大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成26年12月16日(火)10:39 ~ 11:02  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 皆様おはようございます。閣議が長引いたものですから、遅れて申し訳ございませんでした。それでは御報告をさせていただきます。本日の閣議において、「日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」と「日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」の2つの政令を閣議決定いたしました。これらにより、JESCO法の一部改正法は、12月24日から本格施行されることとなります。また、会社の名称が「中間貯蔵・環境安全事業株式会社」に変更されることに伴う用語の整理等を行います。現在、中間貯蔵に係る事業の開始に向け、万全の体制を整えるべく取り組んでいるところであり、引き続き最大限努力してまいります。
 続きまして、本日の閣議において、中央環境審議会による環境基本計画の進捗状況の点検結果について報告いたしました。計画に基づく取組はおおむね進捗していると評価されております。一方で、温室効果ガスの削減目標の設定を加速するとともに、放射性物質汚染対策について国民の十分な理解を得つつ、円滑に進めるべき等の指摘がなされました。今後、環境省としては、この報告を踏まえ、各府省と一層の連携を図りつつ、各種施策の検討及び展開に率先して取り組んでまいります。
 続きまして、COPでございます。ペルー・リマで開催されたCOP20について、日本政府団の代表として参加いたしましたので、御報告申し上げます。今回のCOPは、2020年以降の枠組みを来年2015年の12月に合意する上で非常に重要なものでした。事情の許す限りでの限られた時間の参加でしたが、閣僚級セッションでは、我が国の考えとして、「2050年までに世界全体で50%減、先進国全体で80%減」という目標を改めて掲げるとともに、約束草案を出来るだけ早期に提出することを目指すこと、我が国の技術を活かした世界全体の排出削減への貢献、途上国の緩和行動及び適応に関する支援、資金支援等を進めていくことを発信いたしました。また、2020年以降の枠組みについては、全ての国に適用される仕組みとすべきこと、緩和に関する定量化可能な目標が各国の約束草案の中心であるべきこと等を主張いたしました。あわせて、COP20議長国のペルー、COP21議長国のフランス、中国など7つの国・地域の環境大臣といったCOP21の合意に向けて鍵となる多くの方々、パン・ギムン国連事務総長等国際機関との率直な対話を行いました。世界は我が国以上に温暖化問題を深刻にとらえ、その対策に向け真剣に取り組んでいることを改めて認識いたしました。来年のCOP21に向け、各国等とより一層連携して取り組んでいくことで一致するとともに、各国からは日本が気候変動対策をリードすることへの強い期待が示されました。また、JCM署名国会議では12ヵ国の参加を得て共同声明を採択し、JCM署名国の間ですぐれた技術を活用した国際協力をより強固にしていくことを確認できました。交渉自体は14日、日曜日の朝方まで会期が延長され、最後まで先進国と途上国の意見が対立し、一時は合意が危ぶまれる場面もあったと事務方より聞いております。しかし、最後は2015年合意に向け少しずつ妥協点を探り、リマでの成功に向けて議論した結果、「気候行動のためのリマ声明」として採択されました。来年のパリ合意に向け、大きな一歩を踏み出したという手ごたえを感じています。私としては、今回、COP21の合意に向けた世界の熱気と日本への大きな期待を実感したところであり、約束草案の検討の加速化をはじめ、引き続き2015年合意に向けてしっかりと貢献してまいります。
 次に鳥インフルエンザでありますけれども、本日、農林水産省より、宮崎県延岡市で死亡したニワトリについて、遺伝子検査を行ったところ、H5亜型であり、高病原性鳥インフルエンザの疑い事例である旨連絡がありました。これを受け、先ほど関係閣僚会議が開催されました。会議において、環境省では、発生地周辺を野鳥監視重点区域に指定し、宮崎県に対し野鳥の監視の一層の強化を要請するとともに、環境省の野鳥緊急調査チームの派遣準備を開始した旨報告いたしました。今シーズンは野鳥でも既に全国で6件の高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されており、既に全国での監視レベルを最大のレベル3まで高めておりますが、引き続き野鳥の監視を進め、農林水産省等関係府省と情報の共有を図ってまいります。

2.質疑応答

(問)幹事社の毎日新聞の阿部と申します。よろしくお願いします。まずは御当選おめでとうございます。今日、幹事社から3問質問させていただきたいのですけれども、まず先日の総選挙で自民・公明与党で3分の2の議席を維持しました。一方で、戦後最低の投票率を記録するなどいろいろな分析はあると思いますけれども、安倍内閣の一員として今回の総選挙の受け止めを聞かせて下さい。
(答)今回の選挙は、我が国のこれからの先行きを国民の皆様に判断していただくという大変重大な選挙だったと私は思っております。特に、安倍政権がこの2年間で様々な施策をやってまいりましたが、国民の信任を受けるかどうかという重要な選挙でありまして、こういった形で様々な皆様に投票に行っていただいて、このような形ができたということは大変有り難いことでございます。安倍政権のやってきたこと、我々がやってきたことについて一定の御理解をいただいたということでございまして、国民の皆様に心から感謝を申し上げたいと思っております。
(問)続きまして、大臣冒頭にお触れになったCOP20のことですけれども、そろそろ最終的な決定では2020年以降の新枠組みの基本ルールが決まった一方で、各国の目標を事前に検証し合う仕組み、プロセスが6月から始まるという草案段階であった文言が落ちているなど、この新枠組みが実効性あるものになるのか不安視されるような決定になったと思うのですけれども、これに関して大臣の御感想と、今後日本として実効性のある枠組み作りに向けて、どんな提案をされていくお考えがあるのかを聞かせて下さい。
(答)事前コンサルテーションについては、御指摘のとおりでございますが、今回のCOP決定においては、約束草案に含むべき事前の情報に、透明性を確保するための項目の提出だとか、あるいは事前プロセスに各国の約束草案を総計した効果についての統合報告書の作成を盛り込むことができたと報告を受けておりまして、一定の成果を得たと私は思っております。この成果を含めまして、引き続き透明性の高いプロセスを確保できるように、我が国としても各国と協力をしながら、国際交渉に積極的に貢献していきたいと思っております。
(問)最後ですが、先般の選挙で指定廃棄物に関してなのですが、栃木県の詳細調査候補地である塩谷町を含む栃木2区で、福島での集中管理を訴えた民主党の前職の方が当選なさいました。福島への集中管理説というのは、出ては消え、消えては出てというのを繰り返していますけれども、改めて環境省のお考え、方針を聞かせて下さい。
(答)今お話がございましたように、我々も今まで、国会で様々な御意見を伺ってまいりました。ただ我々としては、原発事故によって大変な被害を受けられた福島の県民の皆様、そしてまだ15万人以上の方々が避難生活を余儀なくされ、大変辛い思いをされている方々に寄り添って、しっかりとサポートしていくとが、環境省の仕事でございます。いろんな意見はございますが、原発事故により大きな被害を受けた福島県に対し、これ以上の負担をかけることは到底理解を得られないと思っております。一方、指定廃棄物が多量に発生して、特に保管状況が逼迫している県においては、処理施設を確保すべく早急な対応が必要だと認識しております。こうした状況の中で、各県における指定廃棄物の処理を速やかに進めるべく取組を進めております。各県ごとに指定廃棄物の処理をそれぞれに進めることが適切であると我々は考えております。

(問)朝日新聞の奥村です。当選おめでとうございます。選挙に関してなのですけれども、選挙前に大臣に個人的にも政治資金の問題が指摘されるような状況でありましたが、今回の選挙で選出されて、その結果を踏まえてこの問題についてどのようにお考えか教えてください。
(答)私は今回の選挙戦をそういった意味では大事な選挙だと思ってあたってまいりました。ただ、選挙の期間中に5日間といいますか、3分の1から半分程度はペルーに行ってまいりました。自分のことよりも国益が最大限優先することだという覚悟でCOPに行ってまいりました。そして今回の選挙でございますけれども、政治資金問題など様々な問題で、18年国会議員になって7回目の選挙になりますが、選挙の期間中にネガティブキャンペーンを張られました。初めてのことでございまして、ただ我々の支援者のみなさんといろいろお話をしましたが、我々はクリーンに正々堂々戦おうじゃないかと、そのようなことは一切振り切って、選挙を戦い抜いて、非常にたくさんの支持をいただきました。そして圧倒的な勝利をさせていただきました。ですから私としては非常によかったと思っておりますし、今回の問題をいろいろ考えて影響があるのではないかと考えましたが、国民のみなさんが今望んでいることは、国会で正々堂々政策論議を行うことだと改めて認識しまして、国民のみなさんの大きな支持のもとで山積する環境行政の課題をこの結果を踏まえて誠心誠意取り組んでいきたいと思っております。
(問)静岡4区のたくさんの方からの支持があってよかったとお考えとのことですが、例えばいわゆる禊ぎのようなものになったのでしょうか。
(答)我々はそういったことは選挙を通して国民の皆様からたくさんの支持をいただいたと、それを真摯に捉えて、今後私たちが仕事でお返しをしていくことが大事なことであって、そのような意味では大変有り難い選挙であり、これから仕事をしっかりやっていくことが大事なことだと思っております

(問)共同通信の斉藤といいます。COPの関係で質問させていただきます。各国とお話をされた上で世界各国が日本以上に地球温暖化を深刻にとらえていると受け止めをなさったようですが、それらを踏まえて、日本の20年以降の目標を大臣は一体いつまでに設定するべきだと考えていらっしゃるのか教えてください。またこれから日本の認識を高めるとか国際交渉で貢献するために国内で何をしていくのか、温暖化対策の取組への意見を聞かせて下さい。
(答)現地からまだお帰りになっていないみなさんがいらっしゃると思いますが、日程を見て、大変限られた時間でよくこれだけのみなさんとバイ会談できましたねというくらい、たくさんのみなさんとバイ会談ができて本当によかったと思っております。それからそういったみなさんと非常に熱心にいろいろな話をさせていただきましたが、日本に対する期待も非常に高かったと感じます。我が国の約束草案の話がございましたが、バイ会談では福島のような事故があっても、日本は必ずその壁を乗り越えていくだろうと、世界をリードしていただきたいと内々の話が様々ございました。来年のCOPに向けて、各国の動向や将来枠組みに関わる議論の状況、エネルギーミックスに関わる国内の検討状況なども踏まえて、環境省だけの問題ではなくて経済産業省など様々ございますが、しっかり検討して出来る限り早期に結論を出していきたいと思っております。最終的にはCOP21という来年の重要な会議がありますので、そこまでの道のりはありますが、我が国としては出来るだけ早期に提出することを目指していきたいと決意をした次第でございます。

(問)テレビ朝日の吉野です。当選おめでとうございます。ちょっと原子力防災担当大臣の望月大臣にお伺いしたいのですけれども、今日、電源開発が大間原発について、安全性の審査、適合性審査の申請をもう終わったところだと思うのですけれども、御案内のとおり、30km圏に津軽海峡を挟んで函館市がありますが、ここは避難計画を策定する自治体に含まれると考えてよいのかという確認が1点と、それをサポートする国としてのスタンスを教えて下さい。
(答)これは一般論として申し上げればということですけれども、災害対策基本法、それから原子力災害対策特別措置法、そして原子力災害対策指針に基づいて、原子力発電所から概ね半径30km圏の関係自治体には、地域防災計画、避難計画を作成していただくことになります。建設中の大間原発ですけれども、今後設置に関する原子力規制委員会の審査状況を踏まえて、青森県と北海道が地域防災計画において、具体的に原子力災害対策の重点区域、要するにPAZ及びUPZですけれども、策定することになりますが、これらの地域が計画を作成いただく市町村となります。これはまさに法律に、作らなくてはならないと書いてあることでございまして、これは自治体の義務として作成をしていただきたいと思っておりますし、我々もしっかりそのことについてサポートしていきたいと思っております。