大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・牧原大臣政務官記者会見録(平成26年6月4日(水)15:31 ~ 15:47  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(政務官)三陸復興国立公園の指定からちょうど1年となる5月24日に、岩手県宮古市におきまして、環境省が整備した「震災メモリアルパーク中の浜」の開園式に出席いたしました。この「震災メモリアルパーク中の浜」は、被災したキャンプ場跡地を「自然の脅威や震災の記憶を後世に伝える場」として再整備したものでございまして、環境省としてはもちろん、国として東日本大震災に関して遺構をこうしたメモリアルパークという形で残した初めての取組であると理解をしています。昨年11月に整備中の同所に視察した際に、私からも「津波の脅威を実感できるようにという工夫」をもう少しすべきだと指示しましたけれども、山肌に一番高くどこまで遡上したのかというようなところがわかるような看板を設置されるなど、行くとここまで津波が来たのかというのが分かるような施設になりました。また、開園式後には、経団連自然保護協議会の御協力の下、中の浜をかつての緑豊かな場所に戻そうということで植樹イベントをやりまして、地域の子供たちやその御家族と一緒に植樹作業もさせていただきました。環境省としては、この施設を、国内外も含めて、多くの方々に御利用していただくことで、自然の脅威に対する理解を深めていただくとともに、地元の皆様との交流がうまれて、地域活性化に繋がるように取り組んで参りたいと思います。この詳細につきましては、パンフレットをお配りしていますので、そちらを御覧いただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)今月幹事社、読売新聞の稲村と申します。よろしくお願いいたします。まず井上副大臣にお聞きします。先月31日から中間貯蔵施設の住民説明会が始まりましたけれども、何回かやって特に多かった質問が、土地の買い取り価格、補償額を具体的に教えて欲しいという声が非常に多かったという印象を受けています。政府は従来通りの回答をしておりまして、実際にその現地の土地に入ってみて、不動産の状況とか買い取り対象となっている土地の状況を確認してみないと具体的な金額は示せないという回答をしていますけれども、こういった住民の要望に対してもう少し柔軟な対応をできるのかどうかも含めて、井上副大臣の考えをお聞かせ下さい。
(副大臣)住民説明会の方はおかげさまでやらせていただいて、大臣も申し上げているように、住民の方々の意見を直接伺って、さらに我々の説明を丁寧にすると、二重の意味で非常に重要な場だと思っています。ですからそういう意味では住民の御意見が多いことに関しては、やはりそれはしっかり重く受け止めなければいけないと思っています。ただ他方で、具体的な補償額という話になりますと、やはりこれはまずは受入れをしていただいて、その上での個別の用地交渉の中でのお話だと思っております。ただ何らかのイメージといいますか、そういうことが住民の方々、地権者の方々にわかるようなお伝えができないかどうかということは考えなければいけないというふうに私自身は思っております。先般、大臣と一緒に福島に伺った時も、大熊の町長から同じような御要請もありましたので、重く受け止めたいと思います。
(問)あと最後にもう1点、来週の月曜日に宮城県の指定廃棄物の5者協議が再開される見通しになりました。前回の会議では特に加美町の反対が強くて、詳細調査に入ることが容認はできなかったのですけれども、来週月曜日の会合ではその見通しについてはどのように感じていらっしゃいますか。
(副大臣)いわゆる5者協議といいますか、会合も非常に有意義だったというふうに思っています。やはり直接、市長さん、町長さんから地元にしか分からない特有の事情であったり、あるいは御意見というものを伺うことができたのは非常に有意義だったと思ってます。あの場でだいぶ多岐にわたっていろいろ御質問、御意見をいただきましたので、それを今精査をしておりまして、その回答というものをお持ちして、それを丁寧に我々が説明をしたいと思っております。併せまして、報道で聞いておりますけれども、現地に一度、やはり政府の責任者が見に行くべきだというような御意見もあるようでありますから、寧ろ私の方からそういった御提案もしっかりさせてもらいたいなと。是非、国会が許せばですけれども、伺って現地を見ながら考えさせてもらいたいと。その上でもちろん詳細調査の受入れをなるべく早くお願いもしようと思っております。

(問)共同通信の角ですけれども、井上副大臣にお聞きしますけれども、中間貯蔵施設の説明会が始まっているのですけれども、これは一巡で良いのか悪いのかと、地元紙なんかは一巡で終わらせることは許されないみたいな強い論調もありましたけれども、まだ半分も終わっていないと思うのですが、二巡目以降もあり得るのかということと、住民説明会後の話の進め方は今ひとつイメージがわかないのですけれども、どういった流れを考えていらっしゃるのでしょうか。
(副大臣)私どもとしては、やはり今県内の仮置き場の状況も非常に逼迫しておりますので、なるべく早く受け入れをしていただきたい、そして来年1月からの搬入開始に間に合うようにお願いしたいと思っています。そういった中で住民の皆様に計16回、丁寧に説明をして、御意見を伺う機会を設けておりますので、やはりせっかく16回も開かせていただくわけですから、その場を最大限に活用させていただいて、終わる前からこれでは不十分だからもっとやるべきだという声が出ないように、むしろしっかり残りの10回も対応していきたいと思っています。
(問)先ほどの幹事社からの質問の中で、具体的な補償額のイメージでも伝えられればというお話でしたけれども、例えば後半、あるいは末期のほうになって何かのイメージを伝えたとすると最初のほうに出ていた人たちからすると、自分たちは聞いていないという話になると思うのですけれども、住民説明会の中ではその額のイメージを伝えるというのは困難なのですかね。
(副大臣)1つは、16回、約2週間に亘って行いますので、当然、最初の頃にいただいた御意見、御質問に対してその場で回答できなかったこと。これはむしろ受け止めて、なるべく早く検討してお返しできるものは、その後の住民説明会で回答できればすべきだと考えています。最初と後で不公平があるではないかと言われればそうかもしれませんが、むしろなるべく早く住民の方々に我々の考えをお伝えするほうが私は大事だと思っています。ただ用地補償額の話に関しては、説明会に参加していただいている方の中には地権者である方とそうでない方がいらっしゃいます。むしろそうでない方のほうが多いと思います。ですから、そういう中で用地補償額の話をすることは適切かどうかという判断はあると思います。
(問)あと、住民説明会後の流れなのですけれども、例えば住民説明会でいろいろ出た話を国として検討して再び最終的な受け入れ条件のようなものを地元に提示して再度受け入れ要請をされるとかどういう流れになるのでしょうか。
(副大臣)まずはこの住民説明会で、いろいろ住民の方々からいろいろな御意見、御要望を賜る機会だというふうに我々は思っておりますから、そこでいただいた御意見、御要望に対する答えをきちんと返さなければならないと思っております。その上で、再び受入れのお願いをするということになると思います。
(問)住民説明会で出てきた話の答えというのはどういった形で示されるのですか。地元への要望の時に紙として出すとか、あるいはそれとはまた別で何か説明会を開くとか、どういったことをイメージされていらっしゃいますでしょうか。
(副大臣)具体的にどういうことかということはまだ決めてはおりませんが、とにかくなるべく早く、なるべくわかりやすいように返すべきだと思っていますので、ですから、例えば住民説明会の途中の間でもこれからの住民説明会の中で先ほど申し上げたように答えを返していく。それは口頭なのか文書なのか、あるいはホームページでそういったことを伝えるとか、いろいろなやり方があると思います。それはいろいろなやり方を含めて、なるべくやっていきたいと思っています。

(問)河北新報の門田です。井上副大臣に伺います。宮城県の指定廃の関係で、詳細調査の前に現地視察について発言がありましたけれども、時期というのは9日のあと、国会を除きまして何日くらいを考えていらっしゃいますか。
(副大臣)すみません、私も先走って答えてしまったかもしれませんが、正式に直接は伺っていないものですから、私も報道で見て、加美の町長をはじめ、おっしゃっているというふうに承知しておりますので、具体的な日程とかまだそういう段階ではありません。ただ、私はむしろ前から現地を見させていただきたいと思っていましたから、そういう意味ではなるべく早い機会に見れるようにお願いをしていきたいと思っています。
(問)どんなところを見てみたいというか、注意してといいますか。
(副大臣)例えば前回の5者協議の時も、非常に地形的な特徴あるいは気候的な特徴、そういったお話がありましたので、やはりそれは現地に伺って直接自分の目で見て体感してみないとなかなかわからないこともあると思いますので、そういう意味では是非伺わせていただきたいと思っています。
(問)それによって先ほど発表した点数のやつが変わったりということはあり得るのでしょうか。
(副大臣)いえ、これはあくまで現地の確認というか視察というか。ですから、市町村長会議で決めていただいた選定プロセスの中には入っておりませんので、それは全く別の話として伺わせていただきたいと思っています。
(問)もう1点なのですけれども、加美町の町長がこの間の1回目の5者協の環境省からの回答をできるだけ早くほしいと言っていまして、9日より前に回答をもらえなければ次回の5者協への出席を見直すような発言もあったのですが、回答に関してはその対応に関しては早くというのは考えていらっしゃるのでしょうか。
(副大臣)前回の会議の時に加美の町長からそういう御要望をいただいて、私も「わかりました」というふうにお答えをしましたので、お約束通り9日の会議の前に用意をしてお渡しをしたいと思っています。ただ他方で、どうしても御質問も多岐に亘っているものですからそれを作るのに若干今、時間がかかっていると、やはり丁寧な回答を作りたいと思っていますので、ここは理解をしていただきたいと思っています。

(問)朝日新聞ですが、今のお話に関連してなのですが、現地で副大臣が御覧になるという話は9日に行かれて皆さんにお願いをするという形で提案するというふうに理解したらよろしいですか。
(副大臣)そうしようと思っています。先ほど申し上げたように直接は「来てくれ」だとか「来るべき」ということを言われたわけではないものですから、そういったアプローチがなければ私のほうからむしろお願いしようかなと思っています。