大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成28年2月16日(火)9:41 ~9:52  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日、閣議前に中央防災会議が開催され、防災基本計画の修正について審議がされ決定されました。今回の防災基本計画の修正では、昨年8月に施行されました廃棄物処理法と災害対策基本法の改正を踏まえて、災害廃棄物対策の強化事項として、「大規模災害発生時における国による災害廃棄物の処理方針の策定」等が追加されましたので、ご報告をさせていただきます。
 また、この1月に発覚した食品廃棄物の不適正な転売事案について、その再発防止策の案についてご報告させていただきます。この事案は、国民の皆様の信頼を揺るがせた悪質かつ重大な事件であると我々認識を持っており、今回問題となった事業者については、厳正に対処していくことが重要であり、そのことが、同様の事件の再発を抑止する効果を持つと考えております。このため、問題となった事業者に対し、食品リサイクル法の再生利用事業者の登録取消し等に向けて、手続を速やかに進めてまいります。また、廃棄物処理法に基づく措置についても、この法律に基づく規制権限を有する関係自治体と緊密に連携して、厳正に対応したいと考えております。また、都道府県等による全国的な立入調査の結果、他に同様の事案の報告はなく、今回の事案は、この悪質な事業者によるものと考えております。一方で、この事案を未然に防げなかったということを踏まえますと、現時点で対応可能な再発防止策に速やかに着手をすることが重要であって、今般、環境省としての再発防止策の案を取りまとめました。この案のポイントは3点ございます。
 第一に、電子マニフェストの機能の強化を図るために、不正を検知できる情報処理システムの導入を検討してまいります。第二に、廃棄物処理業者に対しては、抜き打ちの立入検査等により監視体制の強化を図るとともに、処理状況について徹底した情報公開を求めてまいります。第三に、排出事業者に対しては、食品廃棄物を廃棄するに当たって、そのまま転売できないような形で廃棄をすることを要請してまいります。なお、詳細については、後ほど事務方からご説明させていただきます。
 この再発防止策の案につきましては、まだ「案」の段階のものです。今後、この案について、有識者、関係事業者のご意見を伺って、その結果を踏まえて速やかに取りまとめて公表させていただきたいと思います。今般の事案は、関係府省や関係自治体と連携して対処してまいりたいと思います。

2.質疑応答

(問)共同通信の堀野と申します。よろしくお願いいたします。食品廃棄物の横流しに関連して1問伺います。現状ではマニフェストの虚偽記載を見抜く仕組みがない等、産廃業者のモラル頼みになっていると思います。今、再発防止策をまとめられましたが、廃棄物処理法の改正の必要についてどうお考えですか。
(答)今、警察により捜査が行われているところでありますので、その全容解明を踏まえて、現行の関係法令をどのような問題があるのかということについて改めて検証を行いたいと考えております。その検証の結果を受けて、必要に応じて対応を検討してまいりたいと思います。

(問)下野新聞の須藤です。指定廃棄物関連で2問お伺いいたします。1点目は、明日、栃木県から要望があった茨城県の決定方針と指定解除のルールについて説明する副市町長会議があると思いますが、それに当たって、実際に行かれるのは事務方だと思われるんですが、どのような指示をされますでしょうか。
(事務方)おっしゃった会議については、私が行く予定でございますが、茨城県についての処理方針を決定したことをお伝えするわけですけれども、栃木県と状況が全く違っているんだということを特に詳しく申し上げたいと思っております。
(問)先日、事務方の方で塩谷町に行かれて、12月7日に塩谷町が返上を伝える文書についての回答を受け取り拒否されたと思うんですが、その後、郵送されたと思うんですが、昨日ぐらいに塩谷町の方で従来どおりの冠水を理由に適地じゃないという理由で、郵送された文書について返送を決めたんですけれども、そのことについての受け止めと今後の対処の方法についてお考えを伺えればと思います。
(答)まだ実際に受け取っておりませんので、そのことについてはっきりと私どもは今申し上げることができませんけども、引き続き栃木県の状況というのは、他の特に茨城県で今対処方針の決定しているところですけれども、この状況とは全く異なる状況にございますので、この点を踏まえてご理解いただけるように努力してまいりたいと思います。

(問)朝日新聞の小坪です。冒頭にご説明のあった廃棄食品の関係で1点だけ、改めてお聞きすることでもないところではあるのですけれども、やはりそもそも無駄な食品を出さないということも重要だと思うのですが、そのあたりについて大臣の考えを改めてお聞かせいただけないでしょうか。
(答)この件を受けて与党の中にもそういったご意見がございまして、今議論していただいていると承知していますけれども、非常に重要な論点でありまして、かつ我が省だけでは対応しきれない部分もございますので、関係省庁としっかり連携を取って、その元のところについても光を当てるように議論を進めてまいりたいと思います。
(問)追加でもう1点、廃棄物処理法の中では食品を再資源化して食品として売るということまでは禁じられていないと理解をしているのですが、今回の件でいうとその可能性は無くなるという理解でよろしいでしょうか。それともそこまでは禁止しない、捨てるものは捨てるというふうにしっかりとやれというまでだと理解したらよろしいでしょうか。
(事務方)事務方の方からお答えさせていただきます。当然、廃棄物処理法に基づいて適切に処理していただくといういうことが基本でございます。また食品廃棄物ということでいけば食品リサイクル法に基づいて、再生利用の促進ということも進めておりますので、そういったリサイクルが今回の事案を受けて抑制されないような形で適切にリサイクルされるように対策をとってまいりたいと考えております。

(問)共同通信の阿部です。大臣の講演の発言を撤回した件でお伺いします。昨日、福島県知事の定例会見がありまして、目標は堅持してほしいということと、国が最後まで責任を持ってほしいという要望をおっしゃていらっしゃいました。福島県知事に対して撤回後何か大臣から話をしたことはあるのか、また直接説明などに出向く意向はあるのか、改めてお聞かせください。
(答)撤回した後、直接はお話させていただいておりませんで、昨日福島県知事が会見でおっしゃった言葉を受け止めさせていただいたところでございます。福島の除染に関連する部分等を撤回させていただいたということについて、今後、対策をしっかりと進めることでご理解をいただけるよう努力をしたいと思います。加えて、長期目標である追加被ばく線量1ミリシーベルトというのは揺らぎのない我々の目標としてこれからも堅持いたしますので、その点は福島県知事にまた改めてお伝えしたいと思います。2月7日の後にもお伝えしましたけれども、改めてお目にかかる機会にはしっかりとお伝えしたいと思います。
(問)関連してなのですけれども、昨日、また同じく宮城県の村井知事の定例会見で、大臣として意識が低いと誤解されても仕方がない、発言は慎重にしてほしいという趣旨のことをおっしゃっていまして、被災地という意味でおっしゃっていたのだと思うのですけれども、福島県以外に対してのご説明というのは何かお考えでしょうか。
(答)必要に応じてこれからいろいろな場面でさせていただきたいと思っておりますし、直接行くことも、あるいは連絡をすることも、いろいろな手段を通じて、ご理解をいただけるように努力をしていきたいと思います。