大臣談話・大臣記者会見要旨

田中副大臣・秋野大臣政務官記者会見録(平成25年5月15日(水)11:40 ~ 11:51 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(副大臣)どうもみなさん、お世話になります。
4月28日から5月2日まで、アジア国立公園会議等に関するハイレベル協議のため、スイス及びフランスを訪問いたしました。スイスでは、国際自然保護連合(IUCN)本部を訪問し、事務局次長らと協議を行いました。また、フランスでは、国民公園「日仏文化交流事業」のためパリ日本文化会館とヴェルサイユ宮殿を訪問し、関係者とハイレベル協議を行いました。
今年の11月に仙台で開催される「第1回アジア国立公園会議」は、環境省とIUCNが、アジア地域の国立公園等の関係者が集まる初めての会議として開催するものでございまして、減災・復興に対する保護地域の役割や生物多様性保全に対する保護地域の役割等について議論が行われる予定となっております。今回の協議を通じて、こうした会議のあり方について、IUCNに全面的に協力していただけることを確認いたしたところでございます。
国立公園の制度は、国によって異なりますけれど、世界一律のルールがあるわけではございません。我が国の優れた取組を広くアジア各国に向けて情報発信すること等によりまして、アジア地域における国際連携に向けてリーダーシップを発揮していきたい。こういう思いでございます。
また、日仏文化交流事業では、本事業の推進及び日仏二国間の協力関係について協議し、来年秋にヴェルサイユ宮殿で予定している菊展示の成功等に向けた協力は日仏二国間協力にとって重要との認識で、パリ日本文化会館及びヴェルサイユ宮殿と合意をいたしております。なお、皇室ゆかりの菊栽培技術の継承が重要であることから、継承できる人材の確保等に関し関係機関とも協力して取り組んでまいりたいと思っております。
ヴェルサイユ宮殿そしてその庭園は、世界一の観光客の来る場所で、圧倒的に世界の外国人の訪問の多いポイントになっております。その大変良い場所で、菊の大作りというのですけれど、秋に新宿御苑で展示がしてございます。一本の茎から数多くの菊を咲かせるという大変な技術なのですが、これを中心にして来年展示ができればと。そして展示をするときにはセレモニーを含めて日本のアピールをきちっとできるようにしていきたい。こういう思いでございます。
パリの日本文化会館に参りまして、竹内館長をはじめいろんなお話をしましたが、特に国立公園の富士がいよいよ文化遺産として登録をされる流れになってまいりますので、是非富士に関しての資料等を展示していただきたいというお願いをし、大変素晴らしい大山行男さんという写真家の写真出版物等がございますので、私も早速外務省を通じて贈らせていただいたところでござじます。
全くの余談ですけれども、文化会館にあるテレビは残念ながら外国のテレビが置いてありました。早速、茂木経産大臣のほうに話をしまして、日本の素晴らしいテレビをなんとか早くパリの文化会館に置いていただくよう、手配してもらいたいということで、何か御調整をいただいていると聞いております。余談も含めて御報告をさせていただいたところです。以上でございます。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の共同通信の渡邉です。よろしくお願い致します。今の御報告にも少し関連していますが、三陸復興公園の指定も近づいておりまして、視察の成果なども踏まえて、世界的にやっぱり注目される取組になるのかなと。復興公園自体も、思うのですけれど。指定が近づいていることに向けて意気込みとかございましたらお願いします。
(副大臣)3.11、これだけの大自然災害が起こって、しかも甚大なる被害となりました。人的にも自然生態系も含めて大変なことになっているわけですけれども、今回仙台でアジアの会議を持つという意味は、他の国々、インドネシアを含めていろいろと他の国々でも自然災害というのは大変なものが有るわけでして、そういったこともお互いの共通認識として、我が国の三陸復興国立公園については、我々の思い、地元の皆さんの思いを含めて、アピールしてシンボル的なものとして扱っていければと思っております。我々も充分な準備をして参りたいと思っております。
(問)もう1点、環境白書が近く公表されることになりそうで、今日は党のほうの部会で大筋了承がありまして、副大臣も行政の立場で御参加されていたと思うのですけれども、白書で強調したいこととか、そういうことございましたらお願いします。
(副大臣)白書はまだ完成品ではなくて、公明党さんや我が自民党のほうもいろいろ意見を聞きながら、了承と言いつつも、まだ完成品として調整しなければいけないところもあるんだろうと思っております。白書のポイントというのは、なんと言ってもやはり3.11以降の状況の中で我々は取り組むということ、しかも環境政策については後退することなく前に向かって積極的に対応していく。こういうことでございまして、国民の理解を得ながら、震災の復旧・復興、更に従来からの環境施策というものを更に力を入れていく、こういう二面性を持って特徴させていただいてると認識しております。

(問)NHKの間嶋です。さっき菊の話がありましたけれども、もし来年やろうとすれば初めての試みで、背景というかこういう話がでた何かバックグラウンドみたいものがもしあればお聞かせいただきたいのですけれども。
(副大臣)ヴェルサイユの庭園と新宿御苑がいろいろと情報、あるいは技術面等で交流があるということはご存じかもしれませんけれど、そういう中にあって日本のいわば、桜と並ぶ国の花でございまして、この菊を是非日本の文化あるいは美、ありとあらゆる角度で展示したらどうかということにいろいろな経過の中でなりました。新宿御苑というのは実はフランス風の庭園というのがあるのです。過去にフランス人の方の設計によって造ったはずなのですが、歳月が流れてフランスの方達の専門家から見れば、フランス庭園らしくないと。木のカットの仕方だとか、配置のあり方、椅子の設置等がです。このようなこともフランス式というならば、こうしたらどうですかというようなヴェルサイユの庭の管理をする庭のトップの方達からいろいろな御提案もありますし、私たちも菊という大変な我が国のシンボル的な文化であり、美をヴェルサイユで飾っていくことによって日仏との関係もさることながら相当良い意味でのアピールができるのではないかなと。舞台作りだとか、どういうセレモニーをやるかとか、こういうことは今後やらなければなりませんし、もう一つ一番重要なことは技術者です。新宿御苑でしか日本ではやっていない種の保存だとか、いろいろとレベルの高い菊の管理をやっているわけですが、日本そのものに今国家公務員として一人しかいないわけでして、どうやってフランスに技術者を派遣をしていくかという問題ですとか、フランスのほうでも当然菊について知識としてはまだまだ不十分ですから勉強して頂かなくてはならない部分も十分あるわけでございまして、こういう人の面で仕事が相当あるのだろうなという思いもございます。ただ、来年の秋、見事な成功に導いていきたいなという気合いが入っているところでございます。