大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成28年1月22日(金)10:22 ~10:36  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議についてでございますが、閣議において今国会に内閣から提出を予定している法案の件名・要旨が配布されました。環境省としては3本の法案の提出を予定しています。まず、「独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案」です。環境保全に関する研究及び技術開発を効率的・効果的に推進するため、環境省で行っている環境研究総合推進費の配分業務をこの独立行政法人に移管するという内容です。
 2本目が「PCB特別措置法の一部を改正する法律案」です。PCB廃棄物処理基本計画に定める処理期限内に、高濃度PCB廃棄物の確実な処理を達成するため、対策を強化します。
 そして3本目が「地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案」です。我が国の温室効果ガス削減目標の達成に向けて、普及啓発等の対策を強化するものです。
 以上の法律案について、今国会での成立に向けて全力で努力してまいります。

2.質疑応答

(問)共同通信の川口です。今、お話にあった温対法の改正に関連して1問お願いをしたいのですが、米国の海洋大気局と航空宇宙局が昨日、1880年以降世界の平均気温が2015年は過去最も高かったという発表をいたしました。そういう現実を踏まえて、今回の温対法の改正が温暖化を食い止めるために十分だと大臣はお考えでいらっしゃるのか、もし十分でないとしたら、パリ協定で2℃、1.5℃ですとか、又は人為的な排出の実質的ゼロという長期的な目標や5年見直しですとか、様々な採択をされましたけれども、どんなことが今後必要になってくるとお考えでいらっしゃるのか、そのことをお尋ねできればと思います。よろしくお願いいたします。
(答)今回の地球温暖化対策推進法の改正については、まずパリ協定を受けて、目先私たちが国際的に約束をしている2030年の目標をどうやってクリアしていくか、というところに主眼が置かれているといっても良いのではないかと思います。そこにたどり着くのも実際には発電部門、運輸部門、業務部門、家庭部門、それぞれでやらなければいけないことがありますが、特に環境省においては、国民全体にそうした危機が迫っている、あるいは我々の生活を変えることで地球温暖化の長期的な目標に向かって、あるいは2030年の目標に向かって進んでいくことができるという、今までクールチョイス等でやってきた国民運動の分野が我々の担当と言いますか持ち分ですので、そこのところをきちんとこの法律に書き込んで進めていくということになります。長期的なことに関しては、一方で我々は別途勉強会をやっていただいて専門家の皆様にご議論いただいておりますけれども、こうした知見をきちんと踏まえて総合的に各省庁とも調整をしながら、あるいはこれからCOP21、パリ協定を受けて、詳細なルールが決まっていく中で議論していくことかなと思っておりますので、あくまで今回の法改正は2030年の目標をクリアするために、より一層我々が環境省の立場から強化すべきことについて書いてあるというのが主な内容です。

(問)下野新聞の須藤です。指定廃棄物について伺います。1点目は先ほどリリースがありました、本日午後の井上副大臣の栃木県知事訪問なのですけれども、事前のことなのでおっしゃれることは限られていると思いますけれども、大臣からは副大臣にどのようなミッションを指示されたのでしょうか。
(答)今回、報道が出た後に指定廃棄物で、今我々が向き合っている5県の中で、栃木県からは誤解や運用の混乱が生じないようにしてもらいたい、という大変強い申入れがあったこと、加えてこのところ我々、政務と栃木県知事を始め関係者の皆様とお会いできなかったので、これを機会に栃木県内においては、長期管理施設は一カ所でという方針について改めてお話に上がるということをお願いをしたものであります。
(問)これに関連してなのですが、既に一部報道のことについては、ホームページや報道を通じてとか、一般の方に通じるようなご努力はされると思うのですけれども、特に候補地の自治体に配慮するという意味で、例えば塩谷町の場合はダイレクトメールを何度か試みていると思うのですけれども、そういったかたちでダイレクトメールに反映したりとかいうようなことはお考えなのでしょうか。
(答)今のところ、そのようなことまで何か具体的に考えているわけではありませんが、今後順次、自治体のご意見を聞く機会をこれからも我々考えておりますし、あろうかと思いますので、そうした中でよく協議をさせていただきながらやるべきことを決めていきたいと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。廃棄処分をされるはずの食品が流通していた件に関して1点お伺いします。問題の広がりが徐々に明らかになっていると思うのですけれども、改めて環境大臣としての受け止めと、これまでの対応、今後の方針についてお聞かせいただけますでしょうか。
(答)もうご承知かと思いますけれども、通知を発出して、廃棄物の中の動植物性残さを取り扱う産業廃棄物処理事業者への重点的な立入検査を要請するということや、ダイコーが登録再生利用事業者という食品リサイクル法に基づく登録事業者ですので、農水省と連名で報告徴収を発出したりさせていただいております。加えて1月21日、昨日ですけれども、ダイコーも含む登録再生利用事業者への立入検査を順次始めさせていただいておりまして、ダイコーのみならず、他の業者でもこういう可能性が無いかどうかということを改めてきちんと現場を見させていただくということを始めているところです。大変残念なことで、我々ができる対処というのは、まずきちんとこの法律に基づいて執行していく、運用していくということですし、各県がやっていただいている法律に基づく産業廃棄物処理事業者への指導、運用等も徹底していただくということを改めてまずやらせていただきたいと思っております。

(問)日本経済新聞の川口です。2点お伺いしたいのですが、昨日来、週刊文春の報道で甘利大臣の疑惑が言われていますけど、環境省の課長がお会いになってお話しされたとあるんですが、これについての事実関係はどうなっているのか教えてください。
(答)記事を踏まえて確認いたしました。平成26年9月25日に、担当課長と担当補佐が議員会館で甘利事務所の方たちに面会したということは確認ができました。その面会の内容ですけれども、事業者の方から千葉県に対しての要望というのを説明いただきまして、環境省としては千葉県にまず状況を確認いたしますということをお答え申し上げました。面会した後のことなのですが、事務所に行ってその後、環境省と事務所とのやり取りが無かったということでしたので、特段何か言われたわけでなく、こちらから何かやったわけではないので、少なくとも今国会で議論されているような口利きという事実はなかったということを確認はできました。
(問)会ったことは事実ですよね。
(答)はい。事務所の方に会ったというのは事実です。
(問)全く別件なのですが、一番初めの温対法に関することについてお伺いしたいのですけれども、先ほど大臣の口から30年目標をどうクリアしていくかということで、今回国民運動を啓発していきますということなのですけれども、排出量の4割くらいは電力部門なんですけれども、これについて全く触れなかったのは何でなんでしょうか。
(答)電力部門についてはもうこれまでにお話しているように、ご自分たちのルールでどうやってそのルールの実効性と透明性を確保してもらうのかということをずっとやり取りしてきまして、残念ですけれどもまだどういう対応をされるという結論をいただいておりません。一方では、経済産業省の審議会が省エネ法ですとかエネルギー供給構造高度化法で運用を強化するというようなご提案をされていますので、これを経済産業省がどう受け止めて、どう処理していくかということをこちらでも見ながら、我々の立場から電力業界にどこまで踏み込んだ対応をお願いするかということを見て、決めていきたいと思っておりますので、総合的に判断したいと思っております。
(問)大臣としてはどうお考えですか。省エネ法とかをやっていくことを、むしろこのような法律を改正して、環境省の側からアクションして温暖化対策、削減をパリ協定に合わせるようにやるという手もあったと思うのですが、その辺はどうお考えですか。
(答)それぞれの省でやろうとしていることの実効性がどの程度あるのかということをよく見ながら調整するということ、政府全体で進めることですので必要だと思いますし、もちろん電力部門のことのみならず吸収の方もありますので、全体のバランスでよく見ていかなければいけないと思っております。ちょうど電力システムが4月から自由化されますので、ややこれまでと状況が変わる面も出てくるかと思いますので、その後のマーケットの動きといいますか、電力市場、あるいは消費者の行動、事業者の行動というものがどのように移り変わってくのかということも我々はよく踏まえなければいけないと思います。
(問)また関連することなのですが、今後パリ協定で長期目標がありますよね。日本の中では2050年80%ということが閣議決定されていますけれども、改めてお聞きしますけれども、これは大臣の中では堅持するということでよろしいでしょうか。
(答)堅持です。内閣として確認していただいたことだと思っておりますので、これは絶対に堅持します。

(問)日本テレビの杜です。よろしくお願いいたします。先ほどの日本経済新聞の質問と少しかぶるんですけど、まず1点目、甘利大臣に関する疑惑なんですけれども、同じ閣僚としてこういった疑惑が出てることについて丸川大臣はどのように受け止めているのですか。
(答)まずご自身できちんとご説明されることが重要かと思われますし、たぶん記憶が曖昧というのは、本当にあれだけずっと閣僚やられて慌ただしい生活されているので、詳細に記憶されていないことはたくさんあろうかと思いますので、よく確認されてご自身で説明されることだと思います。
(問)2点目も関連したことなんですけれども、冒頭と先ほどのやり取りを聞いていても、どうしても環境大臣として少し受け身の姿勢が感じられる部分が非常にあったわけですけれども、このあたりですね経済産業省の調整を見ていくとかそういった発言もありましたけれども、もう少し環境省として、大臣としてこの問題を前向きに、イニシアティブを取って進めていく大臣としての考えというのはいかがでしょうか。
(答)なかなか皆さんには有り体には申し上げにくいことではありますけど、相当言わせていただいているのは確かなんですが、ただ結果としてどういう形で現れるかというのは別の課題でありますし、いろいろと議論し調整した結果、そこに落ち着くということもありますが、私の立場からはきちんと言わせていただいていることは言わせていただいています。