたが、それに対してどう取り組まれるかお伺いします。
(答)先週申し上げたように、人事局の調査に対して真摯に取り組んでまいりたいということを現場に指示をいたしておりますので、私は環境省の諸君を信じておりますので、きちんとした対応をしてくれるものだと思っております。
(問)違法な天下りが今回起きたわけですけれども、それを防止するためには何が必要か、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)法律で決まっているということをまず守るという姿勢だろうと思います。それが今回欠如していたが故に、ああいう事案が起きてきたのだろうと思っております。やっぱりまずは、法律を守るという姿勢をもう一度正してもらいたいと思います。

(問)読売新聞の大山です。アメリカのトランプ大統領が就任されたのですけれども、就任演説では温暖化には触れなかったのですけれども、報道された施策の中でオバマ大統領の気候変動に関するアクションプランからの撤退ですとか、また火力発電の二酸化炭素排出量の規制撤廃などが挙げられております。そういったことで、国際的な地球温暖化への対策に後ろ向きになるのではないかと考えられますが、大臣はこういったトランプ大統領の影響についてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)これは、報道等で知る限りではあるのですけども、非常に危惧を抱いております。アメリカが参加をしないような国際的な取組というのが、果たして実効性が上がるものかどうかということを元々懸念しておりましたので、今回のトランプさんの打ち出された6つの「まずは」という中にあったのを見まして危惧をいたしております。しかしながら、いつも申し上げますように、やっぱり世界的な潮流はもう後戻りできないところまで来ていると思っておりますし、なおかつアメリカの企業であったり州単位ではかなりこの問題に対して取組が進んでおりますので、連邦政府としてもやはりそれを過小に評価することはできないのだろうと思っており、今は期待をしているということになります。
(問)国内の経済界ではアメリカがやらないのだから日本もみたいにと、そういうことを言う人もいますが、国内の取組には変化はないと思ってよろしいでしょうか。
(答)私はあってはいけないと思っているし、いつも申し上げますように、3.8%にすぎない排出国ではありますけども、この問題に関しては日本はやっぱり愚直に貫き通していくという姿勢を世界に示していく、それこそが日本の役割だと思っていますから、ぜひ国内対策等々を含めて、日本のこの問題に対する考え方が後退しないように気を付けていきたいと思います。

(問)毎日新聞の久野です。今の質問に関連してなのですけれども、クリーンコールをアメリカから途上国に輸出していくというような政策を取る懸念も今回示されたわけですけれども、日本政府として、そういったことを推進するような取組は以前から経産省を中心にありますけれども、環境省としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)いずれにしても、アメリカがどういう具体的な政策をお決めになるのかがまだちょっと分からないわけですから、その辺についてはコメントは控えたいと思います。日本においてもやっぱりある種のそういう考え方を持っていらっしゃる方もいることは承知をいたしておりますが、よほど注意してそういうものの輸出というものはやっていく必要があるのだろうと思っております。

(問)NHKの松田です。関連なのですけれども、日本は今、国際的にも石炭火力の輸出で結構批判を浴びているという中で、アメリカで容認するような動きになりますと、日本への批判、石炭火力を輸出したり日本国内で推進することへの批判も弱まることも考えられますが、環境省としてはどのように臨まれますか。
(答)いつも申し上げるように、環境省の立場としては、JCMにしても、その国の受け入れ事情はそれぞれ違うと思いますけれども、基本的には今申し上げたように脱炭素社会に向かっているわけですから、それに関連した輸出対策というか、輸出に重きを置いてもらいたいと思っています。いずれにしても、アメリカはどういうことになっていくのか、今のところ想像で皆さんお話しになっていらっしゃいますが、もしかしたら石炭じゃなくシェールガスだという話もあったりしますので、このことはよくこれから注視していきたいと思っています。