大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年7月24日(金)10:16 ~10:34  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今年の夏も暑い日が続いており、先週は熱中症で救急搬送された方が全国で6,000人を超えました。政府は毎年7月を「熱中症予防強化月間」と定めており、環境省としても、熱中症予防の指標である「暑さ指数」や熱中症予防策の情報提供などに取り組んでいます。熱中症の予防には、こまめな水分補給、涼しい服装、そして暑い時は無理をせずエアコンや扇風機を使うことなどを心がけていただきたいと思います。また、「打ち水」も昔から日本の夏の暑さをやわらげるために使われてきた工夫です。本日17時30分より、東京の中心である大手町・丸の内・有楽町地区で開催される、国内最大規模の打ち水イベントである「打ち水プロジェクト2015丸の内 de 打ち水」に、私も参加いたします。国民の皆さまには、熱中症の早めの予防を心がけていただければと思います。

2.質疑応答

(問)日本テレビの杜です。指定廃棄物の件でお尋ねです。千葉市で行われた説明会に対して千葉市長から経緯の説明であるはずなのに、施設の受け入れを求めるというのは約束が違うという話が上がっています。今後説明会の開催は事実上拒否するという趣旨の発言もありますが、これに対する受け止めをお聞かせください。
(答)先日、22日に熊谷千葉市長から、千葉市民説明会に関する申し入れ書を頂きました。その中で、7月20日に開催した説明会において、あたかも詳細調査候補地の選定結果の受け入れについて、市民の理解を求めるように「ご理解いただきたい」との言葉を繰り返したこと、また、候補地の選定手法について、千葉県の市町村長会議において決定されたかのような説明を行ったことから、再協議を求める申し入れに対する回答がない中、今後、環境省主催の説明会の開催が難しい状況になったとのご指摘を頂きました。これらにつきましては、環境省の担当が、千葉県内で指定廃棄物が一時的に保管されている状況がございますので、少しでも早く解消したいとの思いから、説明会の場で発言したものではないかと思います。千葉市民の皆様方に誤解を与えかねない説明を行ったことについて、大変残念に思います。また、熊谷市長からは、併せて、「市内の町内自治会等から、個別に説明の要請があった場合については、別途協議の上、誤解を与えないよう留意しつつ、的確に対応していただきたい」との申し入れをいただきました。今後の住民の方々への説明につきましては、千葉市ともよく相談しながら、誤解のないようにご心配を掛けないように検討することとしておりますが、今後は、今回のご指摘をしっかり踏まえて、誤解を与えないような説明に努めてまいります。

(問)千葉に限らず指定廃棄物全体で、大臣が理解を得られるように努力をするということをおっしゃられているわけですけれども、改めてお尋ねなのですが、理解を得られなければ建設はしないと明言できますでしょうか。
(答)皆さんご存じのとおり、このような問題は短期間でご理解をいただけるとは我々も思っておりません。様々な考え方の人がおりますし、ご心配の気持ちもある。風評被害が増幅される場合もありえますので、一つ一つ丁寧に説明していくと、やはりある程度の時間はかかると思っております。今この状況で理解をいただけるように、我々は最大限努力するということで、その先に理解をいただけないということは今のこの場では考えておりません。しっかりと理解をいただけるように我々としてはこういうかたちが一番の良い方策だと思って、しっかりと説明をしていきたいというのが今の状況です。

(問)千葉日報の石井です。続けて千葉の指定廃棄物の関係なのですが、昨日千葉市の熊谷市長が記者会見を開きまして、先ほども言われたとおり、千葉市から申し入れている再協議の申し入れの環境省の回答がない以上、今回の話は終わった話だとかなり厳しい口調で、協議を受け入れるつもりもなければ、住民説明会を受け入れるつもりも無いという姿勢を示しているのですが、このことについて見解を伺いたいです。
(事務方)再協議の申入れに対する回答については、まだ検討しているところでございますので、現時点ではそのようなお答えとさせていただきます。説明会につきましては、千葉市長からの申入れ書の中でも「市内の町内自治会等から、個別に説明の要請があった場合については、別途協議の上、誤解を与えないよう留意しつつ、的確に対応していただきたい」と書いてございますので、このような場合については千葉市さんともよくご相談の上、説明会のほうは検討していきたいと思っております。

(問)確認ですけれども、先ほど大臣が言われたとおり、現時点では県内一カ所の千葉火力発電所、この場所が最善と環境省としては考えているということで、再協議の申し入れについてはどう捉えていらっしゃいますか。
(答)我々は、知事が参加する市町村長会議も4回開催いたしましたし、その中で内容をご説明して十分ご同意いただいて確定させていただきましたし、最終的にはもちろん環境省が決定させていただいたと、そういうような様々なことを積み重ねて、こういう形になりましたので、我々としてはしっかりとこれを進めていきたいなと思っております。ただ、このような説明会で今回のご指摘を受けましたので、誤解を与えたということについては、大変残念に思っておりますし、誤解を与えないような説明をしっかりとしていかなくてはいけないということを努めてまいりたいと思っております。

(問)テレビ朝日の吉野です。基本的なことの確認なのですが、手法について市町村長会議で決まったがごとしという、千葉市長の発言があったのですが、市町村長会議で手法を決定して、候補地については環境省が決めたという認識でいたのですが、それは間違いでしょうか。
(事務方)正確に申し上げますと、選定手法について市町村長会議でご議論・ご意見をいただいて、そういった中で、このような内容で固めたということはございますが、あくまで最終決定は環境省でさせていただいております。その手法に基づいて、今回環境省の方で候補地の選定、公表をさせていただいたという順番になります。

(問)これは栃木の方でも問題になっていた話なのですが、栃木の時の環境省側の説明は、あくまで手法については市町村長会議が決めて、候補地については環境省が決めましたという回答を繰り返していらっしゃったのですが、これは認識違いでしょうか。
(事務方)正確に申し上げますと、市町村長会議で議論を積み重ねて、内容について固めたということはしていますが、あくまで決定主体は環境省でございます。

(問)日経新聞の川口です。再エネについてお聞きしたいのですが、環境省が環境関連市場の調査をした結果、93兆円規模になるということをまとめていらっしゃったと思うのですが、約束草案で20~24%という30年の再エネ比率のことをやっていますが、環境省としては再エネのポテンシャルというのは、いったいどのくらいあるのかということを改めてお聞きしたいです。
(答)環境省では毎年、環境産業市場規模の推計を行っておりまして、2013年に市場規模は93兆円で過去最大となったと、いうことでございまして、特に地球温暖化対策分野は全体の3割近くを占めて、再生可能エネルギー分野を始めとして大きく成長しております。一方、エネルギーミックスにおける2030年度の再生可能エネルギーの導入量は、電源構成における比率を現状の2倍以上に増大させるものになっております。こうした見通しも踏まえて、中長期的に更なる再生可能エネルギーの導入の拡大を図っていくことが重要であると思っております。環境省としてはどちらにいたしましても、低炭素社会の実現のために徹底した省エネと再生可能エネルギーの最大限の導入がきわめて重要だと考えております。そのために戦略的に施策を展開してまいりたいと考えております。

(問)改めて聞きたいのは、再エネのポテンシャルというのは2030年でも24%以上あるのかないのかということを。
(事務方)今決めておりますのは約束草案でございますけれども、この約束草案はエネルギーミックスと整合的なものとなるように決めているということでございます。エネルギーミックスの中では、再エネについてはエネルギー安全保障の強化ですとか、地球温暖化対策、地域の活性化等の観点から重要だと考えている一方で、現時点で安定供給ですとか、コスト等の面で様々な課題も存在するということでございまして、各電源の特性や実態を踏まえて、立地の制約ですとか国民負担とのバランスを考慮した上で最大限の導入見通しとなっているということでございます。
(答)今、様々な話がございましたが、少なくとも浮体式洋上発電だとか潮流発電だとか、新たな再生可能エネルギーの開発とか実証とかをやっておりますけれども、まだまだ伸びしろはあると思っております。ちょっとした情報ですけれどもフランスでも相当、再生可能エネルギーを増やしていくというようなことが、ここ一両日中にあったという話も聞いております。我々もそういったものを目指していかなければ、26%削減という目標には近づいていかないのかなと思います。しかし、今いろいろとお話がありましたように、これは非常に経済に対しても地方創生に対しても役に立つし、風力発電や太陽光などの申し入れもございます。逆に石炭火力をというような話もあって、これもいろいろと問題になっておりますが、そういったものを各省庁と相談をしながら我々の思いを聞いていただくことによって、逆に我が国が再生可能エネルギーをしっかりと位置づけることによって、技術開発等で我が国の発展に努めるものだと考えております。いただいたご指摘は非常にありがたくて、我々環境省は、規制省庁というだけではなくて、日本の将来に向かって大切な分野だと思って、頑張っていかなくてはいけないと思っております。

(問)朝日新聞の小坪です。よろしくお願いします。環境省だけの責任ではないとは思うのですが、再生可能エネルギーの導入拡大ということでいえば、アセスを逃れるような石炭火力がある一方で、風力発電に対するアセスメントが厳しすぎるのではないかという意見も未だに事業所によっては根強いと思います。これについては大臣どういうふうにお考えでしょうか。
(答)これはやっぱり様々な見方があって、もちろん我々は風力発電は最大限導入していきたいと思いますが、特に我々の場合には国立公園等に、ずらっと風力発電を並べて置くと、バードストライク等、渡り鳥等に相当な問題が起きる可能性もありますので、我々は全てを良しとするわけにもいかない場合もございます。これが他の国で砂漠地帯に、太陽光だとか、風が強いと風力発電をずらっと並べて使えると思いますが、我が国の状況は若干は違うと、これはきつくやるということではなく、様々なバランスを考えていかなくてはならない面があるのではないかなと思います。ただ、地熱発電等は景観などに配慮していただければ、申込みに対して今までに比べて、もっと広く早く出来るようなことも考えております。我が国の地熱のエネルギーを使っているパーセンテージは約1パーセントだと言われています。他の国で地熱をしっかりと使っているところは相当高い比率で地熱発電を使っているということもございますので、しっかりと配慮をしながら地熱発電をやっていきたいと考えております。我々は決して規制だけすれば良いということではないし、だからといって経済最優先で環境が失われていくということも困りますので、しっかりとバランスをとっていきたいと思っております。

(問)日本テレビの杜です。2回目で恐縮なんですが、今日土用の丑の日ということで、昨年ニホンウナギがレッドリストに登録されて、来年にはワシントン条約が控えているわけですけれども、ニホンウナギの生態の保護等に関して環境省の取組についてお聞かせ下さい。
(答)本日は土用の丑の日ということで、ウナギは我が国の国民の嗜好に合う、夏を乗り切るための大切な食糧の資源だと思います。平成25年2月に環境省がニホンウナギを絶滅危惧種に選定して以後、水産庁を中心に資源管理に関する取組が進展したと、認識しております。環境省においても、昨年度から開始したニホンウナギの生息環境調査を継続しておりまして、来年度には、生息地の保全や再生の方策を取りまとめる予定であります。生物学的観点から長期的にみると、ニホンウナギは依然として危機的な状況にあるので、我が国の食文化を守るためにも、逆にニホンウナギに関係する様々な主体が保全の取組を進める必要があると思っておりますし、環境省としても関係省庁と連携しつつ、引き続き、対応してまいりたいと思います。