大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成28年4月19日(火)8:47~8:53於:衆議院分館1階ロビー)

1.発言要旨

 今日の閣議において、22日にニューヨークで開催されますパリ協定署名式において、我が国としてパリ協定に署名することが決定をされました。パリ協定の署名式は、世界各国がパリ協定の意義を再確認する重要な機会でございますし、協定の実施に向けた第一歩でもあります。他の多くの国とともに、我が国がこの日に署名することができることは、大変意義深いことだと思っております。我が国としても、パリ協定の実施に向けて気候変動対策に全力で取り組んでまいります。
 熊本地震に対する廃棄物関連の対応についてお知らせをしたいと存じます。環境省の対応として、発災の翌日(15日)に九州地方環境事務所に災害対策本部を設置いたしました。熊本県庁に現地支援チームを派遣して、引き続き全力で対応に当たっております。現地に派遣した職員に対しては、初動の対応として、被害状況の把握、災害廃棄物の仮置場を探して早急に設置をしてこれを管理をしていくこと、それから避難所等の仮設トイレの管理に関して、特に使い方において上手くいかないところがあるということでございましたので、自治体等に対して支援するようにということ、特に衛生状態が悪化する前に予防を図るようにということで指示をしております。また、昨日、一部地域で片づけごみが既に出始めていて、その収集が追いついていないとの報道がございましたので、これについて適切な収集・運搬ができるよう自治体を支援するよう指示をいたしました。大都市の廃棄物部局で構成されます全国都市清掃会議の責任者が現地で対応に当たっております。そして、今後予想される大量の災害廃棄物の円滑な処理を進めるために、昨日、大分県庁にも現地支援チームを設置いたしました。また、環境省の福岡事務所には九州ブロック広域支援チームということで、県をまたいで活動できる支援チームを開設しました。引き続き、関係自治体と緊密に連携しながら、し尿の処理、生活ごみ、片づけごみ、今後、更に大量の発生が想定される災害廃棄物の処理についてできる限り先手、先手で準備を進めるようにしております。
 原子力防災に関連して、防災資機材の提供の情報です。災害に際して、資機材が不足することを見越して、原子力災害用で整備している資機材を自治体の要請に応じて、適時、適切に提供するようにということで、指示を出しておりました。これまでに福岡県から、救助に向かう消防に原子力災害用の衛星電話を活用したいというご要請がありましたので、これをご提供しております。引き続き、自治体からのご要請に応じまして、迅速に対応していきたいと思います。

2.質疑応答

(問)TBSテレビの阿部です。熊本地震に関連して2点お伺いいたします。強い地震が続く中、川内原発を予防的措置として停止させることを検討する考えはないのかということが1点と、もう1点は九州新幹線の復旧の目途が立たず、熊本県の医療機関や高齢施設に大きな被害が出る中、川内原発の避難にいざという時に支障が出ていないのか、その2点お伺いいたします。
(答)昨日の規制委員会の臨時会において、川内、玄海、伊方、島根の各原発の現況を確認をされて、今のところ安全性に問題はないという判断をされたと伺っております。詳細な数字は、昨日既に災害対策本部でもお伝えしているところですが、今回の地震で観測されております川内原発の災害の地震加速度が12.6ガルでございます。原子炉が自動停止する基準というのが、低いところで80ガル、高いところで260ガル、これは施設のそれぞれのどの部分がどのくらい揺れるかということを対応するわけですが、これが80~260に設定されているということでございます。加えて、川内原発は新規制基準の適合性審査を受けておりますけれども、この中で、構造上加速度620ガルの地震動を受けたとしても、安全上重要な機能が確保されることを確認しているということでございまして、原子力規制委員会が発電所を停止させる必要はないと判断をしており、この専門家としての判断を尊重したいと考えております。
 また防災の面でございますが、現時点で避難経路の寸断等の事象はございません。川内原発の場合は、基本的には高速道ではなく、一般道を通る避難経路を複数用意しているわけですけれども、この一般道については一般防災の方からもご確認いただいておりまして避難経路に問題はないと確認をしております。

(問)西日本新聞の前田と申します。地震に絡んで原発の避難計画なんですが、川内、伊方とも今のところ実効性を再検知をするというお考えはないでしょうか。
(答)はい、今のところ訓練等を通じて、特に伊方はこの前訓練をやった結果というものをまとめましたので、これについてしっかり反映していくということについては、今までどおりやっている実行、それから計画をして実行してその訓練の結果を反映するというサイクルにきちんと乗せてやっていますけれども、今回の地震を受けて避難経路に特段問題があったということは確認をしておりませんので、もし今後、状況、推移を見守りながら何か課題が発生すればその時点できちんとまた地域原子力防災協議会等で議論してまいりたいと思います。

(問)共同通信の川口です。地震が続いておりますけれども、22日のパリ協定の署名式には参加されるご予定ですか。
(答)これについてまだ調整中でございまして、国会の状況等もございますので、地震の状況と国会の状況をきちんと見ながらまだ調整しています。

(問)時事通信の松野です。靖国神社の春季例大祭が月末に行われますけれども、行かれるご予定はありますか。
(答)予定はございません。