大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成28年6月2日(木)17:16~17:27 於:環境省第2・3会議室)

1.発言要旨

 今日の閣議に関して環境省としての発言はございません。
 私から2件発言がございます。
 1件目は中間貯蔵施設に係る町有地の活用について申し上げます。昨日、自民党復興加速化本部の額賀本部長から、大熊町の町有地の活用についてのお電話をいただきまして、大熊町の方でこれを受け入れるというご連絡をいただきました。これは学校などの除染土壌等を早く運び出すために、町有地の活用を大熊町が受け入れられるという話でありまして、受け入れをすると決めてくださった大熊町、またそれを行うに当たって自民党の福島県連と、額賀本部長の東日本大震災復興加速化本部でその話を大熊町にお持ちいただいたということでございますので、皆様方に感謝を申し上げたいと存じます。具体的な進め方についてですが、今後大熊町をはじめ、速やかに福島県や搬出元の市町村など関係各方面と調整させていただこうと思っております。今日、井上副大臣に大熊町に行っていただいて、具体的な調整をはじめました。今後事務的に詳細を詰めて、できるだけ早く学校等からの搬出を開始できるように取り組んでいきたいと思っております。また中間貯蔵施設の用地取得は町有地の取得とまた別にしっかりと環境省として取り組んでまいりたいと思います。いずれにしても今回の件は、自由民主党の県連と復興加速化本部が動いていただいたことで、大熊町が決断をされたということでございますので、感謝申し上げたいと存じます。
 2件目は、来週、日中友好環境保全センターの設立20周年式典に出席をするために、中国に出張いたします。6月7日(火)に中国・北京にございます日中友好環境保全センターで式典が行われます。このセンターは1996年に日本の無償援助により建設をされて、このセンターを通じて日中間で多くの人材の交流がこれまで行われてきました。また、技術協力のプラットフォームとして大きな役割を果たしてきたセンターです。
 当日の式典には、中国環境保護部の陳大臣をはじめ、日中環境協力に携わった歴代の専門家や関係団体、企業の方などおよそ300名が出席をされる予定と伺っております。加えて、私は8日、式典の翌日には張国家林業局長と会談し、自然環境分野における日中協力の更なる推進について意見交換するとともに、野生動植物や生態系の保護協力等を内容とする覚書に署名する予定であります。

2.質疑応答

(問)NHKの橋本です。トキについてなんですけれども、昨日、野生のトキのつがいから生まれたヒナの巣立ちが確認されました。実に42年ぶりということなんですけれども、これについてまず大臣のご所感お伺いします。
(答)今回巣立ったヒナは、オス・メスとも足環なしの親から生まれた、野生生まれの野生育ちの両親からのペアでして、まず2羽が無事育って、その後1週間遅れてまた卵がかえって、今ヒナが育っているということですので、残り1羽も無事に巣立ってもらいたいと思っておりますが、これまで本当に長い間、地域の皆様、そして関係者の皆様が尽力をしてくださった努力の積み重ねで、日本のトキがまた新しい歴史を刻み始めたという思いです。本当に嬉しいことですし、これからも順調にこうした命の循環が続いていくことを願ってやみません。
(問)もう1点なんですが、福島県の帰還困難区域の除染についてお伺いします。これまで、安倍総理はじめ大臣も今年の夏までにこの方針について明確に示すという考えを明言されてらっしゃいますけれども、今回国会も閉会して、来月の参議院選挙に向けて論戦が活発化すると思います。この福島の復興に関しても、福島をはじめ国民の大きな関心事かと思いますけれども、この夏までというのは、具体的にいつ頃まで、あるいは参議院選挙の前までに示すことができるのかどうかその辺の目途について教えていただけますでしょうか。
(答)この話は、まず帰還困難区域の地域の皆様の思いありきの話でございまして、私たちが時期を何らか申し上げるには、実はあまり望ましくないことではないのかなと思っておりますが、されども一歩でも前へということを考えますと、その絵柄を描いて、今度はその予算を当ててということを考えていくことになりますので、そうすると夏までにということになるわけですが、なかなか町によってはっきりと明確に地域が描けているところと、なかなか調整が難しいところとがありますので、どこかだけ進むのが良いのか悪いのかということも実は地域の中であります。そういうことも踏まえて決めていきますので、もう少し時間をかけた方が良いと思っているところです。
(問)それに関連して、昨日、井上副大臣の会見でもあったんですが、すぐに関係省庁とも少しずつ協議を始めているというふうなご説明がありましたけれども、除染を中心的に担当する環境省としては、具体的にどういった協議又は省内での議論というのを今現在やっていらっしゃるんでしょうか。
(答)一義的には私たちはまず除染をすることによってどのくらい効果が得られるかということを今の帰還困難区域の中でお示しをしていくことだと思います。これまでの知見の積み重ねの中からおおよそこうなるだろうということであったり、もう既に拠点で行っているものについてのデータを提供しながら、地域がデザインしていくときに情報としてお使いいただくということになりますが、同時に復興加速化のための第5次の提言の中に書かれていることを踏まえて、おそらく党の方でも第6次提言の中でいろいろと書いてこられると思います。除染をすると一口に言っても、ここから先はインフラの復興も含めての除染ということになると思いますので、どのやり方がどの地域にふさわしいのかというのは他省庁と連携してよく検討しなければいけないことだと思います。

(問)産経新聞の緒形です。2件お伺いいたします。1件目は、中間貯蔵について今日井上副大臣が大熊町へ行かれているということですけれども、町有地の扱いについては学校等からの除染廃棄物の運び込みをするということですけれども、これはその一時的な保管場として町有地を活用する認識でよろしいでしょうか。
(答)その点も含めて、しっかりとよく話をさせていただきたいと思っていますけれども、いずれにしても福島県の復興の中でも子供たちのためにという思いで大熊町が決断してくださったと伺っておりますので、その思いをしっかり大事にしてよくお話しさせていただきたいと思います。
(問)町との協議の中で決めていくということですか。
(事務方)町有地の扱いについては、町長の方からもまだ売買について明確に決めたという話ではないですので、本格的な施設ということであると売買の後ということになろうかと思いますので、当面は保管場と考えるのが普通かなと思っておりますけれども、その辺も含めてちゃんと調整してまいりたいと思います。
(問)2件目は、避難指示の解除についてお伺いしたいのですが、避難指示の解除が進んでいくかと思いますが、現地の説明会なんかを聞いていると、その後でフォローアップの除染に関する不安というかそういった懸念が多く聞かれるように思うのですが、その点大臣のお考えお聞かせください。
(答)フォローアップ除染をしっかりやってもらいたいというご意見、非常に強かったと受け止めております。これからご帰還いただく上で、皆様に安心していただくというのが非常に重要なことだと思っておりますので、特に南相馬市は宅地以外はこれからというところもありますので、面的除染について今年度末までに南相馬市については完了を目指すということをこれはしっかりやりたいと思いますし、フォローアップ除染をして、ちゃんと効果が維持されていないところについては、きちんと除染をするということをしっかりとやっていきたいと思っております。