大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成27年1月23日(金)10:49 ~ 11:15  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議において、廃棄物処理法施行令の一部を改正する政令を決定しました。廃棄物処理法におきましては、最終処分先が決まっていない廃棄物を、排出現場とは別の場所に移動させて、長期間にわたって保管することは禁止されています。今回の政令改正は、中間貯蔵施設で保管する除染廃棄物について、その特例を設けるものです。
 それから、昨日、大成建設のゼロ・エネルギー・ビルを視察致しました。通常のビルの75%減という徹底した省エネと、薄膜太陽電池による再エネ活用で、エネルギーの収支をゼロとすることを目指したものであり、環境省の事業において実証を実施したものです。自然光採光システムや人感センサーを活用した高効率照明、薄膜太陽電池を活用したビル壁面での太陽光発電など、最先端の環境技術を見させていただき、大変参考になりました。また、省エネをしながら、人に優しい快適な空間を与えるなど、未来の都市型のビルはこうあるべき、と思ったところでございます。低炭素社会の構築に向けては、こうした環境技術が開発、普及されることが大変重要と考えております。環境省としても、引き続き、実証事業や導入補助等によって低炭素技術の開発・普及を支援し、徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの促進を車の両輪として、地球温暖化対策を進めていく所存です。御報告は以上です。

2.質疑応答

(問)おはようございます。読売新聞の大野です。アメリカのオバマ大統領が先日、一般教書演説で気候変動対策について主導的な役割を果たすというふうな演説をされました。アメリカの積極姿勢に関する御感想と約束草案の提出の期限が迫る中、日本として今後どう対応されるのかをお聞かせ下さい。
(答)オバマ大統領の一般教書演説ですが、気候変動分野で米国が国際社会を主導していく決意というものを非常に感じました。今年のCOP21での新たな国際枠組みへの合意に向けた期待を表明したと聞いております。我が国としても、約束草案をできるだけ早くとりまとめることを目指して、検討を深めていきたいと考えています。全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みへの合意に向け、国際交渉の進展に積極的に貢献していきたいと思っております。また、我が国がやっている二国間クレジット制度などにより、日本が誇る低炭素技術を活用して途上国での排出削減を実現し、我が国としても、世界全体の温室効果ガス削減を牽引していきたい、我が国のテクノロジーは世界の国々から期待をされておりますので、こういったところでしっかり貢献をしていきたいと、このようなことをオバマ大統領の一般教書演説を聴いて考えました。

(問)テレビ朝日の吉野です。大臣、耳の痛い話をさせていただきますが、来週の28日水曜日に今度、茨城県で指定廃棄物に関する市町村会議が開催されるのですが、これは私達は何回もですね、テレビや私も含めてネットメディアの方も含めていろんなところが、これはフルオープンでやって下さいと、その途中の議論も重要なので、つまり何故かというと傍聴は可能なのですが、カメラは途中で頭で止めて外に出ろと言われているのですね。ただし、やはり途中の議論の過程も重要で、何も我々もフルで回そうというつもりは全く無いのですけれども、要所要所の議論はおさめておきたいと思っています。また、栃木に関しては言った言わないという話が途中であったことが、今回のねじれにもつながっているということから考えるとやはり原則オープンでやったらいかがでしょうかという、そのお考えが無いかという質問です。
(事務方)担当の事務方からお答えさせていただきます。申し訳ありませんが、議事の円滑な進行という観点で、これまでも撮影については頭撮りということでお願いしておりますので引き続き御協力をよろしくお願いしたいと思います。
(問)それは全く意味が分からないのですけれども、円滑な推進、進行というのは、意味はどういう意味ですか。
(事務方)言葉のとおりでございますので、御協力これからもよろしくお願いします。
(問)それからもう一つ言わしてもらえば、こちらと関係のあるその上から目線のその態度が皆さん非常によろしくないと思いますけれども。規制庁、それから経済産業省、総合エネルギー調査会を含めての各種委員会、これら全てフルオープンでやっております。環境省だけができないというのは、何故か聞かせて下さい。
(事務方)別にこれは指定廃に限らず、環境省だけに限った話ではないというふうに思っております。申し訳ありませんが、繰り返しになりますが、御協力をお願いしたいと思います。
(問)じゃあ協力できませんよと、それは先に言っておきます。以上です。

(問)朝日新聞の香取です。水俣病の関係で、今朝一部報道で、チッソが特措法の関係で国や県から借り受けている債務、942億円について返済の4年間の繰り延べを申し出ていて、それを国も求めるというような報道がありましたが、その件について事実関係の確認をさせていただきたいのですが。
(答)会社の経営は様々な問題があります。経営自体、その会社自体、その株主の皆様等、様々な皆様がいらっしゃると思いますけれども、こういった問題は個社の経営に係る問題がかなり影響します。信用不安ということによって様々な問題が起きてくる場合がございますので、このことについてのコメントは控えさせていただきたいと思います。
(問)個社の経営ということは分かるのですけれども、一応その税金を使ってやっていて、予算にも関わることですので、いずれ何か御対応されるということはあるのでしょうか。
(事務方)担当の事務方でございます。今の御質問でございますけれども、大臣の御発言にもございましたけれども、個社の経営に関わることですので、御質問のあった今後のことも含めて、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

(問)共同通信の角です。よろしくお願いします。中間貯蔵施設の件で伺いたいのですが、先日1月中の目標を断念されて3月11日までという新しい目標をたてられましたけれども、進捗というのはどのようになっているのでしょうか。以前地権者の特定について9割方済んでいるという話もありますが、まだ5割くらいしかついていないのではないかという話もあって、情報が錯綜しているのですが、実際どのようになっているのか教えてください。
(答)何割くらいというのは非常に難しいことなのですが、少なくとも、この前お話ししたように、なかなか目標の日数を出すのは難しい状況です。それでも3月11日の節目までには何とか搬入したいということで一所懸命やらせていただいているというのが現状です。ただ、それは3月11日ということでありますけれども、もちろん1月中に搬入するという、そういったものに対する反省も含めて、そういった時期が簡単に割り出せるものではないのですけれども、しかし3月11日に1日でも遅れれば皆さんに御負担をかけることになりますので、3月11日以前の搬入に全力を挙げて頑張っていきたいと、それが何日前かはなかなか難しいですし、今何割の方と話がついているかということでありますけれども、非常にお互いに信頼関係が出来てその積み重ねで良い方向に向かってきているとはいうものの、全ての人が、はいわかりましたという段階だとか、その内容も一件一件全てが、何件が確定出来たかということではございません。ただ全体的に3月11日に搬入が出来るように頑張っていきたいとそんな気持ちでいっぱいであります。
(問)皆さんが頑張ってらっしゃるのはよく存じ上げておりますし、心から応援するものですけれども、実際に取り仕切っているのが現場の再生事務所だとは思うのですけれども、若干タイムラグがあるのか分かりませんけれども、実際どこまで進捗しているのか、売買契約があったのか、出来たか出来ていないか、あるいは地権者の特定がどれだけ進んだかというのは地元の方はその話を進める上で重要なポイントだと言っていたと思うのですけれども、明確な説明がされずに、曖昧な説明がずっと続いているので、隣の方が厳しいことを言ったついでに言いますが、非常に大きな国民の関心事項ですので、その辺はきちんと答えていただきたいと思います。
(事務方)地権者の情報は先ほど大臣からもありまように、丁寧な説明を続けているという段階でございますが、状況についてもわかりやすく整理が出来た段階で、それぞれに適宜、混乱のないように情報の提供というところにも心がけていきたいと思っております。
(問)非常に関係者も多くて、個人の財産に関わるナーバスな問題だとは重々分かっているのですが、それにしても住民の方への丁寧な説明もですけれども、我々としては国民の方に丁寧な説明もしていただかないと、これだけ莫大な予算を使って、巨大な事業ですので、各紙の報道を御覧になれば分かるように大きなニュース、関心事なので、1月の搬入の話などはずっと、どうですか、どうですかと聞かれて、出来ます出来ます、やれますやれますと言ってきて、曖昧にして結局やっぱりやめますという話になっていますので、そこはもう少しきちんと配慮というか説明をしていただきたいと思います。
(事務方)出来ることと出来ないことがございますけれども、整理が出来た段階で情報の提供をしていきたいのでもう少し待っていただけるようよろしくお願いします。

(問)下野新聞の鈴木です。昨日栃木県の指定廃棄物の最終処分場の話なのですが、環境省の職員が現地に立ち入ろうとした際に地元の方がストップをかけて、入れないという事態が起きております。大臣としての受け止めと、今後の対応についてお話をいただければと思います。
(答)現地の皆さんが、面積が足りないのではないかというような、あるいは我々は面積があるというようなことで、これは現地をしっかり確認してお互いに理解しあうということが大切と考えました。面積が足りなければ我々も出来ないことになりますし、面積が足りれば、一つ課題をクリアするということになりますので、現地でしっかりと確認していきたいということでまいったのです。町長さんも一時は、足りなければやらないのだから、来たらやらせますよという話だったものですから、我々もそれなら出来るのかなと思っていました。ただ急に突き上げられたからだめになってしまったという話があり、我々も混乱しておりますけれども、どちらにしても丁寧な説明をしながら、はっきりとさせていかなくてはいけないのではないかと思います。今後とも出来る限り説明をしっかりさせていただいて、そういったものを一つ一つはっきりさせていき、皆さんに御理解いただけるものは御理解していただけるようにさせていただきたいので、今後とも現地確認をやっていきたいと思っております。

(問)朝日新聞の奥村です。今、塩谷町の現地確認の件ですが、現地確認をすることができないというような現状になっていると私どもは認識しておりますが、これを打開するために大臣、以前から地元との信頼関係が大事だということをおっしゃてこられましたけれども、例えば封鎖が犯罪事項にあたるような状況であれば、なんというか警察の力を借りるとか、そういったことも含めてどうされるのか、方針を教えて下さい。
(答)我々はあくまでも地元の皆様とよく相談をしながら、丁寧な説明をしながらこれを進めていきたいということでして、先のことはよく分かりませんけれども、少なくとも今はまだそういった状況に無く、我々とすればまず地元の皆様としっかりとした確認をするということが大切であります。想像で、ここは面積があるじゃないかとか、ないとかということではなくて、これは非常に信頼関係を築くためには必要でございますので、是非一つこういったことをさせていただきたいということを、丁寧に説明しながらやっていきたいと、今はこれに尽きるのではないかと思います。

(問)日本テレビの杜ですけれども、先程来の塩谷町の件でですね、信頼関係が必要だと大臣はたびたびおっしゃられていますけれども、実際現地に行っているのは小里副大臣ということで、大臣自ら打開のために信頼を回復するために、大臣自らが現地を訪れるということは、御自身はお考えになってらっしゃいますでしょうか。
(答)これは今まで副大臣、政務官の政務でやっていただいております。こういった皆様が努力をしているので、またその状況によっては考えなくてはいけないとは思いますが、今は皆さんが精力的にやっていただいておりますので、まだ今はそういう段階ではないのかなというふうに思っております。
(問)では、今後は状況によってはそういうことも考えてはいるふうに捉えてよろしいのでしょうか。
(答)その状況というものを、もうちょっと見ていかなくてはならないと思っております。

(問)共同通信の川口です。おはようございます。気候変動枠組条約の事務局が、各国の温暖化約束草案について、提出のためのポータルを作ったというふうにプレスリリースしています。日本では、専門家合同会議が開かれていますけれども、いつどんな形で日本は出すのか検討状況を教えてください。
(事務方)ポータルサイトにつきましては、前回のCOP20の決定を受けまして、COP21に十分先立って、出来る国は3月末までに提出ということが決まっております。それに基づいて、事務局としても作業を進めているものと認識しています。
(問)日本では、平行してエネルギーミックスの議論もこれから始まろうとしているところですけれども、大臣はエネルギーミックスが決まらないと、温暖化の約束草案については、議論とか決定はできないという認識でしょうか。どうお考えでしょうか。
(答)約束草案は、もちろん環境省で数字を出すだけでなく、経済産業省、外務省と連携して出すものであり、また、COP20で決めたことなどさまざまな要因を含めて外交交渉もあります。また、経済産業省が検討しているエネルギーミックスの問題もありますので、並行してやっています。最終的には政府が出すものなので、バランスが必要ではないかと思います。それから、実際に我が国がその数値を出して行動していかなければならないことですので、国全体、国民全体が協力していただいてやっていくことであります。そのバランスを考えると、何が出来なくてということではなくで、そういう調整が必要で、そういう段階をやっているところです。今、中央環境審議会とかさまざまな会を重ねておりますが、そうした中で調整されていくものであると思っております。
(問)仮にエネルギーミックスが固まらないと、目標も決まらないということであるとすると、目標出せる時期がどんどん後になり、COP21に向けた国際交渉のことを考えると、相当厳しい状況になってくると思いますが、大臣ご自身は目標をいつまでに日本として出さなければならないか、おしりの時期については考えていらっしゃいますか。
(答)エネルギーミックスも大事でございますし、さまざまな数値を総合してその中からこういったものができあがっていくということであります。それから、私もCOP20でバイ会談もたくさんさせていただいて、我が国に対してしっかり約束草案を出していただきたいということがございましたので、我々としても一日も早く約束草案を出せるようにしたいと思います。
(問)追加で、私もCOP20の時に取材させていただましたけれども、バン・キムン国連事務総長からも、EUの閣僚の方からも、日本に期待をしていると、3月末までに出していただきたいという発言があったと認識しています。そこに向けて大臣は間に合うというふうにお考えでいらっしゃいますか。
(答)なるべく早くという話、それから日本に期待しているという話、様々なことがあったけれどもその壁を乗り越えて、なんとか早く出してほしい、日本はそれができる世界一のテクノロジーを持っているという期待についての話はございましたが、3月末までにという話は私もしなかったような気がするのですけれども、なるべく早く出すように我々も努力はしますという話はさせていただきました。ですから、日数を出すというのは非常に微妙な問題でありまして、政府が一丸となってやるためには、バランスとか話合いが必要ですので、我々もなるべく早くCOP21に向けてしっかり数字を出していくということを明言させていただいております。バイ会談の相手の皆様方からも、しっかりやっていただきたい、期待をしていると激励いただいた。ですから1日も早く我が国もそういったものを出していきたいと、それに尽きるのではないかと思います。