大臣談話・大臣記者会見要旨

丸川大臣記者会見録(平成27年11月10日(火)9:01 ~ 9:16 於:共用第8会議室)

1.発言要旨

 閣議に関しては、特に環境省に関連する発言はございません。
 こちらからの発言としましては、原子力総合防災訓練についてです。11月8日から2日間、四国電力株式会社・伊方発電所を対象として、平成27年度原子力総合防災訓練が実施されました。官邸、原子力規制庁緊急時対応センター(ERC)、愛媛県オフサイトセンター、愛媛県庁等の各拠点において、初日は、主に、中央と現地組織の連携による避難計画等の意思決定訓練、2日目には、主に、大分県への海路避難を含め、全面緊急事態を受けた住民避難等の実動訓練が実施されたところです。今後は、本訓練の結果から教訓事項を抽出し、伊方地域における防災体制の更なる改善・強化に取り組みます。

2.質疑応答

(問)幹事社の時事通信です。1点お伺いします。PCB廃棄物なのですが、処理促進が求められる中、全廃に向けた法改正の報道もありましたが、検討状況の方を教えてください。
(答)状況はご理解いただいているかとは思いますが、処理の完了期限がございまして、早いと平成30年度末遅くても35年度末ですので、期限までに残された時間は長くはないという認識です。既に把握しきれていれば良いのですが、まだ全体像が把握しきれていない部分もありますので、そういったことも視野に入れながら、期限内にきちんと処理できるような意識を持って追加的な方策を法改正の必要も含めて、有識者の検討会で検討しております。この有識者の検討会も踏まえて、適切に対応していきたいと思っております。

(問)愛媛新聞の松本です。冒頭に発言のありました、伊方原発の訓練についてお願いいたします。以前一つの鍵として予防避難エリアの住民の避難について言及されていたかとは思うのですが、実効性の検証などは出来たと思われますでしょうか。
(答)特に海路の避難については、大変意識をして今回の訓練に臨みました。自治会長など70名くらいの方が、この移動には参加していただき、海上自衛隊の艦船の「げんかい」と民間の旅客船の「国道九四フェリー」とに分かれて乗っていただいたわけです。予定どおりに出来たということは確認できたのですが、この訓練に参加した皆さまにこれからアンケートを採らせていただきます。アンケートの中で、皆さまが何をお感じになられたか、避難に当たっての手順は有効であったのか、情報はきちんと伝達をされたのか、要した時間についてどのように感じたか、避難計画の実効性を皆さまへのアンケート、又は関係自治体への意見の聴取などを通じて確認をして、必要な対応をとってまいりたいと思います。
(問)結果についてはまとめている段階だとは思いますが、具体的に全体を振り返ってよかった点と課題をお願いいたします。
(答)海路の避難を実際にやってみることが出来たという点とヘリコプターが飛ばなかった時に、代替手段をどうするのかということについて実際に用意して、確認を出来たということもよかったと思います。中央と愛媛県との連携は確実に今、セットしてあるテレビ会議システム等がきちんと動いているということが分かりましたので、あとは個別に地域地域の課題をどう見ていくかというのは丁寧に愛媛県とやり取りをさせていただきたいと思います。私自身も愛媛県にお邪魔をして実際に避難路を見せていただく予定にしております。特に今回の想定では三崎港に近いところで国道が陥没したという想定になっておりましたので、そうなった時に避難に使うそれぞれの道路というのがどういう状況になっているのかということは特に注意をしてまいります。
(問)避難路を見せていただくというのは日程は決まっていたりするのでしょうか。
(答)日程はまだご相談をさせていただいているので、具体的には出ておりません。
(問)ヘリコプターの代替手段が使えたというのは、松山空港からオフサイトセンターまでの副大臣がおっしゃっていられるところでしょうか。
(答)実際には飛べる天候だとマスコミの皆さまからご指摘いただいたのですが、航空自衛隊、陸上自衛隊にご協力いただいて今回の訓練を行わせていただいております。一部のヘリコプターについては、自衛隊側の判断で、決定しました。当然緊急時の時は全く別の判断ですので、鬼怒川でもそうでしたが飛んでいただけるものと理解しております。

(問)日本テレビの杜です。原子力総合防災訓練に関連して、まず1点目なのですが、大臣が実際に訓練に参加してご自身でお感じになった課題があればお聞かせいただきたいのですが、先ほどの愛媛県の細かいところはというお話はありましたか。
(答)官邸内での訓練ですので、参加している省庁が実際の場面と違うわけです。そうすると情報のやり取りというのが、数が少なければ当然スムーズですので、実際に複合的な災害になった時にどの程度情報が正確に判断すべき人のところに届くかというのが、よく見ておかなければいけないと思いました。それからもう一つは、先ほど申し上げた避難に使う道がきちんと交通規制が行われて、機能するかどうかということが非常に重要だと思いますので、この点はしっかりと愛媛県に行った時によく話を聞いてきたいと思います。
(問)実際にあった海上輸送訓練の方なのですが、参加者が70人という、数の多さ、少なさは置いておいて、実際に参加された方にお話を聞くと70人でも様々な問題があると。これが仮にお年寄りや子どもが入った時に実際に実効性のある避難が行えるとは思えないという声が非常に多く我々の取材で聞かれました。こうした声にどのように答えていくのか。もちろん訓練はやらないよりやった方が良いというのは当然わかった上でお尋ねするのですが、実効性を持たせていくために今後考えていることがありましたらお聞かせください。
(答)地形上、海路の避難を考えないというのはあり得ない地域だと思いますので、私は海路の避難に何度もチャレンジをして、地域の皆さんの理解を得て習熟していくというのが非常に重要だと思っています。今回はまずやってみるというところからスタートしていますので、今回は想定しなかったことも今後想定をした訓練をやりながら、地域の皆さんと一体となってこの避難についてのお互いの理解を深めていくということになると思います。
(問)今後やってみるということでしたけれども、大体どれくらいのスパンでということが、現時点でもしあればお聞かせいただけますでしょうか。
(答)まず今回の検証をきちんとすることが大変重要だと思っておりまして、愛媛県知事もおっしゃっていましたけれども、有識者に入っていただいて、第三者の目を通じてきっちりと訓練の内容を客観的に評価をしたいと思います。その作業をきちんと行った上で、では今度はどこに焦点を当てて訓練を行うのかということを組み立てていきたいと思います。

(問)NHKの田代です。訓練に関連してなのですが、訓練に先立って先月の原子力防災会議で、安倍総理が原子力災害に対して政府が責任を持って対処するという発言をされましたけれども、今回試された広域避難という考え方で、自治体同士ではやはり大分と愛媛では調整が難しいと思うのですが、その中で国として責任を持つと言った以上どのように関わっていくつもりなのか、責任を果たそうとするおつもりなのか、お考えをお聞かせいただきたいです。
(答)まず、今回の訓練で計画段階と実際で天候の差異はありましたけれども、実働部隊が関与するということは国としての重要な関与だと思っています。それからこの緊急時対応を作る時に、地域原子力防災協議会で協議をしてきましたが、この場で国がきちんと入って自治体間の調整に関与したということは大事なプロセスです。また、この下に作業部会がありますけれども、今後もこの作業部会の場でそれぞれ細かく今回の反省を踏まえての議論というのを進めていきます。そして、ここでもきちんと国が関与していくということになろうかと思います。3点目は放射線防護の対応ですね。これに対して国がきちんと資金的にも技術的にも支援をするということだと思います。とくに5キロから30キロ圏の方々については、屋内待避というのも非常に重要な鍵ですので、この屋内退避に対してきちんとこれから対策を取っていく必要がある点については国が援助をする。それから避難に関しては、避難元の自治体を通じて避難先の自治体に資金支援をしています。ですから避難元だけの話ではなくて、避難先にも私たちは間接的に支援をしていますので、この点も国の関与ですので、こうしたことを総合的に取り組んで、きちんと国が責任を持つ形でこの緊急時対応に当たっていきたいと思います。

(問)下野新聞の須藤です。塩谷の指定廃棄物の件ですが、一連のダイレクトメールの問題なのですが、11月6日に町長から大臣宛に不安をあおる行為だというような理由付けの抗議文が来たと思います。住民で作る反対同盟会の方も11月4日に開封、未開封を問わずに返送するという対応を決めております。対話の糸口を探るためのダイレクトメールだったと思うのですが、逆効果とも思えるようなハレーションがおきているようにも感じるのですが、そのあたり大臣のお受け止めと対応方針を伺えますでしょうか。
(答)内容については、大変気持ちの溢れた文章を私たちに抗議文としていただいておりますので、そのお気持ちも含めてきちんと受け止めさせていただきたいと思います。今回2回目のダイレクトメールを送った趣旨というのは、塩谷町の方からご指摘のあった「お問い合わせ先の記載」というようなことも含めてきちんと対応するという工夫をした上で、また町民の皆様からお寄せいただいたご質問に対しての答えという意味で、送らせていただいた次第です。いずれにしても私たちが直接住民の皆様にお話ができない、ご説明ができない状況ですので、何らかコミュニケーションの手段を図るという点では、この方法が今、私たちが取れる選択肢だろうという思いでさせていただいております。