大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成26年3月7日(金)8:35 ~ 8:45 於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

皆さんおはようございます。本日の閣議では、当省に特段関係する案件はありませんでした。私から2点御報告します。既に報道されていますが、3月5日に慶良間諸島国立公園が指定され、地元の皆様方に大変好評を得ています。連日、様々なマスコミにも取り上げていただき、心から感謝を申し上げます。明日、土曜日ですが、沖縄県、渡嘉敷村、座間味村との共催で那覇市内で記念式典を行うことになっています。翌9日には、渡嘉敷村と座間味村で記念行事が開かれ、いずれも私は出席させていただきます。慶良間は私は若い頃から何度も訪ねているところですが、多様なサンゴ、またこの時期はザトウクジラの繁殖区域ということで、これらを見ることができます。他の公園にはないほどの、大幅な海域の規制強化、これも地元の皆様方の御理解を得た上で、行うことができました。国立公園の保護と、地元にとっては観光客の方が来ないと生計が成り立たないこと、このバランスをとることが重要です。地元の方々の御理解と御協力なくしては、できなかったものだと重ねて考えています。これからも自然を保護しつつ、地域の活性化に役立っていければと思っています。これまでにも何度もいろいろな方とお話しましたが、いよいよ国立公園に27年ぶりに指定されて、自然保護や地域振興への取組、指定の喜びをともに分かち合いながら、今後の保護管理に向けた環境省としての意気込みをレンジャーの皆さんとともに伝えていきたいと考えています。

2点目ですが、これは昨年報告をしましたが、福島県における、イノシシ、イノブタ等の捕獲事業が先月末で終了しました。その結果を御報告したいと思います。帰還困難区域、居住制限区域内では、イノシシなどの農地の掘り返しや家の中への侵入といった被害が続出していました。結果、捕獲目標の200頭のところ、204頭を捕獲することができました。うち、イノブタは73頭です。26年度の4月以降も速やかに捕獲事業を再開したいと思っています。鳥獣被害、今国会でも法案提出を予定していますが、被災地での鳥獣被害というものにも引き続きいて環境省は取り組んでいきたいと考えています。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の日経新聞の浅沼です。よろしくお願いします。東日本大震災からまもなく3年を迎えます。原発事故の発生で環境省は除染や中間貯蔵施設に取り組むなど大きな転機になりました。政権交代以降、福島の復旧復興を最優先課題としてですね、引き続けておりますが、これまでの取組に対するですね、大臣の御評価と、今後取組を加速させるために何が必要か、課題を教えて下さい。
(答)昨年は2年目ということで、式典にも出席しましたし、その後も福島にはできる限り、機会があるごとに訪ねています。その中で、環境省としても一つの目安としての3年間が終わるということで、廃棄物処理や除染、これまで全力をあげてきましたが、至らぬ所はこれからも気を引き締めて、ニーズを汲み上げてやっていかなければならないと思っています。お陰様で、岩手県と宮城県の災害廃棄物の処理については今月中、年度内に全て終了となりました。福島県においても、若干他の2県には遅れてはいますが、帰還の妨げとなる廃棄物の処理など着実に進めていかなければと思っています。今、御質問のありました除染についてですが、川内村、楢葉町、大熊町では今月末に計画に基づく本格除染が終わる見込みです。除染のために、必要不可欠な中間貯蔵の整備について、大きな宿題を県のほうから先月いただきましたので、できる限り早くとりまとめて県にお答えしていかなければならないと考えています。震災からの復旧復興に向けた道のりは決して平坦ではない。私も去年の夏、野田村とか岩手のほうから南下して歩いたのですが、一番の問題と感じたのは仮設住宅です。町によっては高台移転をしようという考えと、一部町が残っていますと、やはり昔のとおりにそのまま建て替えたりですね。やはり仮設住宅の環境というものは、3年経って必ずしも住まれている方には快適ではないというのが率直な印象ですので、真剣に政府をあげて、また地元の皆様方と協力して進めていく。復興住宅の計画はだいぶできていますが、着工率がまだなかなか上がってきていません。やはり印象に残っているのは、ある方が戻ってきて「石原さん、ここが家なんですよ」ということです。このことは政府をあげて、1日も早い復興に進めていけるよう全力で取組んでいきたいと、3年経って考えています。

(問)朝日新聞の石井ですけれども、石原大臣、衆議院予算委員会でですね、辺野古とか大浦湾について「守るものが何もない」というふうな発言をしたというようなことを聞いているのですけれども、この発言の真意についてお伺いできますでしょうか。
(答)分科会の発言かと思います。議事録が手元に無いのですが、生物多様性の保全は大変重要であると。現地に私も何度も行っていますが、専門家で構成されている科学委員会がユネスコの基準を踏まえて検討した結果、世界自然遺産候補地として4地域が設定されていますが、辺野古と大浦湾はその中には入らなかった。すなわち、ユネスコの基準に照らし合わせて、世界でそこだけというような生態系は無かったということを私は言ったと思います。議事録が無いので詳細にはわかりませんが、そういうニュアンスで言ったと記憶しています。
(問)御存じのように国の天然記念物のジュゴンが生息していて、絶滅危惧種に指定されていると思うのですけれども、このことについてはどう考えますか。
(答)そういうことではなくて、先ほど話しましたように世界遺産の話だと思っていましたので、世界遺産に登録されるには、絶滅危惧種の動物がいる、いないということではなくて、世界の中でそこだけにしか存在し得ないという基準がありますので、そういうものはそこにはありませんという話をしたのだと思います。

(問)西日本新聞の重川といいます。これまでも何度か御質問させていただいたのですが、現在検討中の水俣病認定基準の運用指針についてなのですけれども、検討のきっかけとなった昨年4月の最高裁判決についてですね、大臣は当時の閣議後会見で最高裁は基準の運用に問題があるということを指摘しているわけではないとおっしゃっているのですけれども、その後いろいろな識者から様々な意見が出されていると思うのですが、このときのお考えに今もお変わりはないのかということに。
(答)変わりはありません。
(問)1点重ねて御確認なのですが、現在検討中の指針というのは基準をよりわかりやすく具体化するためのものであって、基準を緩めるというか救済の枠を広げるというものではないということでよろしいでしょうか。
(答)昨年末からこの質問はずっと出ています。準備ができしだい総合的な検討のことを先方に通知していかなければならないと思っています。もう間もなく準備が整いますので、整った後に内容については事務方から詳細にブリーフをいたします。