大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・牧原大臣政務官記者会見録(平成25年11月7日(木)9:43 ~ 9:58  於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)おはようございます。まず私のほうから大島の件について、御報告をいたします。11月3日に台風26号で被災した伊豆大島を訪問し、現地の状況を確認するとともに、大島町長とも面会をし、災害廃棄物の処理における課題についてお聞きをいたしました。さらに、東京都とも今後の支援等について意見交換を行いました。島内での一般廃棄物の年間処理量は約4千トンのところに、災害廃棄物は約3万トン、そして土砂が約8万トンの計11万トンが発生をしております。質・量ともに、島内で全てを処理することが困難な状況にあります。大島町、東京都と一緒に、島外での処理を含めた災害廃棄物の処理方針について協議をしているところであります。その中で、例えば、島外への輸送が必要になった場合における東日本大震災の広域処理で活用した専用コンテナの利用や、環境省職員による積極的な支援など、提案をしてきたところであります。また、環境省といたしましては、財政支援として災害廃棄物の処理費について、災害等廃棄物処理事業費補助金、1/2補助ですね、に加えて総務省の特別交付税等により実質9割を支援することが可能でありますので、そういった財政支援も考えてまいりたいというふうに思っております。私からは以上です。

(政務官)2点。1点目は、三陸復興国立公園というものを、11月4日に宮古地区を中心に視察をさせていただきました。宮古の山本市長と意見交換をした後、旧中の浜野営場跡、みちのく潮風トレイルの候補路線を自分で歩く、あるいは、浄土ヶ浜のバリアフリー歩道等を視察させていただきました。うち、中の浜地区というのは、被災したキャンプ場を災害遺構・防災教育の拠点として再整備を進めているという非常に意欲的なプロジェクトですが、津波の脅威を実感できる工夫をもう少しこらすべきではないかという指示をさせていただきました。今回見させていただいて、こうした三陸復興国立公園やみちのく潮風トレイルといった取組が、復興に大きく貢献するのではないかということを改めて実感をさせていただきました。今度アジア国立公園会議第1回が開催されますけれども、そのフィールドエクスカーションでもこの宮古地区をはじめ三陸沿岸各地区を訪問していただくことになっておりますので、こうしたことをみていただくと、またこの国立公園の意義も実感していただけるのではないかなと思いました。環境省としては今後とも地域の自然を活用して、三陸復興国立公園を核としたグリーン復興プロジェクトを着実に進めていきたいと思っておりますので、またできるだけ多くの方にこの地区に足を運んでいただきたい。このように考えています。
2点目は、今週の9日の土曜日ですが、鹿児島県奄美市において「奄美群島日本復帰六十周年記念式典」が開催されます。この式典は、奄美群島日本復帰六十周年記念式典実行委員会が開催するものですが、環境省に御招待が来ましたので、私のほうで出席をさせていただきます。奄美群島では国立公園の指定や奄美・琉球世界自然遺産登録といった取組があって、これに環境省が深く関わっているということで出席をするということになった次第でございます。国立公園指定や世界自然遺産登録については、地元自治体、地域の皆様と力を合わせて進めていくことが重要であると思っておりますので、今回の出張を機会に地元の皆様とも積極的にお会いをし、相互の理解を一層深めていきたいと思っておりますし、また、自然の現場も視察をさせていただきたいと思っております。詳しくは事務方から資料を配付させていただきます。以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の神田です。井上副大臣、先週東京電力の副社長がいらっしゃいまして、また今週、報告を求めていますけれども、その日程的なスケジュールと、あとその除染の費用に関して、自民党のほうでですね、国での一部負担というのがそういう方向で議論をされていますけれども、そこらへんと合わせてどのように東電に除染費用の負担を求めていくのか、お聞かせお願いします。
(副大臣)まず東電の求償の件ですけれども、先週金曜日以降再三ですね、今週回答をするようにということを求めてまいりましたが、東電側の都合で今週中は難しいということで、残念ながらでありますが、ただまあ遅くとも来週中にはしっかり回答を持ってきてもらいたいと引き続き要請をしているところです。党側の提言のことに関しましては、これはまだ政府としては正式に受け取っているわけではないので、現時点ではコメントは控えたいと思っております。しかし、少なくとも今の特措法の制度の中で、国は除染を東電に求償し、東電はそれを支払う義務があるわけですから、当然のことながら今の制度に則って、我々はそれを請求していくということだと思っております。

(問)政務官、来週からCOPが始まりますけれども、その中で削減目標と合わせて、外交戦略の表明というのもあるわけですが、環境省としてその外交戦略の中で力を入れていきたい施策はどのように考えているのでしょうか。
(政務官)今朝の報道等でも攻めの外交戦略、環境政策というのがあったのですけれども、ここはまだ検討中でございます。ただ一般論として、環境省としては、私たちの日本で行っている取組というものは非常に先進的ですので、こういうものを御報告したいと思っております。また、全ての国がきちんと参加する、特に中国やアメリカといった大変排出量の多いところがございますけれども、そういうところも含めて全ての国が参加をしていただくと、こういうところをしっかりと力を入れていきたいと思っております。

(問)共同通信の角と申します。井上副大臣にお聞きしたいのですけれども、先週金曜日の会見の時に期限を区切ってはどうかという質問をした時に、井上副大臣は期限というならば来週中だというふうにおっしゃったと思うのですけれども、東電がどのように言っているのかはわかりませんけれども、要するに期限を切った今週中は無理ですと言ってきているわけですよね。それについて、では来週中には必ず出すと言っているのか、あるいは今週が無理なら来週というように環境が言っているのか、あるいは期限を切ったのだからそれに間に合わないのであればこちらとしては手続きを進めるぞという、スタンスなのか、どういうスタンスなのでしょうか。
(副大臣)私が先週金曜日にお会いした石崎副社長さんも福島の復興本社の社長もやられていて通常福島にいることが非常に多いということで、物理的に時間がとれないというお答えでありますので、そうであれば残念ながらですけれども今週中というのが難しいということも致し方ないのかなと思っております。ただ、そういう物理的な理由であれば来週中には少なくともちゃんと回答してもらわないと困るということであります。これはなにも環境省だけが言っていることではなくて、会計検査院の指摘もありますし、あるいは国会でもいろいろな委員の方が環境省と同趣旨のことでありました。自民党の部会でも同様です。ですから、やはり当然のことながら自らの義務を果たしてもらわなければ困ると。
(問)当然これまでも早く出せというやりとりをずっと続けていらっしゃって、検査院の指摘もあったりした中で先週末にああいうかたちで強く東電に求めて、井上副大臣も強い思いでああいう会見をされたと思うのですけれども、それを物理的に時間がとれないからやっぱり無理ですと言われて、そうですかというとこれまでと何も変わっていないように見えるのですけれども。そこはどうなのですかね、そもそも物理的に時間がとれないとか、では何で来るのだとか、石崎さんが無理だったら他の人が来ても良いと思うのですけれども、東電として責任を果たそうとする姿勢が全く見えないと思うのですが、それについて何か、もうちょっと強いアクションをとらないのですか。
(副大臣)そういう意味では私も大変遺憾に思っております。ただ他方で石崎副社長も福島の復興のために福島に通っているということで、物理的にとれないということであれば、それはもう残念ながら致し方ないかなと思っております。ただ、先週金曜日に申し上げたように、本来であれば今週中ということで、その時の回答が不十分であれば何らかの他の処置も考えざるを得ないと申し上げましたので、そこは変わっておりません。どうしようもなく来週まで回答が延びましたけれども、その回答をいただいて不十分であれば別の措置を考えざるを得ないと考えております。
(問)来週もやっぱり時間がとれませんと言われたらどうするのですか。
(副大臣)それは仮定の話なのでわかりませんが、さすがにもうそんなことはないと信じています。

(問)NHKの土井ですけれども、石破幹事長のほうの除染を含めた、長期的に被ばく線量を1ミリシーベルト以下に下げるという目標について、見直すことも検討すべきではないかという御発言が何日か続いているというところであると思うのですけれども、副大臣として現在の除染も含めた濃度値も含めた年間1ミリシーベルトという目標をすべきかどうかということについての副大臣の御所感というか、現状どういうふうに考えているかということをお聞かせいただけますか。
(副大臣)石破幹事長がいろいろとおっしゃっているということは、それはそれで。政府として環境省としてはやはり長期的に1ミリシーベルトという目標を変えるつもりはありません。ただ、これはあくまで長期的な目標であって、その間の中で防護措置もそうですし、あるいは帰還のレベルであったり、あるいは除染のレベルであったりと、いろいろなことがありますから、その中でどれぐらいの基準で何をやっていくのか、どこまでやっていくのか、ということについてはやはり柔軟にいろいろ考えていかなければならないと思います。
(問)長期的なところで最終目標としての1ミリというものを取り下げるべきではないというお考えだという認識でしょうか。
(副大臣)それは現時点でそのようなことをずっと言ってきていますし、私自身もそう思っています。

(問)1ミリシーベルトの問題なのですけれども、長期目標というのはあくまで長期目標なので変える必要がないというのはもっともだと思うのですけれども、一方で除染というのはあくまでも帰還が目的だと思うのですけれども、住民の皆さんの帰還の目標値として、1ミリシーベルトとして地元とでは理解されている節があると思うのですけれども、それをなんとかしてほしいという意見が多いと思うのですが、この間の自民党の環境部会でも伊達市長が5ミリシーベルトとかいう目標値を出してほしいというようなことをおっしゃっていたのですけれども、環境省としてはそういう除染の長期目標とは別に帰っても良いよという目安を作るという方向はないのでしょうか。
(副大臣)これは縦割り的で恐縮なのですが、帰還目標のレベルについては環境省ではなくて、内閣府の支援チームのほうでやられていると思いますので、そちらのほうにぜひお聞きになってもらいたいと思います。