大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年3月18日(火)9:01 ~ 9:08  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

おはようございます。本日の閣議では、特定外来生物被害防止基本方針の変更について決定しました。昨年6月の外来生物法の改正を踏まえたものです。一つ例を出しますと、千葉県で発生している事案ですが、アカゲザルとニホンザルの交雑種などを、特定外来生物に指定する際の基本的な考え方などを追加したものです。この基本方針を踏まえ、改正外来生物法の施行に向けて――本年6月頃を予定しておりますが――政省令の整備等の準備を進めていきたいと考えています。私からの報告は以上です。

2.質疑応答

(問)日経新聞の浅沼です。よろしくお願いします。昨日、環境省が推進する温暖化の影響評価についての研究報告書が公表されました。今世紀末にですね、日本の平均気温が6.4度、最大で上昇し、災害や農業、健康など幅広い分野で影響が出ることについて、大臣の受け止めを教えて下さい。
(答)この研究のクレジットは環境省と報じられていましたが、茨城大学をはじめ、28機関、93名の研究者の方々が、研究者の立場で、研究成果を取りまとめたものです。それによると我が国でも将来、防災あるいは食糧の生産等、様々な分野で気候変動の影響が現れるということが明らかになってきたという御報告で、今御質問があったような数字が出ていたと思います。環境省としてこれをどう受け止めるかということですが、学者の皆様方からの警鐘と受け止めて、我が国の温室効果ガスの排出削減と気候変動への適応の取組を一層強化していく糧にできればと思っています。一方、中央環境審議会においても、気候変動が日本に与える影響及びリスクの評価について、今現在議論を行っています。この研究の結果も有用なものとして活用できるのではないかと思っています。来年夏の政府全体の適応計画策定に向けて、これら様々な研究者の皆様方、あるいは中央環境審議会等の意見も踏まえながら、取組を進めていかなければならない。そういう問題だと捉えています。

(問)NHKの横井と申します。よろしくお願いします。明日、札幌市でゼニガタアザラシの保護管理を話し合う検討会が開かれると伺っております。ゼニガタアザラシは絶滅危惧種である一方で地元では漁業被害も指摘されていますけれども、今後のゼニガタアザラシの保護管理をどのように進めていかれるのか大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(答)環境省としては、絶滅危惧種を保護していく、という基本的な立場は私は変えてはならないと思います。ゼニガタアザラシが漁業に様々な悪影響を及ぼしているという話は伺っていますが、やはり種の保存ということは環境省に課せられた重要なテーマ、責務だと考えています。一方でこのゼニガタアザラシですが、これまでの調査結果をまとめてみますと、えりもという地域において個体数が増加してきている事実は間違いなくあると思います。その結果、環境省として、絶滅危惧種としての再評価が説明をしていく上で必要なのではないか。今後再評価に必要なデータを収集し、2年以内、平成27年度末までにどの程度の状態になっているのか再評価を行うということが決まっています 。
(問)重ねて1問、訪ねたいのですけれども、レッドリストに載っている絶滅危惧種について個別の種に対して再評価を行うということは異例の対応だと思いますけれども、こうした対応を決められた理由として例えば地元の漁業被害への御配慮があったのかなど、どのようにこういった対応を決められたのかということも併せてお聞かせ下さい。
(答)冒頭で話したとおり、絶滅危惧種を保護することは環境省の基本的なスタンスだと思います。そんな中で著しく個体数が増加することによって生態系に変化を及ぼすようなことがあっては、これもまた本末転倒である。そういう意味で再評価をする。ですから再評価の結果どうなるかということは今の段階ではまったく白紙ですし、基本的なスタンスは、絶滅危惧種は保護するということに変わりはありません。

(問)共同通信の角です。よろしくお願いします。福島県の中間貯蔵の関係で1点質問させていただきたいのですけれども。先週金曜日の会見で大臣が今月中に国の見直し案を県に提示できるのではないかという御発言をされたと思うのですけれども、その後に週末日曜日に福島県へ行かれて佐藤知事と同席される場面もあったと思うのですけれども、ある程度会話されたと思うのですけれども、その中で今月中に出せるであろうという大臣の思い、見通しについて何か変更するような内容の会話というのはあったのでしょうか。
(答)極めて短時間でしたので、「取りまとめたら御挨拶に伺いますのでよろしく」と言いましたら、知事はJ3のチームの観戦ですごく寒かったのですが、「はいはい」と笑顔で応えていただいたという程度です。その後私は次の所へ移動してしまいましたので、この件についてはそれだけです。