丸川大臣記者会見録(平成27年12月15日(火)11:27 ~ 11:52 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず閣議においては紙でCOPのご報告はしましたけれども、特に発言はありません。そのCOPについてのご報告をまずさせていただきたいと思います。
 現地時間12日(土)、COP21において、温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みである「パリ協定」が採択されました。先進国と途上国が随分長い間、対立の議論をしておりましたけれども、ようやくこの協定によって立場の違いを乗り越えて、温暖化対策としては人類の歴史上初めてになりますが、全ての国が参加する公平な合意が得られました。内容としてもそれにふさわしいものとなっていると思っています。このことを高く評価したいと思います。そして、このような合意に、我が国が積極的に議論に参加をし、貢献できたことを大変うれしく思います。パリ協定に含まれている内容ですが、皆さん既によくご存じのことだとは思いますけれども、まず世界共通の長期目標として2℃目標のみならず1.5℃への言及がございます。また、主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること、削減目標を実施状況を報告し、レビューを受けることも入りました。それから5年ごとのグローバル・ストックテイキング、世界全体の状況を把握する仕組みが入りました。また資金については、先進国が引き続き提供することと同時に途上国も自主的に資金を提供すること、といった内容が含まれていますので、非常にバランスのとれた内容になっていると思います。また、我が国としてはこれまでも市場メカニズムを通じて途上国あるいは新興国に貢献をしてきたわけですけれども、JCMが市場メカニズム全体という形できちんと位置付けられたことが良かったことだと思っております。長期目標が世界として共有された中で、適応計画というのも位置付けられました。先進国とか途上国という差が無く、全ての国が温暖化の何らかの影響を受けていくという危機感があったからこそ、こうした協定が合意をみたのだと思っております。長期の目標ということに対してはどの国も向かってていかなければいけないことで、私たちもまた経済社会システムを変革する、あるいはライフスタイルを変えていくということも必要となってきます。ですのでこの合意を踏まえ、地球温暖化対策推進法に基づく地球温暖化対策計画をできるだけ早期に策定したいと思っております。これを通じて私たちの国が提出をした約束草案を着実に実施することが必要ですし、適応計画も出しておりますので、これも取組を進めていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の小坪です。まずはCOPへのご参加お疲れ様でした。その上で、COP21で新たな国際的な枠組みで各国が合意できたということで、参加もされて改めて成果の受け止めと、今少し言及ございましたけれども、合意を受けて今後国内で対策をどのように進めていかれるのか、その辺りの決意・抱負をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)まず京都の反省ということがずっと下敷きにありまして、全ての国が参加するということを実現するために我々としてもこの会議に臨んだという思いがあります。やはりその場に行ってみて、196の国と地域が真っ向から対立するポイントをいくつも持った国同士が議論をして、よくぞここまでまとまったというのが正直な感想でした。内容が、そのように全ての国が集まったけれども、最終的に2℃目標のみならず1.5℃にも言及があったというのは、これはいろいろなことをおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、よく196の国・地域でここまで高い思いを皆で寄せ集めることができたなという思いです。私自身も、特に議長国のフランスとはアンブレラグループという形でも、また個別でも何度か交渉させていただきましたし、アンブレラグループの中でもよく議論をしましたし、それからEU、あるいは中国・インド・ブラジルといった新興国ともきちんと話をさせていただきました。途上国グループの議長である南アフリカにもお会いしてお話をしましたし、我々は島サミットなどにおいて小島嶼国とも非常に良い関係をこれまで持ってきましたけれども、モルディブともお話をしましたし、最後マーシャルと一緒にハイ・アンビション・コアリションで立場の違いを越えてこれを合意させようという動きにも参加することができて、大変我が国としても良い関係を築きながら交渉を進めることができたのではないかと思います。国内対策をこれからきちんとやっていくということは、おそらくどの国も逃げることができない、むしろ途上国の皆さんの方が大変なものを背負って帰ったのではないかと思います。そういう思いを持って、逆に私たちの国はやることをきちんとやっていくということが求められていると思いますので、地球温暖化対策計画をとにかくきちんと中身の濃いものにして早く仕上げたいという思いがあります。また適応計画の方は、COPの前に出て本当に良かったと思いますが、これは全省庁で取り組まなければいけないような内容ですので、改めてその後押しをきちんとしていきたいと思っております。
(問)大臣ご不在の間ではあったのでが、今月に入って指定廃棄物の関係で候補地を抱える全ての自治体から候補地の選定を返上するですとか、今後の現地調査については拒否するという考えが表明されました。これについての率直な受け止めと、非常に困難な状況にあるとは思うのですが、今後どのように進めていこうとお考えなのか、その辺りをお聞かせいただけないでしょうか。
(答)私のいない間、井上副大臣にご対応いただいて、それぞれの地域のお話を伺いました。我々これまで各県ごとに1カ所で集約して処理する方針を堅持してきたわけでありまして、それに対して厳しいご意見を頂いているところでございますけれども、やはりきちんとした管理施設に早く入れるということが一番大事ですので、これをどうやってご理解を頂くかということに尽きると思います。地元の理解無しに進めることができない話ですので、我々にまだ至らない点も多々ありますし、言葉が届かないところもあると思いますけれども、その2点ですね、きちんとした施設に早く入れることが必要ですということと、地元の皆さんの理解が無ければ進まないのですという2つを乗り越えていくため、まずはそれぞれの面談であったり、会議であったり、そうした場面で頂いたご意見をしっかり真摯に受け止めて、それは納得がいかない、わからないという点は丁寧にご説明申し上げて、対立しているからこそ議論を重ねていくということが大事だと思います。

(問)フジテレビです。先ほどに関連して、このまま環境省として調査をお願いし続けるだけで意見を聞くというところで留まるのでしょうか。それとも大臣が直接現地に行くなりして具体的な打開策を模索するなどのお考えがあるかどうかお聞きしたいです。もう1点は毛色の違う質問で申し訳ございませんが、明日夫婦別姓をめぐる最高裁の判決がございます。大臣は夫婦別姓についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。よろしければ働く女性の立場でのお考えでお願いします。
(答)私が行くか行かないかということ以上に解決する方法は他にあるのかということを、まず中身を考えなければいけないと思っておりまして、おっしゃる通り大変難しい状況にあることは間違いないわけです。ですので、引き続きどういう議論の仕方、対話の重ね方がふさわしいかということはよく検討していかなければいけないと思っております。
 夫婦別姓についてですけれども、私は夫婦は一緒の姓が良いと思っておりまして、ただ、論文をお書きになっている研究者の方などが、ご自分の本姓でなければ実績が続いていかないといったギャップをきちんと埋めていけるような取組が必要なのではないかと思っております。

(問)下野新聞の須藤です。まず指定廃棄物全体なのですが、一部の報道でも出ていますけれども、8000ベクレルを下回る指定廃棄物の指定解除ルールについてまとまったという一部報道がございます。これまでも検討を進められていて8000を下回ることに加えて、出口論をどこに持っていくのが良いか、確保されるかという焦点で検討されていたと思うのですが、それはどのような結果になったのかということを伺いたいのと、これと併せて各県で指定廃棄物の再測定をやっていたと思うのですが、これの進捗次第によっては現時点でどれくらい解除ができるかという量についての見通しについても出せると思うのですが、それについても伺います。
(答)まず、8000ベクレル以下の指定の解除のルールについてはしばらく検討を続けているわけですけれども、まだ答えが出たというわけではございません。引き続き検討並びに調整を図っているところでありまして、いずれにしても解除をした後の廃棄物がきちんと処理できるということを何らかの形で担保するということが重要です。今はまだ議論をしているところです。
(事務方)再測定の進捗状況というのは事務的なことですので、私から説明いたします。今、宮城県の方で再測定を行っております。他県についてはまだ検討中というところです。宮城県の再測定については試料採取をして、それを測定して、さらにエラーが出たようなものについてはもう一度測定をしたりということを行っておりますので、まだ完全に結果が出ていない状態です。公表についてはなるべく早くとは思っておりますが、まだ調査自体が終わっていないという状態です。
(問)重ねてなのですが、今も大臣のご答弁を伺っていますと、かなりルールの策定について詰めの段階に入ってきているのかなという印象を受けました。例えば年内くらいにはまとまるという見通しはあるのでしょうか。
(答)まだはっきりと時期が言えるような状況にあるとまではいかないですが、基本的に中身を勝手に我々が決めるというより、きちんと調整をしなければなりません。うまく動くかどうかということが非常に重要ですので、そこはいろいろな地域がありますので時間がかかります。
(問)例えば対象の全市町を回るという作業が終わっていないとかいうような感じでしょうか。
(答)全市町を回っているかどうかはよくわかりませんけれども。
(事務方)今まで回った対象は、保管全県と一部の市町村です。自治体のほうにどういうご要望があるかとか、例えば解除が行われたらメリットがあるのかとか、そういったことをお聞きしているという状態です。まだ全部は回っていない状態です。いつ終わるかはまだわかりません。
(問)栃木県の廃棄物についてなのですが、長らく住民との対話というのが国も県もしづらかった中で、若干の進展がありまして12月9日に知事と塩谷町の依然として建設は反対なのですが、反対派の住民と久しぶりに対話が持てたということでありまして、特措法の検討委員会でも県の役割というのを強化しなければいかんという点から鑑みれば、国にとっても住民と県の対話というのは望ましいことかなと思うのですが、これについての受け止めと、11日付けで3回目のダイレクトメールを送りましたが、これの狙いと今後の対応について伺います。
(答)ダイレクトメールについては、我々が未だ直接住民の皆様とコミュニケーションを取る方法がそれしか無いという状況にありますので、既にいただいたご疑問に答える、特に尚仁沢湧水への影響についてご心配の皆様が多いので、この点について環境省の考え方をお伝えしたかったということがあります。
(事務方)栃木県については、今までも指定廃棄物の管理施設へ早期に持ち込むということについて詳細調査候補地に対する働きかけとか、いろいろとやっていただいております。もちろん検討会の方でそういう関与を更に強めるべきというのはございましたけれども、栃木県については今までも随分ご協力いただいていると認識しております。今回もその一環ではないかという考えです。

(問)千葉日報の石井です。昨日、井上副大臣が千葉の方においでになられて、会談があったのですけれども、熊谷市長の方は正式に拒否をすると、そして記者の前でこれが最終回答であると言っているという状況で、取り付く島もないということで、どのように対応していくのかということと、指定解除のルールで、おそらく千葉もそれを測っていけば量は減っていくとは思うのですが、そうなった段階で、千葉市のあの場所というのは変わらないのかどうなのか、市長側の求めている分散保管という考えはやはり道はないのかどうか改めてお願いします。
(答)熊谷市長と井上副大臣がお会いになって、熊谷市長の方から市民の思いに対しては答えていないであったり、詳細調査を受け入れることは出来ないという大変厳しいお話を伺ったということは私も報告を受けました。これについてはしっかり受け止める必要があると思います。お互いに立場は違えど解決しなければいけないことは間違いないので、そのためにこそ対話が必要だと受け止めております。指定の解除の話について、場所は変わるのかという話については、選定のやり直しを行うということは、今のところ考えておりませんが、一方で、8000ベクレル以下になっても指定されている限りは、国が責任を持って処理しなければいけないというところは変わらないということです。

(問)河北新報の門田です。宮城の指定廃についてですけれども、3市町がそろって候補地返上を申し上げましたが、このような事態になった要因をどのように考えてらっしゃるか、逆にいうと時間的な余裕が出来たようにも受け止められるのですけれども、環境省としてもう一度作戦を練り直すことも出来ます。そのことによってこれから状況が変わっていく、新しい提案はありますでしょうか。
(答)あまり時間の余裕を頂いたという認識は持っておりません。残念なことに我々の対応の仕方、これまでの比較的長い時間、ずっと対話をしてきたけれども、信頼を得るに至らなかった、我々の足らない部分があったのだろうなと理解をしております。頂いたご意見はしっかり受け止めて、よく進め方を検討したいと思っておりますけれども、村井知事の方から国の回答をという形で、ボールはこちら側にあるという認識ですので、その点について、市町村長会議で頂いたご意見をしっかりと検討をして、なるべく早く対応できるように省内の検討をしっかりしたいと思います。
(問)重ねて申し訳ないのですが、今回の市町村長会議では同じことの繰り返しという意見が多くの首長さんから出たのですが、環境省が持ち帰って投げるボールがまた同じということに対しては、かなりの危機感を持っているとは思うのですが、新たなボールが投げ返されると期待してよろしいでしょうか。
(答)それも含めて検討しているところです。

(問)日本テレビの杜です。話を戻して温暖化についてなのですが、出来るだけ早くに対策計画の策定をしたいとおっしゃってましたが、メドとしてはいつぐらいが望ましいと考えていらっしゃるのかということが1点と、途上国、島嶼国への支援としての適応計画の策定支援があるかとは思うのですが、日本としてどのようなことを具体的に支援するのかお聞かせください。
(答)温暖化対策計画のメドは申し上げられません。我々としては早くやりたいのですが、調整はなかなか難しい点が色々とありますので、各省の動きも見ながら頑張りたいと思います。諸外国、特に途上国の皆さまに対し、今回JCMのメンバー国の皆さまと一度集まる機会があったのですけれども、本当に感謝をしていただいておりまして、自分たちのふるさとが無くなってしまうという思いを持っている国がたくさんあるものですから、そうした国に対して大きな貢献をしているということを改めて確認をさせていただきました。なぜこの市場メカニズムがあるかというと、我々の持っている技術やノウハウを通じて貢献をできるということになり、今回ニュージーランドとも大変良い関係でこのメカニズムの話が出来たのですけれども、削減の余地のない国にとって、これが一つの大きな鍵になるということもあったので、是非これをいろいろな形で活かしていきたいと思います。キャパシティ・ビルディングということによると、仕組みを途上国に持ち込んでも、それを活かす能力を持っている人がいないと動かないですね。この人材を育てていくというのは我々JICAを通して非常に得意な分野でありますので、ぜひそうしたところで活用していけたらなというところであります。現状どうあるのかという観測の部分、予測の部分は大変進んでおりますので、この技術は適応計画に活かせていただけると思いますし、農業の品種改良についてはかなり貢献が出来るのではないかと思っております。
(問)もう1問、少し毛色の変わった質問になりますが、本日、今年の漢字というのが発表されることになっているのですが、大臣は就任から2ヶ月ですけれども、1年を振り返って漢字一文字で、この1年を答えると何になりますでしょうか。
(答)あまりにも急な質問で何とも答えられませんけれども、東京で25℃になったりして、気温が上昇しているので、あと、来年は昇っていきたいということで「昇」ですかね。あまり意味がなくてごめんなさい。

(問)朝日新聞の小坪です。お帰りのところに厳しい質問が続いて恐縮なのですが、もう1点だけ教えてください。海外の国際的な環境保護NGOから、環境大臣の所管でもある象牙の登録制度に欠陥があるのではないかと、取引を止めるべきだという指摘がありまして、海外では結構取り上げられているのですが、この指摘についての受け止めと、何か今後、対策を強化するお考えがあるかどうかお聞かせください。
(答)EIAの指摘ですね。国内では種の保存法に基づいて取引が行われているわけですけれども、虚偽の申請というのが実際に行われているのであれば非常に遺憾です。実際には本当に取引しなければ犯罪にはならないわけですので、そのような情報が十分に貯まっているかどうかも含めて、関係省庁とよく確認をとって現状を把握したいと思います。立入検査を含めて登録制度の適切な運用に努めていきたいと思います。登録状況の実態について登録機関等から情報収集を行って、今ある仕組みがきちんと機能するようにという対策強化を行っていきたいと思います。その上でその中で課題があるようであればきちんと対応していきたいと思います。

(以上)

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