石原大臣記者会見録(平成25年11月12日(火)8:55 ~ 9:11  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

本日の閣議では当方に特段関係のある案件はありませんでした。

私から3点御報告します。今月の1日から15日まで、新宿御苑で恒例の菊花壇展が開催されています。私も昨日見てきました。7つの菊の花壇と庭園とが調和しており、また昨日は大変暖かかったということで、ウィークデイにも関わらず多くの方々が観覧されていました。1株から数百輪の花を、半円形に整然と咲かせている「大作り」という花壇をはじめとして、明治から伝わっている伝統的なものを今の新宿御苑の方もしっかりと伝承しており、大変心強く、また日本文化の奥の深さを味わった気持ちです。明年の秋、フランスのヴェルサイユ宮殿で、新宿御苑が受け継いできた伝統菊の展示が予定されています。月末にはヴェルサイユ宮殿の総裁もおいでになるので、私も御一緒させていただくことにしています。まだ開催していますので、お時間があれば是非――入園料が200円ですが――行っていただきたいと思います。

2点目ですが、8月にお話しした福島県における鳥獣被害についてです。イノシシの生息状況の調査結果から、やはり多数のイノシシの生息が街の中や水田等々を荒らしている状況が確認されました。場所は帰還困難区域、居住制限区域の浪江、大熊、双葉、富岡の4町です。生息調査の結果を踏まえ、また県・町の皆様と調整した結果、効率的にイノシシの捕獲が可能な場所、ここにワナをかけたら良いのではないかという場所を選定しました。本日よりハコワナ――箱の形のワナですが――を設置して捕獲を開始したいと思っています。200頭程捕獲できればということです。自然とイノシシが相手ですので、どのような結果になるかわかりませんが、多くの方々から住んでいない家が荒らされているというようなお話もきていますので、万全を期して取り組みたいと思っています。

第1回のアジア国立公園会議が明日から開催されます。(パネルを示して)この「点」が保護するものがある場所でして、緑がエリアというふうに御理解いただきたいと思います。これは有名な、ネパールのサガルマータ国立公園です。これが、インドのダドゥワ国立公園、これはタイのカオ・サムローイ・ヨード国立公園、これはインドネシアのグヌン・パル国立公園です。このように景観が全然違う素晴らしい自然がアジア全体にあり、守られているということを御理解いただければと思っています。この会議は、「文化・伝統と保護地域」など、アジアの特徴を踏まえた6つのテーマで議論がなされ、その成果として、アジアにおける保護地域のあり方を示す「アジア保護地域憲章」がとりまとめられる予定となっています。会議中は、154の発表、135のポスター展示が行われ、若い方々からも数多くの発表がされると聞いていますので、期待を持って臨みたいと思っています。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社の朝日新聞です。よろしくお願いします。昨日総理に提出された与党の復興加速化の提言について、大臣の受け止め、所感をお聞かせ願いたいというのと、あと2つ、その中で除染、中間貯蔵施設について国費でまかなうという記述もあります。今現在、環境省は東電に求償している立場というのもありますので、その辺の関係性をちょっと御説明いただけますでしょうか。
(問)安倍総理に大島復興本部長はじめ党の皆様から提言をいただいたことは承知していますし、事前に大島先生とも内容について、いろいろと話をしました。
党として、「急がなければならない」、また、「どういうところが足りない」ということに対して、被災者の皆様方の立場にたって、被災地の再生のために提言をされ、私は大変感謝をしています。提言の内容は多岐にわたって幅広い内容ですが、総理の指示の下、関係閣僚の一人として、しっかりと受け止めて、政府・与党一体となって被災地の復旧・復興により一層取り組んでいかなければならない。そういう内容を多分に含んだものだと思っています。
 2つ目の御質問ですが、そういう今日の紙面やテレビを見ていると、いろいろな解釈が違うような気がしているのですが、除染に関わる費用については、特措法で東電の負担と明確になっていますので、今回の提言では特措法を見直すとはされていないので国費という話にはならず、あくまで東電の負担と理解をしています。中間貯蔵についても「施設建設・管理には、費用の確保を含めて国が万全を期すよう検討すべき」というように国が万全を期するよう検討すべきと指摘されていますので、関係省庁で議論をしますが、ここもOECDのPPPの原則というものがあります。汚染物質を出したものが負担をしていく。この大原則を崩していきますと、また様々な他の問題も発生する。そういう立場は党の側も政府の側も認識は一致していますので、万全を期していくということに尽きるのではないかと思っています。
(問)もう1問、線量の関係で、帰還の前提となる線量が場の線量から個人の線量で捉えたらどうかという提言もありました。これはかなり運用していくのは難しいと思いますが、これについてどう思いますでしょうか。
(答)私の所管というよりも、規制庁で検討している知見に立って、判断していただきたいということで示されたものだと思いますし、IAEAの調査団からも御提言をいただき、これが国際社会のスタンダードではないかという報道もされていたと承知しています。年間1ミリシーベルトというものは長期目標で、モニタリング結果の活用、食品の出荷制限等を含めた総合的な対策を講じることにより、年間1ミリシーベルトを目指すということです。日本の場合は内部被ばくがほとんど観測されていない。また外部被ばくについても調査の結果では一部に線量が高い方もいらっしゃいますが、現状では特筆するような事案は報告されていない。こういうことをいろいろ考え、IAEAのレポートでも「人々に、1ミリシーベルトの追加個人線量が長期の目標であり、例えば除染活動のみによって短期間に達成しうるものではないことを説明する更なる努力をすべきである。段階的なアプローチがこの長期的な目標の達成に向けてとられるべきである。」という提言もいただいています。
そして、原子力規制委員会が選りすぐった専門家がトータルに考えたものが昨日の検討会で示されたという認識をしています。

(問)NHKの土井と申します。今お話いただきました国費投入の関係で、追加で質問なのですけれども、汚染者負担の原則を崩すと他の問題も発生するという認識であると、それについて万全を期しているという御発言だったと思うのですけれども、他の問題だったり、御発言の趣旨と言いますか、汚染者負担の原則を崩すことのデメリット、その辺をどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。
(答)物事を解決する時には原則があります。その原則を一事をもって変えてしまうと、波及する範囲は際限なく広がっていく。ですから、OECDでPPPが作られている。それを、私達もOECDに加盟している先進国の一カ国として、しっかり尊重し、これまでの政策の根幹にPPPの原則があるからこそスキームができあがっている。カオスの状態になってしまう恐れも、ある意味ではあるのではないか。これは一般論ですのでこの件に限った話ではありませんが、やはり原則というものは十分審議をされた後にできたものだということ、物事を決めていく上での基本という意味でこのような発言をしました。個々のものを念頭に置いてというものではありません。
(問)そうしますとこの問題においては、原則を崩すとカオスみたいな状態を招くこと。
(答)一般論です。この問題について特にということではありません。
(問)そのいわゆる提言の内容との整合性というか、どのような取組だというような。
(答)先ほど話したように、いろいろな解釈がありますが、そのまま読むと、原則を変えようというふうには読めないのではないかということです。

(問)共同通信の角です。除染費用の求償の件なのですけれども、先々週、井上副大臣が東電の石崎副社長を呼ばれて、きちんを支払に応じるように要請されて、先週中にいくら支払えるのかという額を出すようにというお話をされていたと思うのですけれども、東電は先週時間がとれないということで来なかったそうですけれども、今週にはという話を井上副大臣がされていましたけれども、今の時点で東電からどのような話があるのかということと、大臣としての東電の姿勢に対する御所見をお聞かせ下さい。
(答)都合がつかないというのは、ちょっと不可解な印象を持っています。グレーゾーンもあるのかもしれませんが、特措法を読めば、実際にかかった費用で、現にこれまで東電が払っているものなので、求償したものは払っていただく。これは法律事項ですので、井上副大臣もかなり強く申し入れたという報告を受けている。今週中に回答があると思っていますので、見守っていきたいと思っています。
(問)御確認なのですけれども、今の時点で東電から金曜に来ますとか、そういった連絡はないですよね。
(答)事務方はどうですか。
(事務方)まだ調整中です。
(問)あと1点、関連なのですけれども、井上副大臣が先々週、会見された時に東電がこれ以上払わないようだったら別の手段を考えるしかないということを強くおっしゃっていたのですけれども、それで先週決められた期限に来なくて、今週もまだわかりませんけれども、日程がついていないということでいつまでも延ばすわけにはいかないと思うのですけれども、そこは大臣として次の手段をどのように考えていらっしゃいますか。
(答)先ほど話したとおり、法律事項です。法律を解釈する専門家は各事業会社にはいるので当然法律は読まれている。読まれているからこそ、これまで求償に応じてきた。それがここにきて法律通り同じように請求をしているのに回答もしないし、都合がつかないということに不可解な印象を持っています。そうはいっても、井上副大臣が先方の副社長と、社を代表している方と話しているので、これを注視して、その結果を見て判断をすることになると思います。東電の対応は不可解です。

(以上)

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