大臣談話・大臣記者会見要旨

望月大臣記者会見録(平成26年9月26日(金)10:56 ~ 11:11  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議において、原子力防災体制の充実・強化に関して「内閣府本府組織令等の一部を改正する政令案」を閣議決定いたしました。この政令案は、去る9月12日の原子力防災会議における総理の指示を踏まえたものでありまして、内閣府に原子力防災担当の政策統括官を新たに置くとともに、数十人規模の常駐スタッフを配置するなど、政府の原子力防災体制の充実・強化を図るものです。新体制の発足は、10月14日を予定しております。
 続きまして、サミットの関係でありますけれども、今回のサミットでは2020年以降の国際枠組みに関する2015年の合意に向けて各国の意志を高める、またとない機会となりました。私自身、環境大臣として初めての海外出張でしたが来年の合意に向けて、世界が大きく動き始めていることを実感いたしました。担当大臣としてしっかり取り組んでいかなければいけないとの思いを改めて強く感じました。我が国の行動や貢献について安倍総理からも非常に力強いメッセージが示されました。我が国の約束草案を出来るだけ早期に提出することを目指すとの御発言がありました。約束草案の提出に向けた検討作業を加速化するため、10月にも中央環境審議会と産業構造審議会の合同会合で検討を開始したいと考えております。また、サイドイベントでは条約発効に向けた各国の強い意志を感じました。水俣病を経験した我が国だからこそ、世界からの水銀被害を無くすため先頭に立って力を尽くす責任があることを改めて認識致しました。水俣条約の締結に向けて国内担保措置の検討を進め、来年の通常国会に関連法案を提出することを目指す所存であります。バイ会談でありますけれども、さらに今回出張している間に、イギリス(英国)、ペルー、韓国の環境大臣とお会いいたしまして、今年のCOP20、来年のCOP21に向けて、各国と連携して取り組んでいくことで一致いたしました。このほか、水俣条約のサイドイベントの際に、モンゴルの環境大臣やUNEP事務局長などともお話しすることができ、気候変動交渉に限らず幅広い環境問題に関する協力についても、非常に有意義な意見交換ができたと感じております。
 次にトキですけれども、本日の朝6時より、佐渡におきまして、11回目となるトキの放鳥を開始いたしました。今年2回目ですけれども、今回は6月24日から約3ヶ月、野生復帰のための訓練を行った18羽が大空へ羽ばたいていく予定であります。今回の放鳥分を加え、野生下のトキは148羽となる見込みです。今年は、佐渡の野生での繁殖も、昨年を大きく上回るヒナが生まれました。今回の放鳥トキともども、次年度以降も順調にトキが繁殖し、野生個体が増えていくことを期待しております。

2.質疑応答

(問)幹事社共同通信の角と申します。よろしくお願いします。先日ですが熊本県の阿蘇が国内7例目の世界ジオパークに認定されましたけれども、環境大臣の御所感をお願いします。
(答)9月23日に、阿蘇の世界ジオパークネットワークへの加盟が認められました。日本で7番目の世界ジオパークとなったことは、我々としては大変喜ばしいことと受け止めています。阿蘇のように、ジオパークの多くは国立公園と重複しておりまして、その自然の保護と活用のために、国立公園制度が重要な役割を担ってくると思います。阿蘇は、今年で国立公園指定80周年を迎えますが、11月には記念式典も予定されております。世界ジオパークの認定も契機に、国立公園とジオパークの取組の連携を深め、その雄大な自然を守るとともに、自然を活かした地域の発展に貢献していきたいと思っております。
(問)もう1点、冒頭御発言のありました原子力防災体制の強化についてですけれども、まず規制委員会、規制庁と曖昧になっていた部分が内閣府に移るということで、環境大臣、内閣府の原子力防災担当大臣の責任とか担当が非常に明確にされたと思うのですけれども、大臣としての受け止めとか御所感、あるいは意気込みみたいなものを教えて下さい。
(答)やはり原子力防災体制は大変大切な事であります。常にこの防災体制というもの、地域の県、あるいは市町村の皆様と様々な面で防災体制を構築していかなければいけないと思っております。今回は、こういうような組織というものを充実させることによって、国が地域と一体となってという形で、充実した形の中で様々いろんな御相談ができるのではないか、御支援ができるのではないか、こんな風に思っております。やはりマンパワーが必要でございます。とりあえず今回いろんな先進的にできたところがございますけれども、各地域においてこういうスタッフがしっかり充実することによって、様々な面で御相談ができるのではないかと思っております。

(問)日経新聞の浅沼と申します。よろしくお願いします。サミットについてお伺いします。先程、安倍首相の発言について力強いメッセージだったというような御感想がありましたが、今回、約束草案の提出時期も明言されていませんし、あるいは気候基金に関する資金の額に関しても言及されていませんでしたが、このあたり、どのあたりをとって力強いメッセ-ジという風に取られたか教えて下さい。
(答)この力強いということは、来年のCOP21で世界の国がそれぞれの国の数値目標とか様々のものを決めるという形でして、そこに向かって総理は必ずしっかりとそういう形のものを出していくということです。また、常々総理が言っていることですけれども、2050年には先進国で80%、そしてまた地球全体で50%の削減をすると、こういうものを打ち出しております。そのことについて、1つ1つ実行をしていくという意味で、今回は数字というものではありませんけれども、言葉の中にこういうものは必ずやっていきたいというものがございましたので、先進国として力強いメッセージを発しているなと、このようなことでございます。我々、バイ会談をしてもその中で日本は様々な福島の問題とかがあったけれども、しっかりとCOP21に向けてそういうものを出していただきたいと言われる中で、総理はそういうものをしっかりと出していきたいという発言をしております。我々としては皆さんの前でこのような話をしているということが、しっかりと我が国の姿勢を打ち出しているなと思いました。

(問)福島民友の菅野と申しますが、29日から中間貯蔵施設の地権者補償に関する説明が始まると思いますけれども、大臣就任以来、やはり中間貯蔵施設は信頼が第一であるということで、丁寧な説明、寄り添った説明が必要であるとおっしゃっておりましたけれども、説明会には大臣副大臣等の政務の方が参加される方針はございますでしょうか。
(答)我々、いろんな方といろんな話をしてまいりました。知事さん始め、町長さん、それから様々な皆さんと、私も就任してまだ1ヶ月経っていませんけれども、多いとか少ないではなくて4回お話しさせていただきまして、現地に入ってみるとなかなか困難な生活をして頑張っておられるなという話を聞いております。それでも除染が終わったり、あるいは子ども達の幼稚園とか保育園があって、頑張っておられるなと感じまして、やはり何回も何回も我々お伺いをして、そして信頼関係を構築していきたいなと、こんな風な気持ちでおります。ですから、まだ私地元には一度も帰っておりません。国会が始まるまで一度、実は私三年前に家内が亡くなってですね、この報告の墓参りをしていませんので、一度帰りたいなと思っているんですけれども、それよりも何よりも福島のことをいち早く信頼関係を作りたいということで、これが決して足りているとは言いません、まだまだ毎週行かなければならないかもしれませんけれども、できる限り行きたいということでありまして、そういうことから地権者への説明の技術的な話をすることと若干違うと。ですから、そういうものについては専門家の人たちとそれから地権者の皆様とよく相談をしていただくと。そういうことであって、私が地元に一日も早く入りたい、福島に行きたいということとは若干違うという形でありまして、いろんな皆さんの意見を聞きながら、我々も総合的にいろんな判断をしていきたいということであって、そういうことで信頼関係を醸成していきたいと思っています。

(問)朝日新聞の奥村と申します。中間貯蔵施設の地権者説明会の件についてなんですけれども、地元ではかなり強く、売ったりとか土地を利用させるということはさせないとおっしゃっている方もおられますが、そういった方がおられる中で、今回説明会で交渉の重要なポイントとなると思うんですけれども、どのようになさっていかれるおつもりでしょうか。それから、そういうことが積み重なっていって、現在イメージを示していただいていますけれども、将来的にその設計等を考え直すようなことはあるのでしょうか。もう一点は、強制的に国が土地を利用するという可能性はあるのでしょうか。
(答)まだ今その信頼関係を醸成すると、福島の知事さんからは苦渋の決断をしたと。そして、それは重く受け止めて、各町長さんが説明を許容していただいたという形がありますので、そういった技術的な問題を今日変えるだとか、あるいは将来どうなるかという具体的なものを変えるというようなところにいっておりません。まず第一に先ほどお話しがございましたように、信頼関係を醸成するという意味で、そこから丁寧な説明を地権者の皆様にしていくと、そういう形になると思います。それから様々な御意見が出ていますけれども、長い間自分のおじいさんおばあさん、先祖伝来の土地をこういう形で貸してください、はい分かりましたというような形にはそう感情的には簡単にはいかないことですし、私たちがやはりあちらに行っても、先祖伝来のお墓があそこにあるんですよという中で、土地を貸借するのかいろんな形があると思いますけれども、じゃあお願いします、はい分かりましたという形にはいかないということは、是非一つ皆様にも御理解いただきたい。でも、福島の復興のためには中間貯蔵施設をはじめ様々な面でこれは大切な必要欠くべからざるものでございますので、我々も丁寧にその説明はしていきたいなと思っております。それもなるべく早く様々な問題が進んでいくような努力をさせていただきたいと思っております。