大臣談話・大臣記者会見要旨

井上副大臣・齋藤大臣政務官記者会見録(平成25年4月18日(木) 18:00 ~ 18:13 於:合同庁舎5号館25階会見室)

1.発言要旨

(政務官)皆様お疲れ様です。水俣の行政訴訟最高裁判決につきまして、本日、判決の政策的な観点からの受け止めと対応につきましては、南川次官から御説明したとおりでありますので、私のほうから繰り返しはいたしませんが、一言。今回、公健法に基づく認定を受けることが確定しました原告の方、及びその御遺族の方には、当時、水俣病の被害の拡大を防止できなかった責任を改めて痛感いたしまして、この場をお借りして、心からお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。

2.質疑応答

(問)幹事社・朝日新聞の小林です。先ほどの水俣病の関係なのですけれど、基準の運用の在り方について、指摘がされたような形になっていますけれど、今後、どう見直していくのか、あるいは見直される可能性があるのか、その辺のところをお願いします。
(政務官)これも今日、事務的に御説明をさせていただいた話ではありますけれども、今回の最高裁の判決で、52年の判断条件そのものが否定されたとは、我々、認識していないものでありますので、これからは最高裁の判決を踏まえて、文字どおり認定基準の運用を、最高裁の判決を踏まえて、より一層、適切に行っていくべきであろうと考えておりまして、そうしていきたいと考えております。
 ただ、具体的には、県ともよく相談をしながら進めていく必要があると思っておりますので、判決をよく読みながら考えていきたいというのが、現時点での我々の考えです。

(問)午前中、南川次官も、できるだけ早く検討されるということでしたけれど、目途といいますか、5月1日には式典も迫ってますけれど、その際に発表されるであるとか、どのように。
(政務官)まだ、これから県と相談するので、いつとは言えませんけれども、当然、そういうことも念頭に置きながら、考えていかなくてはいけないだろうなとは思っております。

(問)NHKの横井と申します。今回の判決で、これまでの行政の審査で水俣病と認められなかった方が、司法で救済されると認められたことになるわけで、行政の審査では、2人に関しては少なくとも見落としがあったということになるかと思うのですけれども、それでも、これまでの審査というのは見直しはされないのでしょうか。
 この判決に基づいて、行政の審査でこれまで棄却された方の見直しというのは行わないのでしょうか。
(政務官)過去に、認定されなかった事例についてということだろうと思いますけれど、今回の判決では、先ほど申し上げましたように、認定の基準そのものが判決によって否定されているというふうには考えておりませんし、かつ、今回の判決は、法制度に関わる事項のみが判断されておりまして、認定の実質的判断の当否については、今回の最高裁は判断されていないというふうに認識をしておりますので、行政側としては、これまでの個別の処分を見直すことまで求められているものではないというふうに理解しております。

(問)そういう意味では、これまでの行政の審査というのは、適切に行われてきたということですか。
(政務官)そうですね。それについて最高裁も特に判断は示していないということだろうと思っています。

(問)今の続きなのですけれども、最高裁で、具体的な判決文の中で、そこは触れていないのかもしれないのですけれども、今回、福岡高裁の判決を維持したということで、福岡高裁の判決の中では、認定されるべき申請者が除外された可能性を否定できず、運用が適切であったとは言いがたいというふうな判決になっているので、それは、今のようなお答えとちょっと矛盾するのではないかと思うのですが。
(政務官)これは、判決をどう読むかということだろうと思いますけれども、今、我々の認識としては、まだ精査は必要ですけれども、今の時点では、先ほど申し上げたような判断をしているということであります。

(問)NHKの山野と申します。冒頭、御言葉がありましたけれども、原告等が求めた、直接のお詫び・謝罪というのは考えていらっしゃいますか。
(政務官)拡大を阻止できなかったという責任を、非常に痛感しておりますので、最終的には、省の中で判断をしていきたいと思っております。

(問)読売新聞の寺垣です。溝口さんとか御遺族に対して、何十年間、待たせてしまったこと、結果的に判断が覆ったことについては謝罪されないのでしょうか。
(政務官)これについては、今回の訴訟の対象が私どもではないということになっておりますものですから、それについて、今回特に私どものほうから申し上げることはないのですけれども、ただ、繰り返しになりますけれども、水俣病が拡大することを阻止できなかったということと、それからもう一つ、今回新たに認定されたということでありますので、阻止できなかった点についての責任については、環境省は痛感をしているということに尽きると思います。

(問)共同通信の船木です。分かりにくいのですが、拡大を阻止できなかったというのは、水俣病は10年以上も排水が続いてしまったという過去の事実に対しては、もちろん謝罪をされるということですか。
(政務官)今回初めて、正式に、最終的に認定された患者さんに対して、そういうことを申し上げたいということです。訴訟の当事者ではないものですから、我々は。
(問)今回、何十年もかかってようやく認定されたという事実に関していうと、謝罪はされないということですか。訴訟の当事者ではないから。
(政務官)これは、ずっと訴訟が続いていたわけでありますので、訴訟が長い、短いについて、我々が言うべきことではないのかなと思っております。
(問)結果的に、認定基準の運用が間違っていたということで、認定基準をつくった国、むしろ、運用の現場に与える指針をつくった国の責任ということについてはいかがでしょうか。
(政務官)繰り返しになりますが、基準そのものについて、最高裁が否定をされたというふうには、我々、認識していないものですから。

(問)熊本日日新聞の高橋と申します。原告への謝罪はされないと。訴訟の相手ではないからとは言われるのですけれども、これまで、国は県と一緒になって協力関係でやってきて、棄却された人が、今回、判決で認定されたのです。そのことに関しては、被害の拡大ではなくて、少なくとも、棄却したことが誤っていたというふうに判断されたので、そのことに対して、謝罪とか何かないのですか。
「認定しない」と、国のルールに従って県がやったことに対して、司法が、それは間違いだったのだというふうに最高裁で決まったわけですよね。
(政務官)最高裁は、我々が出した基準そのものについては、否定していないのです。ですから、そういう意味でいうと、運用に問題があったのではないかという指摘でありますので、そこはきちんと分けて考えていきたいというのは、我々の判断ですが、先ほども申し上げたように、運用については、これから県とも相談しながら、最高裁の判決を踏まえて見直しをしていく必要があるのかもしれない、ということを申し上げたわけです。

(問)毎日新聞の阿部と申します。運用の見直しに関してですけれども、改善の余地があるとすれば、政務官の御認識として、どこに問題があったとお感じですか。
(政務官)これは、当事者である県ともよく話し合いながら、詰めていかなければならない話だと思いますので、今の時点では、それ以上のことは申し上げられないと思います。

(問)運用を、より一層適切に行っていくべきと考えているということで、具体的な策はこれからということなのですけれども、新しい通知ですとか、ガイドライン的なものとか、そういうものがないと、やはり混乱が収まらないのではないかと思うのですけれども、何か、そういうものとして示す考えはありますか。
(政務官)今のところ、先ほど申し上げたように、県の判断もあろうかと思いますので、よく相談をしながらと思います。いずれにいたしましても、認定の仕方については、最高裁の判決で問題ありということになったわけでありますので、それに沿った形で、どういう対応をしていくかということは、これから県と相談しながら、適切に対応していきたいと思っています。

(問)TEMMなのですけれども、三カ国の日中韓のサミットが先送りになる方向になっていて、外相会談も、4月の予定があったそうですが、なかなか難しい情勢になっています。TEMMは一応、5月の5日から6日の予定になっているはずですけれども、何か影響とか、そういったことはあるのでしょうか。
(副大臣)それは何も聞いておりませんので、現段階では分かりません。