大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成28年5月10日(火)8:58~9:08  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議に関して環境省としての発言はございません。

 二つこちらから発言があります。熊本地震に関連して、ゴールデン・ウィークに入って以降の主な対応についてご報告をさせていただきます。ゴールデン・ウィーク前から、熊本市内の東区を中心とする東部区域においての集積所から、歩道を含む道路に向かって生活ごみやがれき等があふれる状況になっておりましたので、人や車の往来の障害を取り除くということで、4月28日から5月3日まで、自衛隊のご協力をいただいて、特に優先度の高い集積所のがれき等の収集を行いました。自衛隊にご協力いただいている間に、熊本県、熊本市、また業界団体と連携をしまして、熊本市の収集・処理体制の早急な強化に取り組みました。5月3日以降は、県外の自治体、または県内外の民間事業者のご協力によって、収集・処理の体制を調えることができました。現状、その強化された状態で収集を行っております。5月3日に私自身熊本県を訪問させていただきました。蒲島熊本県知事と意見交換をさせていただき、廃棄物処理施設の復旧状況なども確認させていただきました。県庁舎の中で、県の担当の方のすぐ隣の部屋で私どものチームが仕事をさせていただいておりまして、非常に密に連携を取りながら、作業を進めることができています。こうした視察の結果を踏まえまして、し尿や生活ごみの収集・処理については引き続き、技術的な支援を行うこと、今後本格化いたします災害廃棄物の処理については実行計画の策定・実施について技術的な支援を行うこと、災害廃棄物の迅速かつ適正な処理を進めるための財政的な支援を行うことを事務方にお願いをしております。特に財政的な支援については、従来、対象としていなかった半壊の家屋についてもその解体費用について支援をさせていただくことにしております。その周知徹底について事務方に指示をいたしまして、本日、熊本県に担当職員を派遣し説明会を開催いたします。引き続き、本省と現地支援チームが一体となって、これからの災害廃棄物の処理が滞りなく円滑に行われますように全力で支援をしてまいりたいと存じます。
 次に、「国立公園満喫プロジェクト有識者会議」の設置についてです。3月30日に策定されました「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づいて、環境省では、まず「国立公園満喫プロジェクト」を5箇所程度で取り組むことにしております。このプロジェクトの推進に当たって、具体的なコンセプトの検討、また実施箇所の選定等を行う上で、専門的観点からご意見をお伺いするための有識者会議(アドバイザリボード)を設置することといたしました。座長を東京都市大学教授の涌井史郎先生にお願いをいたしまして、学識経験者や観光関係者あわせて8名の有識者の方々に委員をお願いしております。第1回会合を5月23日(月)に環境省第一会議室で行う予定でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞の野崎です。2点質問があります。1点目は、先週、熊本を視察されて、どんな現場を見られて、大臣がどのように感じられたのかということと、それを踏まえて復興についてどんな施策を進められていくのかを改めてお願いします。
(答)視察させていただいたのは、大きく分けると生活ごみの関係、災害廃棄物の関係と、それと動物愛護の関係です。
 災害がれきに関しては、仮置場が益城町の街中に1か所と、街中から少し離れた場所に1か所とありまして、ここをうまく役割分担をさせながら使うことで、できるだけ速やかにこの処理を進めていくということについての確認をしました。それから熊本市は、非常に大きな処理能力を持つクリーンセンターが東部環境工場にあるのですが、その焼却炉が二つとも壊れてしまっていたところではありましたが、お伺いした日にはそのうち一つが災害の緊急の復旧ができた状況にありましたので、その稼働状況を見ました今後どのように復旧させていくかということについては、今後どう建て替えていくのかを含めて考えていかなければいけない時期に差し掛かっているそうなので、よくご相談させてをいただきながら話を進めていかなければいけないと、話し合ってきた次第です。
 動物愛護の関係については、私どもとしてもすぐに職員を派遣して、ペット同行の避難ということが被災地の方の心のケアの観点からも重要であるということで、現地においての状況を確認してまいりまして、避難所、特に益城町に関しては運営者の方がよく理解をしていただいて、いい形で同行避難をさせていただいておりましたので、私どもも学ぶことが多かったと思っております。ペットの一時預かりについて特に健康上、緊急の対応が必要な方、入院をされるとか、どこかに行かなければいけないという方について無償で預かれるようにということで、改めて現場でお願いをして、今、そのスキームが動き始めつつあるところです。
 特に廃棄物処理について言いますと、今後、仮置場から先のことをもう考えておかなければいけないなという状況にありまして、二次仮置場といいまして、持って行った先で例えば木くずをチップ化したり、次のリサイクルなり最終処分に向けての処理をする場所をきちんと確保をして、その処理を進めていくための準備、それから先々それをどこに持っていくのかということについても、考え始めていかなければいけない時期にあると思いますので、処理実行計画を作るプロセスを通じて、それらがきちんと見えていくようにということで、県と連携をしっかりとして進めていくようにお願いしました。
(問)2点目は、熊本地震と少し関係をしていて、国立公園についてなのですが、昨日、熊本県知事がナショナルパークについて阿蘇くじゅう国立公園の選定について要望されておりました。選定するに当たって、復興という観点が含まれるのかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)熊本県にとって阿蘇の山、草原は、二大看板の一つだと、観光資源だということは知事からも議長からもおっしゃっていただいたところでありますので、これはきちんと震災復興という視点も加味してながら検討させていただきたいと思っております。

(問)共同通信の津川です。ナショナルパークの関係ですが、改めてなのですが、どういった基準で選びたいか、どういったことをナショナルパークに期待されるかをお聞かせいただけますか。
(答)国立公園が持っている魅力というものを国内の観光客はもちろんですけれども、インバウンドのお客さまにもしっかりとアピールできるような要素をどうやって調えていくか、モデル事業でございますので、まずもってその地域の皆さま方が意欲を持っておられるかどうか、特に自分たちの自然を守り生かしていくという視点を持って、地域全体として取り組んでおられるかということが非常に重要だと思っております。その視点をまず重点的に見させていただきたいと思います。

(問)千葉日報の石井です。指定廃棄物のことなのですけれども、千葉市の方はやはり環境省の方に指定解除についての相談をしたいと、来週早々にもしたいんだという話をしているのですが、改めて大臣がどのようにお考えなのかお聞かせいただけますか。
(答)指定解除はあくまで自治体の皆さまの意思をしっかり確認をさせていただいて、なおかつ、先にどういう処理ができるかということを我々も確認をさせていただいた上で、改めて進めるか進めないかということを判断することだと思います。加えて、放射能濃度が下がるまで、一定の長期間を要するものについては、引き続き1か所で処理はさせていただきたいというお願いは申し上げてまいりますし、選定したプロセスというものは、我々にとって非常に重要なものでありますので、選定手法について議論したこのことを今からまた議論し直すということについては、我々としてはあくまで選定手法を選んだ時の皆さんの合意というのがまず優先です、ということをお返しさせていただくことになろうかと思います。