大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年4月1日(火)8:41 ~ 8:48 於:(衆)本会議場議食側廊下ぶら下がり)

1.発言要旨

本日の閣議では、当方に特段関係する案件はありませんでした。私から2点御報告します。

平成25年度末時点で、当初の計画どおり、楢葉町、川内村、大熊町について除染が終了したことを御報告します。また、既に除染が終了している田村市については、本日、避難指示が解除されました。今後は、事後モニタリング等を行い、除染効果の維持を確認するなど、復興に向けてしっかりと取り組んで行く所存です。その他の市町村についても、見直した計画どおりに終了するよう、加速化策を総動員し、着実に除染を実施します。

ここから先が新しいところですが、国道6号線の除染。今後ますます福島の復旧・復興にとって重要となる主要幹線道路です。浜通りの拠点道路といっても過言では無いと思っています。県や市町村より除染の要望を受けておりますので、現行の交通に配慮しつつ、除染を実施することとしました。区間は富岡から双葉の帰還困難区域です。

もう1点、災害廃棄物等の処理についてですが、平成25年度末時点で、楢葉町、川内村、大熊町の3町村については帰還の妨げとなる災害廃棄物等の仮置場への搬入を完了しました。また、南相馬市についても目標通り、一部を除き搬入をしたところです。引き続き、その他の市町村についても早期撤去並びに仮置き場への搬入にできる限りの力を注いでいく決意です。

もう1点、明日、イラン・イスラム共和国のエブテカール副大統領兼環境庁長官との間で、環境協力に関する覚書に署名することとなりました。昨年11月のCOP19の際に、エブテカール副大統領兼環境庁長官とバイ会談を行った際にも、御要望があった件です。今後、JICA等の関係機関と連携しつつ、大気汚染・水質汚濁・気候変動等の分野において、両国間の環境協力を進めていきたいと思っています。昨年の会議の際には、越境大気汚染について真剣に考えていきたい、そんなものを一緒にやらせていただきたい、こんな御要望があったことが印象に残っています。

御紹介なのですが、環境省としても女性を積極的に登用しているということで、この4月1日から、秘書官に速水香奈さんが着任しました。平成18年入省です。(今国会には)鳥獣保護法の一部改正案を提出していますが、彼女はその専門家です。

2.質疑応答

(問)フジテレビ加藤といいます。よろしくお願いします。IPCCの昨日報告が上がりまして、その事についてお伺いしたいのですけれども、貧困などの影響で大きな紛争が出るですとか、温室効果ガスを排出・削減するだけではなくて、適応策も積極的に推進しなければいけないという厳しい指摘があると思います。環境大臣として御所見をいただけますでしょうか。
(答)大変御苦労いただき、48ページに上るサマリーを取りまとめられた事に、深く感謝をしたいと思います。御質問にあったとおり、今回の報告書では、既に気候変動の影響が現れているということが、今まで以上に断定的な書き方で明記されていると思っています。今回は多くのリスクの中から、島嶼国等で大きな被害を及ぼしている海面上昇とか、人間の健康、食糧安全保障の問題など、新たなリスク、8つの分野について示されたことが大変印象に残ったところです。また、こういうリスクをもとに、気候変動が人間社会や生態系に与える影響について、リスクの高低の評価がされたことは、大変意義深いと思っています。気候変動問題が科学的な観点から深刻であるということが示されたと受け止めています。国内外の気候変動対策について、喫緊の課題であると、「もう、待ったなしなんだ」、そういう思いを持って、これからも取り組みたいと思っています。

(問)NHKの成澤と申します。今日の閣議分からですね、閣議の議事録が公開されることになっていますが、今日の閣議、閣僚懇後に何か変わったことがあったのかということと、閣議、閣僚懇の議事録を公開することに大臣がどのように思われているかお聞かせいただけますでしょうか。
(答)これは3週間後に官邸のホームページにアップするということですが、130余年の歴史の中でこれまでなされてなかったことです。情報公開の流れの中で、国民の皆様方に、閣僚が、また総理がどういう話をしているのかを公にすることは、私は好ましいことだと認識しています。発言は気をつけていきます。
(問)何かこれまでと変わったことは特に無かったでしょうか。
(答)閣議の内容については、公開になるとはいえ、閣議の直後の会見でもあり、また他の閣僚の発言については、それぞれの閣僚の責任において、発言したことです。今日、私は発言がありませんでしたのでコメントは差し控えたいと思います。

(問)熊本日日新聞の高橋と申します。昨日ですが、熊本地裁で水俣病の損害賠償訴訟がありまして、国の責任を認めて1億円程度の賠償を命じる判決が出ました。これについての受け止めをお願いします。
(答)判決文が非常にボリュームがありますので、夕べから事務方を督励して、我々の主張とどこに齟齬があるのか、また環境省だけではなく、法務省、熊本県、いろいろ関係者がありますので、精査をさせて、しっかりとしたコメントを発出したいと思っています。今のところではコメントは差し控えたいと思います。