大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成26年11月14日(金)9:06~ 9:30 於:環境省第2、第3会議室)

1.発言要旨

 今日は何点か御報告することがございますのでよろしくお願いします。
 昨日20時に、京都産業大学より、島根県安来市において、大学で独自に行っている野鳥の糞便調査により、コハクチョウの糞便2検体から、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N8亜型が検出された旨報告がありました。これを受け、昨晩、周辺の半径10㎞を野鳥監視重点区域に設定し、野鳥の監視を強化するとともに、現地に野鳥緊急調査チームを派遣する準備を始めました。さらに今朝8時より開催された関係省庁対策会議幹事会において情報共有を行ったところであり、今後とも関係省庁間で連携を取りつつ、適切に対応してまいります。なお、鳥インフルエンザは、通常の生活では鳥からヒトに感染するものではないので、周辺の住民の方々におかれましては、過剰に心配することのないよう冷静な行動をお願いします。また、野鳥、家畜、ペット等への感染を防止するという防疫上の観点から、現地への立入りや取材については自粛されるようお願いします。
 次に中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送について、一昨日、12日水曜日でございますけれども、福島市において、国、県、市町村の関係機関からなる輸送連絡調整会議を開催いたしました。会議での御意見も踏まえ、環境省として本日輸送基本計画をとりまとめ、公表することといたしました。輸送基本計画については、この後、事務的に配付させていただきます。今後は、輸送の安全対策等の具体的な内容を規定する輸送実施計画の策定に向け、輸送連絡調整会議も活用しつつ、関係機関とよく相談しながら、安全かつ円滑な輸送を実現できるよう、取組を進めたいと考えております。
 次に、「全国豊かな海づくり大会」ですけれども、11月15日土曜日から16日日曜日にかけて奈良県に出張し、橿原市、大淀町、川上村で開催される「全国豊かな海づくり大会」に出席いたします。この大会は、天皇・皇后両陛下の御臨席を賜り毎年開催されているもので、水産資源の保護・管理と、海や川の環境保全の大切さを広く国民に発信するものです。大会においては、生物多様性の保全と、海や川の生き物を持続可能なかたちで利用することに功績のあった団体に対して、例年、環境大臣賞を授与しております。また、両陛下の御臨席のもとでの魚の放流行事などを介して、自然環境の大切さを伝えていくことも、意義が高いと考えております。以上です。

2.質疑応答

(問)日経新聞の浅沼と申します。よろしくお願いします。地球温暖化問題に関してお伺いします。12日に米中のトップが2020年以降の温室効果ガスの削減目標を公表しました。これに対する御所感をまずお願いします。
(答)先日のEUに引き続き、世界の二大排出国である米中が、来月のCOP20を前にしたこの時期に削減目標を発表したことは、今後の国際交渉に相当影響があるだろうと考えております。前々からお話ししておりますように、9月に気候サミットに参加した際も、世界は我々が思っている以上に速いスピードで低炭素化に向かっていることを実感いたしましたけれども、日本としてもこういう場合では野心的な対応を図る必要があると感じたわけです。一昨日も、我が国の目標検討の合同審議会が開催されましたが、こういった世界の動きを念頭にして、議論の一層の加速化を図っていきたいと思います。
(問)あと、日本は削減目標に関して各国の動向などを踏まえ、できるだけ早期に公表したいというようなことだと思うのですが、これに関連して大臣はまず来月のCOP20に出席されるお考えはあるのでしょうか。また、各国に対してどういうふうに日本の立場の理解を求めていくのか教えて下さい。
(答)総理がいない中で、皆様が御存じのように、様々状況がどういう形になるか分かりません。ただ、できれば出席をして、世界のそういう動向を見ながら我が国の主張をしていきたいと思っております。

(問)日本テレビの天羽です。おはようございます。先日行われた福島の中間貯蔵施設への輸送に係る会合の中で、仮置場の保管延長の話も出たと思うのですけれども、その際環境省が期間の明示ができない、あと各自治体が期間については決めて下さいというような説明があったように聞いているんですが、それに対して自治体から不満の声が上がっていることに、大臣の御所感、御見解をお願いします。
(答) 12日に、「仮置場等での保管継続に関する市町村説明会」を開催させていただきました。そして、関係する市町村に仮置場等で除去土壌等の保管の継続について実はお願いをさせていただきました。その説明会では複数の市町村から今お話がございましたように、保管延長の期限を示すべきだというような御意見もあったと承知しております。保管延長につきましては、基本的に中間貯蔵施設への搬出が終わり、借りた土地が原状回復するまで延長を行っていただく必要があります。しかしながら、現時点では中間貯蔵施設の用地取得に取り組んでいるところでございまして、そちらの中間貯蔵施設用地がしっかりと決まるまでは期間延長の期間を正確にいつまでということはなかなか示せないというのが現実の問題であります。今後とも市町村の皆さんの御理解が得られるように、しっかりと丁寧にお願いをしていかなくてはならないと思っています。

(問)TBSの阿部です。各地で犬が大量に遺棄される事件が相次いでいます。これについての受け止めと、環境省としての今後の対策をお聞きしたいのと、併せてこの背景には去年動物愛護管理法の改正によって自治体が業者からの処分目的の引き取りを相当な理由がない限り拒否できるようになったことがあるのでは、行き詰まった業者が遺棄したのではないかという見方もありますが、これについてどう考えているのか併せてお願いします。
(答)最近のニュース、非常にこの問題を大きく取り扱っていただいておりますが、言うに及ばず、犬を始め動物の命というものは大変大切であるということは我々しっかりと認識をしていかなくてはいけないと思います。これまで動物愛護管理法に基づいて、国、それから自治体、その他の関係者が連携して、動物の適正な取扱いが進むように取り組んできたところでございます。そのような中で複数の県であのような痛ましい、悲しい事案が相次いでいることは、本当にあってはならないことだと、我々も、国民の皆さんも全てが憤りを感じていると思います。個々の事案についてですけれども、これは自治体の協力を得ながら、状況の把握に努めていますけれども、警察が今どういう形かということを捜査中でございまして、何が原因かと突き止めていかなければなりませんので、警察の捜査結果が出るまで、現時点ではコメントは控えさせていただきたい。ただ、環境省としても、できる限りの情報収集に努めていきたいと思っています。今後の対応でありますけれども、そういった状況の把握を踏まえて速やかに検討して、それから自治体と連携して、動物愛護管理法の適切な執行に向けて、全力で取り組んでいきたいと思います。

(問)宮城県の河北新報の門田です。一点教えて頂きたいのですが、宮城の指定廃についてなんですけれども、候補地でのボーリング調査は衆議院が解散した場合、どのような扱いになるでしょうか。
(答)候補地においては、まだまだ我々としてはしっかりと努力を続けていって、現地のそれぞれの皆さんの御協力をいただけるように、丁寧に進めていきたいと思っています。
(問)解散した場合はどのように対応なさるかということは検討はしていらっしゃるんでしょうか。
(答)解散ですけれども、解散すればですね、やはり国会議員それぞれの身分に関わることですから、一生懸命選挙で国民に信を問うことになると思います。ただ、解散するかは、総理は海外にいて、戻ってきて総理がそういう話をしたわけではございませんし、それから解散権は総理の専権事項ですから、あくまでも予想ということになってしまうんですけれども、環境省としては、全てのスタッフが全力を挙げて今後ともこれに当たっていくと、これは変わらないことでございまして、その方針に従ってしっかり進めていきたいと思っています。引き続き地元の皆さんにしっかりと御説明をさせていただいて、そして、ボーリング調査ができるように頑張っていきたいと今はそれに尽きるのではないかと思います。
(問)地元では説明はやむを得ないという憶測も拡がっているんですが、説明はやはりやむを得ないということになりますでしょうか。
(答)我々はやむを得ないということでは無くて、諦めないで一日も早く事を進めるようにすることが、東北地方の再生・復興に繋がっていくことだと、そういう信念をもって最後まで頑張っていきたいと思います。

(問)共同通信の角です。よろしくお願いします。3点伺います。今解散の話が出たのでお聞きするんですけれども、たしか来月のCOPの最終日と、予想される総選挙投開票日が重なるように思うのですが、その場合、大臣はどうされるんでしょうか。
(答)マスコミの皆さんの日程が踊っておりますけれども、それはあくまでもまだはっきりしておりませんので、何ともそこは想像するだけの形になりますが、許していただけるような形になれば、環境省の責任者としてしっかり出席をさせていただきたいと思っていますけれども、どういう形になるのかまだはっきりしませんので、その辺は大変申し訳ないんですけれども、よろしく御理解いただきたいと思います。
(問)あとですね、福島県の中間貯蔵施設についてですけれども、先日来、復興庁の方から、大臣、副大臣と、来年1月という目標は無理であると、実際には来春以降になるであるだろうというような話が出ています。環境省はその間、公式見解として来年1月という目標を変えないということを言っておりますけれども、にもかかわらず復興庁からそのような話が出るということは、政府としてどういうことになっているのでしょうか。
(答)私も竹下大臣がどうおっしゃったかを直接お聞きしたわけではないですが、あくまでも竹下大臣は環境省がやっていることなのでというようなお断りをさせていただいておりますし、竹下大臣も言っておられるのですけれども、現時点では来年1月に向けて全力で取り組んでいるので、これについては我々の気持ちは変わらないということでございます。
(問)復興庁がそういうことを言うのはどうかと思うのですが、言っている内容としてはもっともというか、誰が見てもそういう状況なんですけれども、環境省としてぎりぎりまで努力されるということはよく分かるのですが、それはそれとして、どこかの時点で軌道修正しないと、来年1月が搬入開始なのか搬入完了なのか、それとも施設の使用開始なのか、我々はある程度分かっているつもりですが、特に地元の方々も非常に誤解というか、いろんな理解があると思うのですが、あらためて計画等、見直して、きちんとした形で環境省として発信していく必要があると思いますが、それはどのようにお考えでしょうか。
(答)環境省としてはあくまでも最後まで努力をしていくと、それで今お話がありましたように、地域の住民の皆さんが一体どうなっているのだろうかと不安を持たれないように、現地にはたくさんのスタッフがおりますので、安心していただくといったらおかしいのですけれども、しっかりと丁寧な説明を最後までやっていきたいと思います。今御指摘のことは大変重要なことでございますので、現地のスタッフには、心してしっかり説明するように、そういう指示をしっかり出していきたいと思います。
(問)最後一点ですけれども、原子力防災担当大臣としてお聞きします。先週、鹿児島県の伊藤知事が川内原発の再稼働に、やむを得ないという表現ですが同意されました。一方で避難計画等いろいろ課題も残っているという指摘も出ていますけれども、今後避難計画のブラッシュアップをされていくと思うのですが、どのようにどういう理解を求めていくのかということと、こういう状況ですけれども、地元に行って御説明というお考えはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
(答)皆さん御存じのように、原子力発電所が稼働するかしないかについては、非常に独立性の高い三条委員会である原子力規制委員会が環境省の外局という形でありますので、我々はそのことについては発言を控えさせていただきます。一方で、安全神話というのが一人歩きしないように、原子力発電所がある所についてはしっかりとそういう計画を作っていきたいと思っているところでございます。川内地域につきましては、原子力防災担当の職員を既に派遣しているところでございまして、その状況や県の考えをしっかりと踏まえて、私自身が現地を訪問するかどうかということを検討していきたいと思っています。

(問)朝日新聞の香取と申します、よろしくお願いします。温室効果ガスの削減の関係でお伺いしたいのですけれども、先ほど大臣は米中の合意を受けて、世界は我々が思っている以上に早いスピードで温暖化対策を進めているというような発言がありましたけれど、その点日本では割とあまり国民の間で温室効果ガスを減らさなきゃいけないとか、それが喫緊の課題だというのがあまり認識されていないような、盛り上がりに欠けるような感じがしております。その点についてどの辺に問題があるのか、どうしていけば良いのかというのをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)様々な皆さんが心配していることだと思います。ただ、そういう中で我が国は福島の事故とか様々なことがありましたので、比較的、温暖化の問題については今御指摘がございましたように、一時よりはもしかしたら低調なのかなと思われるところがございます。しかし、これはIPCCの報告がこの間ありましたように、我が国にも異常気象だとか様々な事象が起こるのは、その多くが温暖化の影響である可能性が指摘されておりますので、そういった問題について環境省は国民の皆さんに広く問題意識を上げていただけるようにしていかなければならない。一昨日、経団連との会合でも、様々御意見がございました。そこでも我々は経済界の代表の皆さんに、先日私がニューヨークに行った時の話や、世界の状況を見ても、そして今回の米中の動きなど様々な動きを見ましても、やはり我が国が周回遅れになってはいけないというようなことをしっかりと主張させていただきました。そういう意味では、経済界の皆様方、景気とかいろんな事を考えて、いろんな御意見がございましたが、我々の意見を広く受け止めていただいて、御理解をいただいた面が多いのではないかなと思いました。そういったところからこの危機感を共有して、世界の動向に遅れないように、今後とも環境省としてしっかりとした対応をしていきたいと思っています。

(問)テレビ朝日の吉野です。最後に一点だけ、あえてお伺いします。今この時期解散ということを聞いて、国民の間では、「えっ?」、「はっ?」という声が多いと思うんですけれども、大臣は解散するとしたらこれは大義のある解散だと思われますでしょうか。
(答)これはですね、特に私は閣僚でございますので、このことについては発言は控えさせていただきたい。これは総理の専権事項でございまして、それに総理がまだ海外にいらっしゃるということでございまして、帰ってきてどのような対応をされるかということ、それからもしもそういうことになれば、総理の方からそういった話はしっかりと国民の皆様に向かってしていただけることになるのかな、ということでございまして、私自身としては、閣僚の一員として、発言は控えさせていただきたいと思います。