大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成27年11月27日(金)11:06 ~ 11:15 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず本日、「気候変動の影響への適応計画」を閣議決定いたしました。この計画は、既に顕在化している気候変動の影響への適応策を計画的かつ総合的に進めるため、農林水産省・国土交通省などの関係府省庁と共同して作業を進め、我が国として初めて策定したものです。現在及び将来の気候変動の影響に対応していく上での国全体の取組の方向性を示しています。今後は、関係府省庁と一体となって、この計画の国内外への積極的な発信を推進してまいりたいと思います。また、この計画の概要は速やかに国連気候変動枠組条約事務局に報告いたします。来週から始まるCOP21の場でも、我が国の取組の一つとしてアピールできればと考えています。
 それから本日、「東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部」が閣議前に開催され、環境省の立場からは、2020年東京大会を契機に環境配慮が進むよう、東京都とも連携して、環境の取組を進めていくという発言をいたしました。
 それから、本日行われた会議とは別の案件でございます。「地球温暖化防止月間」及び「大気汚染防止推進月間」についてご報告をさせていただきます。12月は「地球温暖化防止月間」及び「大気汚染防止推進月間」です。「地球温暖化防止月間」は、1997年12月に京都で開催されたCOP3を契機に設けられたもので、環境省では、「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」や地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE」、ウォームビズの推進等を行うほか、地方公共団体などにおいて、ライトダウンや省エネキャンペーンなど様々な取組が行われます。また、「大気汚染防止推進月間」ですが、この時期、大気汚染物質の濃度が高くなる傾向がみられ、都市部での自動車交通量の増加等もその一因と考えられています。このため、温暖化対策にもつながるエコドライブなど、大気汚染防止に関する取組を呼びかけていきたいと思っております。この機会に、地球温暖化と大気汚染の防止について家庭や職場などでお話いただければと思います。

2.質疑応答

(問)TBSの阿部です。冒頭にありました適応計画についてお尋ねします。いよいよ始まるCOPでも適応は緩和と並び大きなテーマになると思いますけれども、この適応の面で日本はどのように貢献していきたいと大臣はお考えでしょうか。
(答)まず閣議決定できて、一つこれをもってCOPに行けるという思いがございます。我が国の中でもきちんとこれを地域であったり企業であったり、それぞれの場面場面で自分のこととして引き直して考えていただくということが非常に重要ですが、一方でこの私たちが今回作った適応計画は、我々の国が今まで経験してきたことに基づく知見というのが大変豊富に含まれております。例えば、私たちの国は数多くの災害を経験して、それを克服してきています。あるいは農業の品種改良の技術であるとか、気候変動の観測・予測の技術にも長けて、努力をしております。こういう世界に誇れる技術やノウハウをこのCOP21を通じて、我々が決めた適応計画を見ていただいて、ご参考にしていただいて、是非今度は特に途上国の皆様にこの適応計画の策定や計画が進んでいくように後押しをさせていただきたいと思います。環境省では今、モンゴルとインドネシアに対して適応計画の策定支援を開始しております。こうした二国間協力をこれからも更に進めてまいりたいと思います。

(問)産経新聞の緒方です。福島のことで1点お伺いしたいのですけれども、先日、富岡の方で井上副大臣が説明をされて町長に一任をするというような形になりました。本日の午後に楢葉町の方で予定されていますけれども、富岡の方で交付金の金額が県の方から示されたということと、町議会の方の日程に一致が出たということに対して大臣の受け止めを教えてください。
(答)まず富岡町でそのような協議をいただいて、実際におそらくこれから全員協議会の結果を受けて町が改めて楢葉町と相談をして、県とも検討して結論を出されると理解をしております。今日の午後に楢葉町で全員協議会が行われまして、ここに井上副大臣が参加をさせていただく予定となっております。ご説明をさせていただいて、その結果を踏まえて今後進め方については今後両町と県と相談しながら決めてまいりたいと思っております。
(問)他県ではなかなか指定廃棄物の問題が進んでいない状況がありますけれども、福島で一つ大きな進展があったということに関しては改めてどのようにお考えでしょうか。
(答)今回のエコテックの件に関しては本当に、まずこの受け入れについてご検討くださっているということ自体、大変ありがたいことです。まず地元の皆様のご理解があって進むことですので、こうした取組に前向きに応じてくださっているということには本当に感謝を申し上げたいと存じます。これからまだ指定廃棄物の件については、例えば宮城県で市町村長会議を開催させていただくようなこともご相談させていただいておりますが、これまでの経緯をきちんと踏まえて、なぜここまで辿りついたのか、どうやって決めたのかというところ、その辺りをもう一度きちんと皆様と共有させていただく機会をもって、どうして県内1カ所で管理をする必要があるのかということについても確認をさせていただければと思います。

(問)共同通信の川口です。適応計画の閣議決定がCOP21に間に合うかということでおめでとうございます。今後はそれぞれの地域で災害対策ですとか、農作物の対策ですとか、それぞれの事情が異なる中で、いかに中身をとどめていくかということが大事になっていくと思うのですけれども、環境省としてはどのように自治体などに後押しをしていきたいとお考えかお聞かせください。
(答)既に様々な災害であったり、影響を感じておられるところについては、高い意識を持っておられるという認識を持っております。そうした自治体が私たちのところの適応計画を作りたいというときのための情報提供のご用意をしております。策定の支援をさせていただくということですが、より細かい地域の計画が立てられるような予測というものをお示ししておりまして、温度上昇に合わせてどのぐらいの被害が拡大していくかというのは指標を示すデータをご提供しながら、策定支援をさせていただくことにしております。
(問)もう1点は欧州の各国ですとか、アメリカ、中国、韓国は既に適応計画が出来ていますが、残念ながら日本はそういう意味では少し遅れた形になりましたけれども、大臣の受け止めをお聞かせください。
(答)今日ようやく、閣議決定をさせていただいたことになるわけでありますが、一方で非常に気候の変化が豊かな我が国ですので、そうしたものに国民の皆さまの感度が高いという思いを私は持っておりますので、目に見える形でお示しをした場合には国民の皆さまから高い関心をもって受け止めていただけるのではないかと思っております。そのような意味でいうと、これから加速していくものだと思っています。