大臣談話・大臣記者会見要旨

山本大臣記者会見録(平成28年10月7日(金)10:10~10:13 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 私の方から一件ご報告いたします。9日(日)に、浪江町の合併60周年記念式典に出席する予定です。福島に出張してまいります。

2.質疑応答

(問)テレビ朝日の古賀です。パリ協定についてなのですが、来月4日に発効することが決まりました。それについて大臣の受け止めが1点と、日本の国会承認で11日に閣議決定というようなお話がありますけれども、スケジュールの見通しと、前回の会見で大臣が荒技という言葉を使われていましたが、それは具体的に何を指すのか教えていただけたらと思います。
(答)国連事務総長から5日(NY時間)に、パリ協定が発効要件を満たし、来月4日に発効することとなった旨の発表があったことは承知しています。パリ協定を重視する我が国としては、早期発効する見通しとなったことを歓迎します。我が国としても、準備・調整が整い次第、今国会に提出し、一日も早い締結に向け全力を尽くしてまいりたいと思います。私自身も国会のお許しがいただければ、本年11月に開催されるCOP22に参加いたしたいと思っております。環境先進国としての我が国の力強い姿勢を国際社会に示せるように、全力を尽くしてまいりたいと思います。
 それから岸田外務大臣が参議院の予算委員会で、11日に国会提出に係る閣議決定を目指すというご発言がございました。いずれにしても、一日も早い締結に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。スケジュール等は国会等々で決められることだろうと思っております。
 また荒技のことに関しましては、私の言葉が適切でなかったとしか言いようがございません。いろいろなご指摘を受けてますが、気持ちのあるところは分かっていただけるだろうと思っておりますけれども、いずれにしても、みんなが可能な限り知恵を出していただきたいという思いで発言したわけでございますので、それ以上の思いはないということだけはご理解いただけたらと思います。

(問)NHKの松田です。パリ協定についてなのですが、昨日の菅官房長官の会見で、パリ協定の詳細ルールを決める特別作業部会には日本は参加しているので、COP22で締約国会合が開かれるとしても日本に大きな影響はないというような見方を示しましたけれども、本当に影響はないのか大臣のお考えをお聞かせください。
(答)パリ協定の指針の策定に係る交渉というのは、現在、我が国を含むすべての国が参加する形で実際に行われており、協定が発効した場合においても、引き続き、我が国が入った形で行われるだろうと思っております。私としては影響はないと思っております。
(問)でもやはり交渉力の低下や存在感の低下というのが、国際交渉の場において少なからず影響が出てこないことはないのではないかと思うのですが、大臣も国際交渉の場というのも経験されていると思いますけれども、その辺りの影響力はいかがでしょうか。
(答)今申し上げましたように、技術的な交渉がもう既に行われております。従いまして、我が国が今日まで、この分野に貢献してきたことに対しては各国も認めていただいていると思いますので、引き続き日本はこの分野における影響力低下を招くことなく発言しているものだというふうに思っております。

(問)環境新聞の小峰です。国連の気候変動枠組条約の事務局のウェブを見ますと、詳細ルールを作るCMA1の開催が今年の11月19日というふうな規定があります。CMA1に出る国としては11月19日までに国連の事務局に締結書を提出すればいいわけでございます。それを逆算しますと、CMA1に出るためには10月19日(水)衆議院の本会議で成立させればいいわけです。それで参議院の先議ということになっていますので、参議院の場合は10月13日(木)に参議院の本会議で成立させなければならないことになります。大臣として10月19日までに締約国に提出することについていかがでしょうか。
(答)まず参議院先議はまだ決まっておりません。そういう話が出ていることは聞いておりますけれども、それもまだ決定しておりませんので、国会等のスケジュールについては、これから国会の現場で作っていっていただければというふうに思っております。
(問)しかし、COP22は11月7日(月)から11月18日(金)までで、おそらくCMA1は最終日、あるいは11月18日が金曜日ですので、おそらくモロッコの国王のアッラーの思し召しによっておそらく19日(土)に延びるというふうに予想されております。そうすると、山本大臣は19日のCMA1に正式な加盟国として参加できます。そのためにどうしても10月19日(水)に衆議院の本会議、10月13日(木)に参議院の本会議で成立させなければいけません。ある意味ではモロッコ国王のご厚意ではないかと思うのですが、どうでしょうか。
(答)今、日がはっきり決まったというわけではないですが、一応表に出てきているのが11日の閣議決定ということは外務大臣が明言されましたので、決まっておりました。それ以降のスケジュールについてはまだ今からだろうと思います。

(問)毎日新聞の久野です。この1ヶ月ぐらいずっと、焦りという言葉を聞いてきたのですけど、さしあたり11日に閣議決定という明言があったことについてはどのような受け止めでしょうか。
(答)それ自体は、与党内手続は、あとは今日、総務会があると聞いております。11日に閣議決定ということを岸田外務大臣が、あの場で明言されたということは安心いたしております。
(問)もうちょっと早い方がよかったなというようなお気持ちはどうでしょうか。
(答)今日、歯切れが悪いとまた怒られますが、いろいろとハレーションが起きておりまして、ものを言ったら怖いなと。今日はこの場に非常に足が震える思いで立っておりますので、その辺のことは察してください。

(問)朝日新聞の小堀です。よろしくお願いします。来週からルワンダでモントリオール議定書締約国会合がありまして、代替フロンHFCの生産規制について話し合われると思うのですけど、大臣はこれまで記者会見でフロンの規制について思いを語っておられましたけれども、来週の会合で各国合意されると思うか見通しと、日本がどのような貢献ができるのかということについて伺わせてください。
(答)今までも申し上げてまいりましたが、温暖化対策を進める上でも、HFCの削減は重要でありますし、モントリオール議定書の対象にHFCが追加されるということは支持をいたしております。今月10日からのルワンダでの締約国会合では、議定書改正の採択を目指して、我が国からも関係省庁からなる交渉団を派遣することといたしておりまして、議論に積極的に貢献をしていきたいと思っております。
(問)モントリオールの枠組みでやろうというのは7年前に提案されて、決まれば7年越しということになると思うのですが、今回合意できると思われますか。見通しについて伺えますか。
(答)私は十分に今回、合意できると期待をいたしております。

(問)共同通信の津川です。国立公園に関してお伺いいたします。昨日、奄美群島国立公園、まだ仮称ですけれども、これの指定区域案の意見公募が始まりました。世界遺産を目指している「奄美・琉球」の推薦に向けて一歩前進ということになるのでしょうけれども、それに対する受け止めと、また、まだ気が早いですけれども、今後、世界遺産登録に向けた価値の証明だとか、外来種対策などのような生態系の保護とか体制を整える必要があると思うのですけれども、そのあたりをどう取り組まれるのかお考えをお聞かせください。
(答)奄美のことに関しましては、できる限り早期の世界遺産登録を目指してまいりたい、そのために必要な作業等を引き続き進めてまいりたいと思っております。まずは、世界遺産登録推薦書を期限である来年の2月1日までに提出できるように調整を進めてまいりたいと思っております。
 奄美大島や徳之島の世界遺産としての価値というのは、独自の進化をとげたアマミノクロウサギやトゲネズミといった、国際的にも希少な固有種であると評価をいたしております。鹿児島県を始めとした地域関係者と連携しつつ、希少種の保護対策や、希少種に深刻な影響を与えているマングース等の外来種対策等を引き続き進めてまいりたいと思っております。現在、世界遺産推薦書や管理計画を作成中であり、世界遺産登録がより確実なものになるように、世界遺産としての価値やその保全のための措置としてのこうした対策について、分かりやすく説明をしていきたいと考えております。