大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年7月21日(火)10:01 ~ 10:21 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 先週金曜日に、電力業界から、2030年度のCO2排出削減の目標を設定するとの発表がありました。このことについて、関係各位のご努力の結果、電気事業者が連名で削減目標を掲げるに至ったものと受け止めております。その上で、掲げられた業界の目標を、如何にして確実に達成していただけるのかが肝要であります。発表された「自主的枠組み」が、温室効果ガスの削減目標とエネルギーミックスの達成を確実なものとする実効的な内容となっているか確認する必要があると考えています。このため、環境省として、電力業界から枠組の内容についてよく説明を受けるとともに、これまで環境省でも検討をしてきた経緯を踏まえ、有識者のご意見も伺ってまいります。
 昨日、富士山を視察させていただきました。世界遺産であり国立公園である富士山は年間30万人の方が登山をしています。バイオトイレ等、特殊なトイレで対応しなければならない中で、私が環境大臣政務官の時にバイオトイレの取組が始まりまして、そろそろ耐用年数もきておりますので、今後どのような対応をしていけばよいかも含め、視察させていただきました。あるときには富士山は世界で最も汚い山であると酷評をされたこともございます。ボランティアで10年以上、清掃活動をいていただいている方もございます。そういう皆さまにお会いをして、ねぎらいを申し上げさせていただきました。昨年も皆さんで集まって清掃を行ったのに家電製品を始め翌年には捨てられているということで、環境省だけではなくて、各所に知らしめていかなくてはならないと感じました。たくさんの皆さまが世界遺産としての富士山を守るために活動していただいていることを視察させていただき、環境省も管理している者として頑張らなければならないと感じました。

2.質疑応答

(問)日本テレビの杜です。よろしくお願いします。昨日、千葉市で指定廃棄物に関する大規模な説明会が開かれました。その受けとめとどのような報告を受けているのか教えてください。
(答)昨日20日に、千葉市民の皆様に、詳細調査候補地の選定経緯等についてご説明させていただきました。休日にもかかわらず、743名もの多くの千葉市民の皆様にお越しいただき、改めて感謝申し上げます。昨日の説明会は、これまでの一連の説明会の中では最も規模が大きいほか、1時間近く延長するなど、最も長い時間にわたって実施いたしました。こうした中で、多くのご意見をいただき、また、厳しいご意見もいただいたと伺っております。環境省としましては、こうしたご意見をしっかりと受け止めた上で、引き続き丁寧なご説明を行い、ご理解を得るための努力を続けてまいります。通り一遍ではない様々な御意見がございました。厳しい御意見もあったことから説明をもっとしっかり行っていかなければならないとともに、本音の御意見を聞けたということは一定の成果があったと考ええております。

(問)私も現場にいて聞いていたのですが、厳しい意見もあったというよりは、厳しい意見しかなかったというのが実感です。特に多かったのが、東電の土地ありきだったのではないかとか、説明どうこうではなく方針自体に反対なので白紙撤回を求める、という声が非常に強かったわけですけれども、どのような形で答えていくおつもりでしょうか。
(答)どちらにいたしましても、このような施設を作る場合に賛成の方に来ていただけるということはほとんどありません。御心配の方に説明会に来ていただいて、通り一遍に聞いていくだけではなくて、住民の皆さまの気持ちや考えを率直に御意見いただいたと考えております。様々な皆さまに説明を始めた段階ではありますが、いただいた御意見は真摯に受け止め、御理解がいただけるように丁寧に進めていきたいと思います。会場で「はい、わかりました」というようなことはないであろうと思いますが、そういった中でもそうだったのかと御理解いただけた部分もあったと思いますので、我々の方からも回答を十分にさせていただいたと考えております。しかしその場でなかなか厳しい意見もあったことは真摯に受け止めなければならないと思いますが、地域にとって最も大切なことがどのような形か理解していただけるようにしていきたいと思います。

(問)テレビ朝日の吉野です。2点お伺いします。千葉の指定廃棄物の問題で予定された説明会は終わったのですが、今後の進め方について方針があればお聞かせください。もう1点は宮城の方で今月何か政務の方が行かれるなどの動きがあるような話を聞いているのですが、そのことについてお聞かせください。
(答)説明会の今後の日程については、昨日一番大きな会合をやったということで、様々な御意見を精査していかなくてはならないということで、現時点では今後のことにつきましては、決まっておりません。千葉市ともよく相談をしてまいりたいと思います。地元の方々に丁寧な説明を行う努力を続けているところでございまして、詳細については具体的な時期を定めているものではございません。こういった説明を通して御理解のための努力を続けていきたいと思っております。
(事務方)宮城県に関しては、先日副大臣が一時保管場所の視察を行っておりますが、さらに現地への働きかけについては未定でございまして検討中でございます。

(問)千葉日報の石井です。千葉市の指定廃棄物の件についてですが、念のために確認なのですが、大臣は丁寧な説明の努力なしには進めることはないとおっしゃっていましたが、昨日の段階を終えてもまだ丁寧な説明の努力が完了したとは言えないと考えていらっしゃるということで宜しいでしょうか。
(答)はい、引き続き説明をさせていただきたいと思っております。

(問)確認なのですが、日程はまだ決まらないということですが、今後の説明会なのですが、どのくらいの回数を重ねていきたい、どのくらい時間を重ねていきたいと考えていらっしゃいますか。
(事務局)その点も含めまして、千葉市とよくご相談をして決めていきたいと思います。

(問)共同通信の川口です。2点お伺いします。1点目は先週金曜日に発表された電力業界の枠組みについてなのですが、排出係数は決まりましたけれども、だれがどのように目標を達成していくかという肝心の中身がよくわからない状況になっているかと思います。その点の大臣のご認識と、今後どのように電力業界の皆さんに聞いていって、指導をしていきたいと考えていらっしゃいますか。
(答)これまでにうかがった有識者のご意見を踏まえると、電力業界全体の枠組みは、電力システム改革による適正な競争を通じた電源の低炭素化や効率化が進むよう、3つの論点がありまして、我々としては、1点目は電力業界はこれまで2年間何も出してこなかったですから、業界としての具体的目標が定められ、今回出してきたということは評価しますが、国の削減目標達成を確実にするものかどうか、ただ出してきただけのものでは困りますよと、いうことだと思います。ですから、これはしっかりと精査していかなくてはいけない。2点目は全ての対象事業者が公平に参加しなければいけない、経産省では自由化を進める中でなかなか難しい状況でありますが、そういった中で今までの業界の皆さんだけでなくて、新規に参加する方もいらっしゃいますのでフリーライダーを出さないでしっかりとまとまってもらわなくてはいけないということ、3点目は2030年度に向けて着実にCO2削減が進む進捗管理がされるといったポイントを満たす必要があると理解しています。これは先ほど私の方からもお話しましたけれども、電力業界から示されたものを一度しっかりと精査していかなければ分からないということでございまして、その点は少し精査する時間が欲しいと思っています。

(問)2点目、話題はまったく異なるのですが、週末に報道機関の各社の世論調査の結果が出ております。それによりますと内閣の不支持率が、30%の後半になっている社もあって、支持率と不支持率が逆転をしたようなところがあります。その点についての大臣のご認識、閣僚のお一人としてお聞かせいただきければと思います。
(答)環境大臣としてではなく、一般的に閣僚の一人としましては、やはり支持率は低いより高い方が、国民に理解していただけているなという数字だと思います。そういう意味ではこの数字は我々としても謙虚に受け止めて、国会のあり方だとかに対しての国民の皆様の気持ちの表れだと思うと、今後しっかりと対応していかなくてはならないという気持ちでございます。今までの経過から見ても、国会で大きな問題を乗り越えるには支持率が上がることは少ないと、消費税にしてもそういった問題がございます。しかしその時々、政治家として決断しなけれならないということもございますので、内閣の一員として国民の皆様にしっかりと理解いただけるように、1つの数字を謙虚に受け止めて、やっていかなくてはいけないと思っております。

(問)NHKの橋本です。電力業界の自主的枠組みについてなのですが、3要件に基づいて精査する時間が欲しいという発言でしたけれども、来月以降にまた新増設に対する環境大臣の意見を言う機会も控えていると思います。あまり時間が無い中で、有識者からの聞き取り、電力業界からの聞き取り、どういったスケジュール感で、いつ頃までに行う考えでしょうか。教えてください。
(答)今回公表されました自主的枠組みについてですけれども、実効的な内容となっているかどうかをしっかりと確認することは大切なことだと思っておりますし、その結果は環境省の見解として整理をして公表したいと考えています。ただ、火力発電所の環境アセスの話が出ましたけれども、この電力業界の枠組みが、削減目標とエネルギーミックスの達成を確実にする実効的な内容となっているかということが大切で、確認をしなくてはいけないと思っております。今後の火力発電所の審査についても、その確認結果を踏まえて対応したいと考えております。ただまだ出たばかりでございますので、これがいつまでにというのは難しい。我々の方もしっかりと精査をしていきたいと、こんなところでございます。

(問)読売新聞の大野です。日本の約束草案はいつ国連に提出されたのでしょうか。
(事務局)金曜日の夜遅くに、事務局に提出しました。

(問)なぜこのようなことを聞いたかというと、金曜日の発表が午前0時21分に環境省からリリースが出てます。そこには日付が書いていません。その時に、何日に発表したのですかと聞いたら、たぶん11時50何分ですと、どなたも正確な時間をその時点で把握されていなかったんです。そもそもなのですが、17日中に出すという話だったのが、なぜそんなに夜中までずれ込んだのか、その理由を教えてください。
(事務局)実際の作業の中で、英文化、それから英文のチェックに時間が掛かったことは承知しておりますが、今、大野さんがおっしゃったようにその点の具体的な日付についてきちっと出来なかったことは申し訳ないと考えております。今後、ちょっと調整させていただきたいと思います。

(問)日経の川口です。今のことに関連して、例えば、何ヶ月も前から既に出すということは決まっていたわけですよね。それがなぜそんなにバタバタになっているのかということがちょっとわかわらないのですが、例えば外務省とか経産省の方で何か色々ニュアンスの問題とかですね、文言についてなど何かあったのかと、そういうことなんじゃないですか。
(事務局)大変申し訳ございませんが、ちょっと詳細を承知しておりませんが、そういったトラブルがあったということは私どもには報告がありませんので、おそらく事務的なところでちょっと手間取ったのだろうと推測します。もし仮にそうでないということであれば、ご連絡申し上げたいと思います。

(問)テレビ朝日の吉野です。事務局の方にお伺いすることになると思うのですが、例のサイバー攻撃の復旧の現状について教えてください。
(事務局)現在、NISCと協力しながら原因も含め、省全体の調査を全力で進めております。こちらといたしましても、安全サイドに立った対応をしっかりとしたいと考えておりますので、まだ時間が掛かっているという状況でございます。

(問)まだ遮断したままということですか。
(事務局)はい、インターネットは遮断したままです。
(答)先ほどの川口さんからお話のありました約束草案の提出時期の発表は、皆さんにとっても大変大切なことだと思います、私も細かくはわかりませんのでここで発言して良いのか考えたのですが、我が国の大切な草案を出すということは、皆さんにしっかりとお知らせすることが筋だなと思いました。よく事務方と打ち合わせし、こういったことをスムーズに皆さんにお知らせしていけるように、しっかりとしていきたいと思います。