大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年8月29日(金)10:45 ~ 11:00  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議では、先の通常国会で成立した海洋汚染防止法の改正法を施行するための政令が決定されました。これは規制の対象となる船のバラスト水の要件等を定めるものです。法の適切な施行に努めて参りたいと考えています。
 若干御報告がございます。去年は渋谷のヒカリエを視察させていただきましたが、9月はオゾン層保護対策推進月間です。オゾン層を破壊し、地球温暖化の原因ともなるフロン類について、できるだけノンフロン製品を選ぶ、さらには漏れを防ぐための機器の点検・修理を行う、そして空調機の廃棄の際の回収を徹底するという取組を、事業者並びに国民の皆様方に今一度御理解をいただきたいと考えています。
 それと今日この後ですが、環境省の概算要求に関する省議を行います。今日の午後、事務方より詳しく内容についてブリーフを致しますが、私からイントロダクションとして4つの柱がありますので、これを御説明致します。
まず第一は何と言いましても、東日本大震災からの復旧、復興です。復興につながる除染の着実な推進、さらには現在進行形で終盤を迎えている中間貯蔵施設の整備と、放射性物質に汚染された廃棄物の処理の加速化です。
二つ目の柱は、循環共生型の地域社会の構築。かねてからお話していますが、2030年に再エネの比率3割を目指すべきであるということを目標として掲げてきました。こうした将来像を見据えまして、いろんな地域がいろんな取組をやってくださっていますが、地域主導で再エネ等の低炭素技術を導入して、循環共生型の地域社会づくりを進める。長崎県の五島列島等ではかなりの取組が進んでいます。また海からエネルギーを作ったり、バイオマスを使ったり、いろんな取組が地方で行われると思います。洋上風力、バイオマス、小水力、こういうものを通じて、資金を地域に還流させて、そこで産業を作ることによって地域の活性化にも資するようにしていきたいと思っています。
三番目では、環境技術の国際展開です。国際的な環境課題への対処において、日本の優れた環境技術をもってリーダーシップを発揮する。途上国の実情に合わせた環境技術や制度を活用し、また人材育成の支援に取り組んでまいりたいと考えています。また、こういう海外需要を的確に取り込んで環境ビジネスを展開することによって、我が国の経済成長にもつなげてまいりたいと思っています。
四番目は、先般詳しく説明をしましたが、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けた取組です。環境負荷の極力少ない大会にしていき、世界最高水準の環境都市・東京を実現し、国内外に示してまいりたい。このようなことが今回の予算の4つの大きな柱です。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)時事通信の斉藤です。今大臣が概算要求のポイントとして挙げられていた2030年の再生可能エネルギーを3割目標とするということですけれども、これについてどのように実現されていくのか具体的にお願い致します。
(答)今、地域としてというお話をしましたが、日本を俯瞰して見ると、やはり今一番皆様方が見られるのは太陽光発電だと思います。環境省が力を入れているというのが先程お話しした長崎の浮体式風力発電。風力発電も現在色々なアセスの申請が来ています。かなり大規模なものも来ています。そういうものを中心にその他には地熱。さらには次の取組として潮流、これはイギリスの方でかなり具体的なものがあります。或いは小水力。それぞれについて最大限の導入を図ることによって、3割目標というものを目指して進んでまいりたいと考えています。それについて具体的にという御質問ですのでお話をさせていただきたいと思います。やはり十分な投資というものが必要ではないかと思っています。今円安ですが、再エネが増えると、化石燃料の量が減り、国富の流出を防ぐことができる。再エネ産業による地域の生産誘発効果も期待できて、国内の資金が回り出す。中山間地域や小さな島嶼部にいくと産業が中々なくて、観光がいいところはあるのですが、役場が一番大きな雇用の受け皿になっています。再生エネルギーというのは、何百人というのは無理ですけれども、それに次ぐぐらいの雇用を生み出す可能性がありますのでそれが地方再生にも役立っていくのではないかと私は思っています。こうした基本的考えの下に、後ほど詳しくお話をしますが、27年度の概算要求の中で水道施設に設置する高効率な小水力発電の開発・実証や、どういうところにポテンシャルがあるのかを発掘していきたいと考えています。また水素。これは今年度からスタートしていますけれども、水素利用の実証。省エネについても、電子機器に搭載されているデバイス(半導体)の高効率化の技術の開発にも取り組んでいきたい。もちろん我が省だけで行う話ではなく、他省とも連携を密にして取り組んでいきたいと考えております。

(問) NHKの大井と申します。水俣病の特措法の関係でお伺いします。水俣病特措法の救済策で、対象者数が確定して近く公表される見通しであるということなのですけれども、この確定をもって救済の終了と環境省として判断されるかどうかということが1点とですね、2点目は今また裁判等が判定されなかった方から相次いでおきている中で、そういった方々、被害者の方々に新たな対応というものをどのように検討されているのかどうか、2点お願いします。
(答)「救済の終了」ということは全く考えておりません。そこは誤解の無いように是非皆様方もお伝えいただきたいと思っています。また、数値については、今日の午後、事務方からブリーフをさせていただきたいと思っています。

(問)朝日新聞の奥村と申します。中間貯蔵施設への搬入開始について来年1月からというお考えを示しておられますが、これからそのお考えに変わりがあるというこはあり得るのでしょうか。
(答)国会でも答弁していますように、大変厳しい日程ではありますが、目標をしっかりと設定してそれを目指して頑張ってまいりたいと考えています。今この件については最終局面を迎えておりますので、しっかりと地元の理解を得ていくということが先決であると考えています。

(問)熊本日日新聞の山口と申します。先程特措法の件で、今までチッソの側が給付する対象が、一時金の給付の対象なのですけれども、3万人を超えているという風に報道をしているのですけれども、この3万人という数字についてどのように大臣、受け止められるかというのをお聞きしたいと思います。
(答)この点は、先程申し上げた通り、正確な数字について、また現状について、15時にブリーフをさせていただきたいと思います。

(問)日本テレビの杜です。よろしくお願いします。広島の災害がれきの件でお尋ねしたいんですけれども、井上副大臣が先週の会見で、技術的そして財政的な支援をするというお話が出ました。広島市の試算によると、撤去に100億円ほどかかるのではないかという話もありますけれども、このあたり環境省としてそして大臣として、どのように取り組むのか、財政的な支援の規模感などあれば教えてください。
(答)現場に入っている職員からも、報告を受けていますが、やはり広島市は大きな市であり、能力が非常に高い。ただ、これだけの土砂であり、がれきも入っているものをどう処理するかのノウハウは、持ち合わせていないので、大島に張り付いていた職員を派遣しまして、アドバイスとして仮置き場についてや仮置き場で分別をし、いいものを再利用しなければならない、そういう行程などについてもアドバイスをさせていただきまして、もちろん時間はかかりますけどもかなり進んでいくのではないかと、そんな報告を受けています。本日で9日経過して、まだ全員の方が見つかっていない、今日も閣議で防災担当大臣からいろいろな話がありましたが、心から本当にご冥福をお祈り申し上げます。前線が停滞していますし、そう簡単にまた、戻れない、いつまた二次災害が起こるかわからない厳しい状態だと思っています。仮置き場は今、昨日一カ所増えて、八カ所になっています。順次受入れを開始しています。こういう形の中で、次の話としては、分別をして使えるものは使う、さらにその倒壊した家屋の撤去ですね、こういうものに対して財政的な支援をしっかりとさせていただきたい。もちろんこれは現場の緊急的な対応が終わってからですので、まだちょっとお話をするには早いのではないか、そこの部分はしっかりと考えるように指示してます。

(問)テレビ朝日吉野です。栃木県の塩谷町が最終処分場の候補地について、水源の保全条例を作るべくパブコメを取り始めていまして、議会も可決する方向で検討を開始していますが、受け止めをお願いします。
(答)それは地方自治なので、地方で議会がどういう条例を作るかということについて、行政府の一部である環境省の責任者がコメントするのは控えるべきと考えています。

(問)下野新聞の鈴木と申します。塩谷町の指定廃棄物の最終処分場の件ですが、住民説明会について地元の町長が、協力拒否というようなことを表明しています。この件について、大臣のご所見と今後の対応について方針があるならば、お教えください。
(答)これも報道されている話ですけれども、25日に井上副大臣が寺島入の候補地を見せていただいて、河川との位置関係や植生をしっかりと確認をしました。その後、役場に参りまして、見形町長に対して、どういう経緯を経てこういうことになったのか、丁寧に説明をさせていただいたという報告を受けています。引き続き、県・町と相談しながら丁寧な説明をさせていただく機会をいただけるように、努力をしていくことしかないのではないかと思っています。