大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年6月3日(火)9:00 ~ 9:10 於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。6月からスーパークールビズがスタートしましたので、総理以下閣僚全員、今日はかりゆしで閣議に臨みました。ちなみに、長袖のかりゆし派は4人でした。
2点、御報告があります。本日の閣議では、原子力規制委員会の平成25年度の年次報告を、国会へ報告することを決定しました。詳細については、事務方に問い合わせ願います。
 また、閣議に先立ち第3回目の国土強靱化推進本部が開催されました。私からは、国土強靭化は災害に強い国作りをしようとするものですが、実際に災害が発生した場合に、3.11の教訓も踏まえ、災害廃棄物処理が平時から地域ブロックごとに対応できる体制を整える必要性があるということで、協議会を作ろうとしており、関係省庁に対しても格段のお力添えをお願い申し上げたところです。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の読売新聞の稲村と申します。よろしくお願いいたします。中間貯蔵施設の住民説明会が5月31日から始まりました。説明会では具体的な土地の補償額を提示して欲しいといった要望や、最終処分場が目途がない中で施設を受け入れることはできないといった反対意見等、様々な意見が出ました。今回の住民説明会について、大臣は国の考え方を直接住民に説明できる点と、国が住民の声を直接聞ける点の2つの面において重要だとおっしゃってましたが、これまでの説明会のやりとりの報告を受けて、国として改めて検討すべき対応すべき点などございましたら、大臣の御所感を聞きたいと思います。
(答)ごもっともな御意見が多いというのが率直な印象です。もちろん土地を持っている方にとっては、先祖伝来の土地を離れなければならないという思いであるのは、当然のことだと思います。また、補償の金額についても、(住んでいた土地を)出ていくのであるならば(具体的に聞きたい)と思われることも当然です。しかし受入れが決まっていない中で、個別の案件について、「今あなたにはいくらぐらいですよ」というような話はできないということを説明させていただき、御理解いただきたいと思っています。政府全体でしっかりと様々な意見を受け止めて、しっかり対応していく。まだ(説明会は)半分も終わっていませんので、これから色々お話を聞かせていただいて整理をしていきます。
(問)最後にもう1点。リニア中央新幹線の環境影響評価書に対する環境大臣意見がまもなく示されると思います。大臣は実際山梨県の実験線を視察した際にトンネル工事に伴う残土置き場の確保や地下水の増える影響などが重要な点になるとおっしゃっておりましたが、改めて審査のポイントと意見書の検討状況について教えていただきたいと思います。
(答)あんなにもトンネルが多いとは正直思っていませんでした。山梨の実験所の区間では富士山が少し見えるそうで、その富士山をどう見せるのかという工夫をされている。それと裏表になるのですが、トンネルが8割以上ということで、その掘削によって発生する土砂は、それこそ前段の御質問がありました中間貯蔵施設の容量の約3倍という莫大なものです。こちらの最終処分も決まっていませんし、まだ仮置き場も決まっていない。ここは一つ大きなポイントなのではないかと強く感じています。また、山梨に行ってもわかるように、かなり山深いところを走っており、長野県では南アルプスの国立公園の下を通ります。これは新幹線の工事でも顕在化しましたが、やはり水脈によって河川の水位に大きな影響がある。この水脈から出てきた水をそのまま簡単に河川に戻す訳にもいかないので、そういう処理も考えていかなければならない。いずれにしても、法に定める期限が6月7日ですので、今週中には意見を申し述べたいと思っています。

(問)TBSテレビの阿部と申します。福島の中間貯蔵に関連して、仮置き場のことで1つお伺いします。TBSは今月仮置き場について福島県内全ての市町村に取材したところ、県内の仮置き場の数は合わせて738箇所で、住宅などの敷地内に置かれている現場保管は少なくとも51,000箇所にのぼっています。去年12月の県の調査に比べて仮置き場は60カ所、現場保管は10,000箇所近く、大きく増えていますが、この保管の状況について大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)除染を進めれば、除染によって廃棄物が出る。廃棄物が出る以上はその現場にとどめるのではなく、出来る限り仮置き場に搬入する。その結果、御指摘されたような数字になっていると認識しています。その上で、福島全体のことを考えると中間貯蔵施設にそれらの廃棄物を運び、集中して管理していくということが前内閣から踏襲した方針です。中間貯蔵施設の建設に向けて、地元の皆様方の御理解を得て1日でも早く、今、仮置き場にある廃棄物を中間貯蔵施設に移転していくことに環境省をあげて全力で取り組んでいきたいと考えています。

(問)ブルームバーグの渡辺といいます。米国で昨日ですが、オバマ政権が国内の発電所から排出される温室効果ガスを削減するという目標を発表したのですが、この米国における取組の評価についてお伺いしたいのと、その温暖化対策関連の国際交渉に与える影響についてもお伺いしたいのですが。
(答)昨晩のEPAの決定はインターネットで見ましたが、正直に言って「かなり踏み込んだな」という印象を持ちました。各州ごとに発電部門の目標を設定し、(全体で)2005年比で2030年に3割削減する。私もアメリカはいろいろと歩いたこともありますが、場所によっては石炭火力に依存している州もたくさんありますし、そこでは石炭産業が基幹産業にもなっている。最終決定は来年の6月ですが、地球全体のことを考えるとこのEPAの目標に向かって一歩でも二歩でも前進していくことを、期待したいと思っています。
(問)追加なのですけれども、今、大臣がおっしゃった石炭についてなのですけれども、石炭から出る温室効果ガスというのは非常に多いものであって、この場合は他の国も削減をしないと効果がないといわれているのですが、その中で日本というのは海外における石炭火力のプロジェクトに融資を続けていて、先日もNGOの団体が4月なのですが、オバマ大統領が来日の際にその石炭融資低減をするように要請もしております。このことに対する政府のお考えをお聞かせいただきたいのですが、その石炭融資に対する方針というのは見直す考えはないのか、そのあたりをよろしくお願いします。
(答)石炭融資なるものがどの案件を指しているのか承知していませんが、これは環境省の所管ではなく、海外の融資は財務省等の関係省庁が行っています。個別の案件についてどうするかということは関係省庁へお問い合わせいただきたいと思います。