大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年3月10日(火)7:46 ~ 7:54 於:(衆)本会議場議食側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

 本日の閣議において、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律案」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。両法律案は、一昨年に我が国が議長国となって熊本・水俣で開催した外交会議において採択された「水銀に関する水俣条約」を国内的に担保するためのものです。水銀による深刻な環境汚染と健康被害を経験した我が国は、優れた水銀対策技術を活かして、途上国における水銀対策の推進にも積極的に貢献し、引き続き、世界の水銀対策をリードしていくことが必要です。今後は条約の早期締結に向けて、国会で速やかに御審議の上、成立させていただきたいと考えております。
 続いて、明日、東日本大震災の発生からちょうど4年が経過します。改めて、震災で亡くなられた方々に心より哀悼の誠を捧げたいと思います。同時に、未だ福島で12万人、東北全体で23万人もの方が避難生活をされていることに大変心が痛みます。この4年間、震災直後からのがれきの処理に始まり、環境省は、一丸となって被災地の復興に全力を尽くしてまいりました。今後も引き続き、除染・中間貯蔵施設の整備、指定廃棄物の処理等を全力で行っていきますが、その前提として、被災地の人々の立場に立って考え、被災地の人々に寄り添い、親身になって説明、対応していくことが何よりも大切であると考えています。未だ、被災地の復興は道半ばです。総理から「閣僚全員が復興大臣になったつもりで頑張るように」と言われていることは、いつも申し上げているとおりです。被災地の一日も早い復興に向けて、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
 次に、昨年5月から2月まで福島県の帰還困難区域を中心に実施してまいりました今年度のイノシシの捕獲事業により、381頭を捕獲できましたので報告いたします。イノシシによる農地の掘り返しや、家屋への侵入といった被害をおさえるよう、平成27年度も引き続き捕獲事業を行ってまいります。
 最後ですが、生物多様性版のIPCCと呼ばれ、この分野の科学と政策の統合を図る国際機関IPBESのアジア・オセアニア地域における重要な機能を、我が国が担うこととなりました。具体的には、地球環境戦略研究機関(IGES)が、この地域の生物多様性と社会との関わりを評価する作業の支援を、今春から開始します。詳細については、後ほど事務方より資料を配布いたしますのでよろしくお願いします。

2.質疑応答

(問)地球温暖化に関してなのですけれども、先日EUが国連に約束草案を提出されましたが、その評価をお願いします。
(答)先日のスイスに引き続き、EUが正式に約束草案を提出したことは、今年のCOP21に向けて合意を目指す新たな枠組みの議論の促進になるものとして、大いに歓迎したいと思います。EUの現在の目標が2020年の20%削減であることを踏まえると、相当に野心的な数字であるとの印象がありますが、内容について達成方法などの詳細を承知していないので、具体的な評価は差し控えたいと思います。こうして様々な国の数値が出てまいりました。我が国としても新しい削減目標と具体的な行動計画を、なんとしてもできるだけ早期に策定して、COP21に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(問)共同通信の角です。昨日、一部週刊誌で除染についての記事が出ていましたが、大臣の受け止めを教えてください。
(答)今日の記事にある特殊勤務手当については、除染工事の下請け業者間における契約上の問題であると承知しております。どちらにいたしましても、除染作業員に対する特殊勤務手当は末端のところは適切に支払われていると聞いております。中間のものについては民民の契約でございますが、適切に支払われていかなければならないと思っております。

(問)先ほど生物多様性についてのIPBESにおいて日本が中心的な役割を果たしていくというお話をいただきましたけれども、日本が役割を果たすことの意義と大臣としての意気込みをお願いします。
(答)後ほど資料は配らせていただきますが、社会全体において生物多様性は恩恵の深いものがあります。ひとつのものが崩れると全体が崩れてしまう。我々としてもしっかり参加をして、また日本にアジア太平洋地域の事務所を置くということになっておりますので、アジアの中心として知見を高めて、しっかりと方向性を示していきたいと思っております。