大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成27年11月13日(金)10:00 ~ 10:15 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 閣議に関しては、特に環境省に関連する発言はございません。
 皆さんにお知らせをする話が2つございます。まずは石炭火力発電所の環境大臣意見についてです。本日、市原火力発電所及び秋田港発電所の計画段階環境配慮書について、環境大臣意見を経済産業大臣に提出しました。意見の内容としては、自主的枠組みに詰めるべき課題がある状況に鑑みれば、国の目標・計画との整合性を判断できず、現段階において是認することはできないため、早急に具体的な仕組みやルールづくり等が必要不可欠であるとしております。電力業界におかれましては、目標を如何にして達成するのかという実効性の観点から、具体的な仕組みやルール作り等について、しっかりとご検討いただきますよう、改めてお願いいたします。
 もう1点ですが、明日14日(土)に、環境省の指定廃棄物処分等有識者会議の委員である 谷和夫 東京海洋大学教授と、宮城県加美町が推薦する有識者である 大槻憲四郎東北大学名誉教授が、宮城県における詳細調査候補地の一つである加美町田代岳候補地の現地視察を行います。これは町のご了解をいただいて実施させていただくものです。まもなく降雪の時期となり、年内の詳細調査は難しくなる見込みではありますが、有識者を交えた町との意見交換会は継続し、理解を求めてまいりたいと考えております。

2.質疑応答

(問)時事通信の相京です。石炭火力のアセスとの関係でお伺いいたします。環境省としては、電力業界に温暖化対策の枠組みについて実効性を担保する具体策を早急に示すように求めているかとは思いますが、望月前大臣は具体策を出す時期についてCOP21が一つの節目になるかというお話もされていましたが、COP21が迫っている中で大臣はいつごろまでに出すべきだというお考えなのか、現状いろいろと調整されている中で業界が出してくる見通しなどがあれば合わせてお願いします。
(答)早急に対応していただきたいということは申し上げているところですが、昨日、電事連の副会長さんがご挨拶にお見えになりました。会長さんは都合が合わなかったので副会長さんから承ったということでした。お話を伺いまして、新電力も含めて議論を詰めているところです、そのようなお話でしたので、大きな期待を持って待たせていただきますというふうにお答えしております。
(問)確認ですけれども、具体的な時期についての言及はそのときに無かったということでしょうか。
(答)ありませんでした。
(問)もう1点なのですけれども、今これに関連して、COP21には温室効果ガスの26%削減目標などを受けて閣僚級会合に臨む立場ですけれども、石炭火力の発電を抑制する必要性について、基本的なご認識を改めてお願いいたします。
(答)2030年26%削減という目標を確実に達成しなければいけない中で、エネルギー起源CO2の排出削減目標のうち、電力分野が3分の2を占めます。その3分の2の大宗を占める石炭火力発電の排出削減は、極めて重要だと思っております。石炭火力発電は、現在の発電量でも2030年度の電源構成の想定より多いわけでして、さらに多数の増設の計画があります。このままにしておきますと、国の削減目標等の達成が危ぶまれると認識しています。電力業界の皆さまには、出来る限り実効性のある枠組みを早急に出していただきたいと思っております。

(問)日経新聞の川口です。石炭火力に関して伺います。枠組み自体に結構長い間待たされた経緯がありますよね。COP21が一つの節目だとおっしゃっておりますけれども、出すという保証はないわけです。大臣としてはいつ頃までに、デッドラインはどこなのかということをはっきり申し上げた方が良いと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
(答)COP21を目安に出来るだけ早くということは、私の立場としては申し上げたいところですが、どういったご対応をなさるのかというのは、その後に我々がどういった対応を返すかということにもつながってきますので、よくお考えになられているかと思います。
(問)昨日、電事連の副会長とお会いになったということですが、そこでは時期についての言及はなかったということですけれども、大臣からもいつまでにちゃんと出してくださいねということはおっしゃっていないのでしょうか。
(答)あくまでご挨拶ということでしたので、先方のお話を伺って、少なくとも真摯に議論しているというご発言でしたので、それは受け止めさせていただきました。
(問)アセスは今年に入って4度目になり、5件全てで否決されているということなのですけれども、ずっとこれを行い続けるのも難しいと思うのですが、大臣としての今後の石炭火力の規制策や抑制策をどのように具体的に検討しようとお考えでしょうか。
(答)今はまだ頑張っていますとおっしゃっておりますので、少なくとも業界の努力を側面あるいは下から支えられるような手立てがあるかということを模索したいと思います。
(問)一方で経済産業省は、省エネ法での規制を検討しているということも、うちの新聞ですが報じています。大臣としてはどういった方策でやるのが一番良いのか、経済産業省と一緒に新たな法律を作るであるといった方法もあると思うのですが、そういったことを検討されるおつもりはありますか。
(答)どういう時期にどういう答えが出てくるのかということによろうかと思いますが、将来的な選択肢は予断を持たずに検討させていただきます。

(問)河北新報の門田です。宮城の指定廃棄物の件で2点教えてください。1点目が有識者の現地調査のポイントを大臣はどのように考えられているか、もう1点は栃木の塩谷の場合は豪雨被害の調査で詳細調査とも受け取れる発言があって問題化しましたけれども、その点について加美町の場合について何か大臣からの指示はございますでしょうか。
(答)10月29日の意見交換会にご参加いただいた谷先生は、現地を見ていないということで、私どもとしても、やはりこの意見交換会を充実させるためには谷先生に現場を見ていただいたほうが良いだろうという思いを持ちまして、加美町にもご相談申し上げたところ、それでは専門家同士でということでご了解をいただきました。ですので意見交換会を充実させるために入らせていただくという立場です。
(問)豪雨災害の調査に行かれたときに、詳細調査とも受け取れる発言が複数ありまして問題化しましたけれども、今回加美町の現地に専門家が入られますけれども、そのときに同じようなことが無いようにということを考えて、何か指示とかありますか。
(答)詳細調査とは異なる調査ですので、その点には充分ご認識いただくように環境省を通じてお願いしているところです。

(問)下野新聞の須藤です。指定廃棄物について2点伺います。一昨日の自民党の復興加速化本部の中で今後の進め方について、停滞しているのでもっと早くせよと、もうちょっと踏み込んでというような話と、一方で丁寧に続けるべきだということで意見が対立したと聞いております。まずこの点について大臣の受け止めと、党内の中でも進め方に議論が分かれている中、どう舵取りするのかということを聞かせてください。
(答)震災から4年半が過ぎて、それぞれ関わられてきた地域の先生方に様々な意見が出てくるであろうということは当然のことだと思います。そうした議論が与党の中にあることはむしろ私も当然のことだという受け止めでありますので、与党の中ではよくご議論をいただいて、意見があれば私のほうも伺ってまいりたいと思います。
(問)先ほどおっしゃられかけたことは、たぶん20日の住民説明会の受け止めについてだと思うのですが、その辺りをお願いします。
(答)まず住民報告会が開催されるということについては私たちも承知をしております。私たちとしては私たちの直接の言葉で説明をさせていただく機会をいただきたいと思っておりますので、それはそれとして塩谷町にご相談を続けさせていただきたいと思っております。

(問)NHKの橋本です。加美町の調査についてなのですが、明日専門家が調査に行くということを、今後どういうふうにしていきたいかということを伺いたいと思います。詳細調査とはまた異なることではあるのですが、環境省としてもこれ以上は何らかの打開策の一つに結びつけたいのではないかとは思うのですけれども、今後どういうふうに活かしたいのかということが1点と、冒頭に年内の詳細調査が難しくなるというご発言がありましたけれども、専門家の土曜日の調査以降にまた現地調査を試みるということを継続してなさるのか、それともそこで年内は断念ということにされるのか聞かせてください。
(答)まず現地に入っていただく理由というのは先ほど申し上げたように、専門家の方が現地を見ていないと話が噛み合わない点があるということでしたので、現地に入っていただくことによって次回また意見交換会を私たちもさせていただきたいとご相談申し上げておりますけれども、この意見交換会の時にしっかりと噛み合った議論の中でお互い理解できる点、課題は何かということをより議論を深めるために必要だと思っております。ですので、そのようなところに繋げたいと思っております。詳細調査のほうの試みですけれども、これも天気がどうなるかということに大きく左右されますのでそこをよく見ていきたいと思います。
(問)来週月曜日もまたトライアルは続けるということなんでしょうか。
(答)天気が難しければできないと思います。

(問)共同通信の川口です。今日発表の石炭火力の大臣意見についてお伺いしたいのと、別の件でもう1点お伺いしたいのですが、1点目、国がこの問題についてどのように対処していくかという時期について、まずは電力業界の次の対策が出てきてからというお話がありましたけれども、温対計画を今年度末には作らなければいけないと、そして省エネ法なり何なりを運用を変えたり改正をしたりするということならば、そちらのほうも考えていかなければならない、そういう中で大臣としてはこの問題のデッドラインはどこだというふうに考えていらっしゃいますか。
(答)これから様々、COPを過ぎて我々が何に取り組むかという時点でございますので、今、予断を持って何か申し上げることはできませんが、おっしゃるようなことも念頭に置いてはおります。
(問)OECDの石炭火力に付ける輸出信用保証についてなのですけれども、先だっていくつかの報道機関が日米の政府が公的機関からの融資を厳しい条件を付けて制限をする、具体的に言うと極めて効率が高いもののみに限定するというような報道がありました。こちらに関して大臣のご認識を伺えればありがたいのですが、これがもしそのまま合意されたとすると日本に対する影響はどのようにあるのか、無いのか、お考えでいらっしゃいますでしょうか。
(答)日米両国が合意をして、OECDの会合で他国と協議するという報道があったということで、私たちも報道ベースでは承知をしておりますけれども、その詳細についてまだ承知をしておりません。なので、詳細がわかった時点でよく検討させていただきたいと思っております。