大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣記者会見録(平成28年4月20日(水)17:33~17:48  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)初めに、私から1点申し上げます。平成28年熊本地震に対する昨日から本日までの対応について報告をさせていただきます。初めに、し尿の関係です。仮設トイレ等におけるし尿を、適正かつ円滑・迅速に収集・運搬、処理するために、避難所の仮設トイレの設置数や稼働状況等を確認するとともに、処理施設の稼働状況を確認いたしました。現在、熊本県内にある21施設全てで受入れを実施しております。
 続いて、山積みとなっている生活ごみの関係です。本日、神戸市からの先遣隊が益城町に到着をし、現地調査を実施しております。明日以降、益城町に対して神戸市がパッカー車9台、熊本市に対して福岡市がパッカー車3台、広島市がパッカー車7台、京都市がパッカー車3台とダンプ車1台を派遣することが決定しております。さらに、熊本市内で収集した生活ごみについて、順次、熊本市から福岡市に搬入をし、福岡市内のごみ処理施設において受け入れることとしております。皆様のご支援に厚い御礼を申し上げます。
 今後は、月内にも各地で、災害廃棄物の仮置場への搬入が本格化すると想定されることから、仮置場の管理を適切に実施できるよう、技術的な助言を行うとともに、その後の処理に備えて、災害廃棄物の発生量の推計や、被災自治体における「災害廃棄物処理実行計画」の策定支援等を行ってまいります。引き続き、関係自治体と緊密に連携しながら、し尿、生活ごみへの対応、更に大量の発生が想定される災害廃棄物の処理について万全に進めてまいります。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の久野です。現在、被災地のごみ処理施設で稼働が出来なくなっているというか、被災している施設というのはどのくらいあるか把握しているのですか。
(事務方)熊本市内で清掃工場が東部と西部であるのですが、そのうちの東部が止まっていたり、いくつかの清掃施設が止まっているところがあります。そういったところの復旧を急いでいるところでございます。
(問)もう一つ、中間貯蔵施設の関係なのですが、双葉町の輸送の見通しについてお伺いします。
(副大臣)先日、4月11日に私は双葉町の全員協議会に出席いたしました。そこで、今年度の輸送に関してはご理解を頂きましたけれども、パイロット輸送の継続という位置付けでやってもらいたいというようなご意見を頂きました。具体的にいつ、どういった形で輸送を開始するかについては、現在、町と相談をしているという段階です。おかげさまで、大熊町でも輸送が始まりましたので、双葉町においても、なるべく早く輸送を始めさせてもらいたいと思っております。

(問)NHKの橋本です。熊本地震についてなのですが、先ほど福岡市で生活ごみの受入れが始まるというお話ですけれども、今後、災害廃棄物の処理段階になると、ますます処理が増えると思いますけれども、例えば、3.11の時のように、いろいろな隣接する県が広域的に処理するというようになっていくのかどうか、その辺の見通しについて教えていただけますでしょうか。
(副大臣)災害廃棄物につきましては、先ほども申し上げたように、まず今は生活ごみやし尿の処理を最優先にやっております。仮置場をしっかり確保してそこに搬入していくと、そういう手続が月内にも始まっていかなければいけないかなと思っています。その段階で、1回どれぐらいの量になっていくのか、どんなものが多いのか、そういったことをしっかり調査した上で、その結果に基づいて、やはり地元だけで処理は難しいということであれば、広域的な処理をお願いしていくということも考えていかなければいけないと思います。ついては、国としても責任を持ってしっかりと対応していきたいと思っています。
(問)今現在だと、救命ですとか、捜索の段階でなかなか言えないと思いますけれども、この地震の規模からいうと、熊本県だけでは処理もなかなか難しいのかなと、何となくそういったイメージなのですが、その辺、広域処理が可能性としてどれくらいあるのでしょうか。
(副大臣)ご承知のように今回の地震は余震が続いて、あるいは震源が移動したりと、現段階でなかなか予断を持って判断できる状況にないということでありますから、そういった状況をよく見ながら考えていくということになると思います。ただ、やっぱり地元で対応できないということであれば、外に対してもお願いせざるを得ないと思っております。やはり迅速な処理というのは当然必要になってくると思うので、現段階ではそれぐらいです。
(問)もう1点、環境省としてなのですが、初動から職員を派遣されて明後日までの職員派遣期限だったと思うのですが、今後この態勢を拡充されたり、派遣期間を延期されたり、そういったことの対応について教えていただけないでしょうか。
(事務方)今派遣している職員については、更に延長をして対応することを考えておりまして、必要があれば人員を増やすといったことも検討しております。今熊本県庁内に熊本県を支援する現地支援チームを置いておりまして、あとは福岡市に環境省の福岡事務所がありますので、そこに九州ブロック全体の広域的な支援をサポートするチームを置いております。あとは大分県の方にも現地支援チームを置いておりまして、その態勢を今後も継続させていただきますし、必要があれば補充していきたいと考えております。

(問)朝日新聞の小坪です。熊本地震に関して、現場を訪問されたりとかそういったご予定はありませんか。
(副大臣)今は特にありません。まずは全体として、救命救急が最優先であると思います。その中で、環境省が今何ができるかということで事務方を派遣して、現地といろいろ対応しながらやっておりますので、そういう意味では現段階では想定をしておりませんが、いずれは特に災害廃棄物の処理ということになりますと、いろいろ大きな課題も出てきますので、それは状況を見ながら、あるいは現地と相談をしながら何らかの対応をしなければいけないと思っております。
(問)もう1点お願いいたします。ごみの処理というところで、自治体や国の管理が重要だと思われるのですが、最初に出される被災者の方たちの努力というか、一工夫でかなり分別ですとかできることがあろうかと思うんですが、その辺りなかなか心の余裕がない方もいらっしゃると思うのですが、あえて何かメッセージがあるとすればどのようなことをお願いしますか。
(副大臣)おっしゃるように分別は非常に重要でありまして、なかなか避難している状況の中であまり要求するのは難しいですが、後のことを考えると、やはり分別は大事だと思いますし、それは被災者の方々が、出す段階だけではなくて、例えば、これから仮置場に搬入するときに、しっかり分別をして、それぞれ別個に仮置きをしておくということとか、いくつかポイントがありまして、それは環境省としても今までの様々な災害で培ってきたノウハウもありますから、まさにそういったことを技術的支援として、地域と協力しながら進めていきたいと思っております。

(問)福島民友の菅野です。熊本地震の災害廃棄物の発生量推計についてですが、なかなか余震が収まらなくて、しかも地域が広がるかもしれないという懸念がある中で、発生量推計をするわけですが、現在の被災地域をベースにやっていくのでしょうか。それともある程度余裕を見て推計するのでしょうか。
(事務方)基本的には、現在の被災地域を見ながら推計をしていくことになりますのでそういう形でやっていくのですが、まだ余震が続いておりますし、まだ十分に推計ができない状態であります。
(問)東日本大震災と熊本地震を直接結び付けることはできないと思いますが、東日本大震災における福島県での最大余震は本震から1か月後でしたので、なかなか読み切れない部分があるかと思われますけれども、被災自治体の災害廃棄物実行計画っていうのは大体いつごろから作ってもらおうと思われるのですか。
(事務方)まだその辺りも、現地の余震の状況を見ながら検討中でございまして、まずは災害廃棄物の発生量の推計の方をした上で、発生量の推計結果を見ながら実行計画を作っていくという段取りを考えているのですけれども、具体的なスケジュールは今初動の対応を最優先に取り組んでいくということでございます。
(問)昨日、国会答弁にもあったのですが、いわゆる大分と熊本に現地支援チームを置いて、九州にブロック広域支援チームを置いたわけですけれども、これはこの前の廃棄物処理法の災害廃棄物の法改正の成果と考えているのですけれども、いかがですか。
(副大臣)そういう意味では、法律を改正いたしまして、まさに災害対応というものを我々は強化したと思っております。それに基づいて地域の協力も得ながら進めていきたいと思っております。

(問)河北新報の小沢です。先週の金曜日に宮城県の村井知事にお会いしまして、指定廃棄物の処理に関して8,000ベクレル未満の処理に関する財政支援ですとか、未指定廃棄物の放射線量測定などについていろいろありましたけれども、対応について具体的に検討を進めているものがあれば教えていただけますか。
(副大臣)特に未指定廃棄物の測定につきましては、我々もやらなければいけないと思っていますし、県からも要望をいただいたので、早急にスタートしたいと思っております。個別に一時保管をしていただいている自治体とは調整を進めておりますので、その中で、測定方法が少し透明性に問題があるのではないかといったようなご意見もいただきました。ですから、測定する時に県や市町村も立ち会ってもらうというお話もありましたので、早急に測定を始めて、始めるときには私自身も立ち会って、しっかりそういう疑問点にも答えられるように、そんな形でこの測定を進めていきたいと思っております。
(問)早急にというのは具体的に、例えば月内にですとか何かスケジュールの目途というのはお持ちなのでしょうか。
(副大臣)なるべく早く、ゴールデンウィークなどもありますから、それより前には何とかしたいと思っていますけれども、あとは地元との調整ということになります。