大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年10月25日(金)10:07 ~ 10:16  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

おはようございます。本日の閣議において、独立行政法人原子力安全基盤機構――いわゆるJNES――の解散に関する法律案を閣議決定しました。本法律案は、原子力規制委員会の専門性強化を図るため、原子力安全基盤機構を原子力規制委員会に統合するためのものです。年度内統合を目指して準備作業を進め、しっかりとした組織ができるよう尽力していきたいと考えています。

私から2点御報告します。

東日本大震災からおよそ2年半目の節目となる、平成25年9月末時点の災害廃棄物処理の進捗状況が取りまとまりました。被災地全体では、13道県239市町村のうち、7割を超える174市町村で災害廃棄物の処理が完了しました。宮城県の処理割合が91%、岩手県でも82%に達しました。平成25年度内の処理完了に向けて設定した9月末時点での目標を達成し、処理が着実に進んでいると理解しています。また、処理が遅れていた津波の堆積物についても、ほぼ全量を再利用することにより約7割の処理が完了しました。この半年間でおよそ4割増加したことになります。

この間の関係者の皆様方の努力に深く敬意を表すとともに、広域処理のために協力いただいた方々に改めて感謝したいと思います。福島県についてもできるだけ早期の処理完了を目指して取り組んでいきたいと思います。

明日10月26日、明後日にかけて熊本県の熊本市・水俣市で開催される「全国豊かな海づくり大会」に私も出席します。この大会は、天皇・皇后両陛下の御臨席を賜り、毎年日本各地で開催されるもので、水産資源の保護・管理と、海や川の環境保全の大切さを広く国民の皆様方に発信していくものです。環境省としては、海洋の生物多様性の保全と、海の生き物を持続可能な形で利用することについて、功績のあった団体、個人等々に、例年、環境大臣賞を授与しています。今年も水俣漁協をはじめ、全国で3組に賞を授与をしたいと考えています。熊本と環境主都水俣では、私も議長を務めましたが、つい先日、水俣条約の外交会議が開かれ、世界130カ国を超える国と地域から参加者が訪れました。蘇りました水俣の姿と人々のこれまでの苦しみや努力が、世界に発信されたものと承知をしています。今回、両陛下の御臨席の下、魚の放流行事などが行われることは、地域の方々にとって貴重な機会となるのではないかと感じています。

2.質疑応答

(問)NHKの土井と申します。よろしくお願いします。幹事社から1点御質問させていただきます。PM2.5の対応の関係で、先般WHOのほうから発がん性を確認したという結論があった上に、中国のほうでは計測不能なほどの濃度になっているという現状もあって、非常に深刻な問題だと思いますけれども、これについて、この冬に向けての日本への影響というのも懸念される状況もあると思うのですが、これについて大臣の御所感と、もう1点は、先般の検討会で、井上副大臣のほうから年末年始をメドに改めてPM2.5の対策を取りまとめたいというお考えを示されていらっしゃったのですが、大臣としてどのような対策にしたいという思いを持っていらっしゃるか併せてお聞かせいただければと思います。
(答)私も、テレビや新聞等々の報道でPM2.5の発がん性が、大変高いランク1であると評価されたこと。また、これも写真等々を見ましたが、中国の東北部の都市を中心にPM2.5の濃度がかなり高まっている日があること。これは、これから偏西風が強まる冬に向けてPM2.5の飛来も予想されるので、中国の問題として片付けることができない、それに対応した対策を西日本を中心に強化していかなければならない、と強く感じています。注意喚起をより的確に実施していくために、専門家の方に来月にお集まりいただきます。暫定的な指針を作りましたが、御存じのとおり朝の段階で評価したが午後急に上がってしまったり、少し予測と(現実が)違う部分があった。運用改善に向けての方策をしっかりと示していかなければならないと、まず考えています。また、観測網の充実について、西日本の自治体の皆様方は関心が高いのですが、日本全国でみると、やはり東西格差があるような気がします。地方自治体において、目標数に向けた測定局の整備がされるように地方自治体の皆様との連携の強化、情報の共有化を強化していきたいと思っています。また、井上副大臣とは、今お話しした運用の改善、あるいは情報の共有、連携の強化、測定局の整備等々を含めて総合的な対策をできるだけ早くまとめるように話をしているので、副大臣はそれについて発言したものだと承知しています。

(問)日経新聞の浅沼と申します。よろしくお願いします。連日、記者会見あるいは国会等で御答弁されているかと思うのですけれども、温暖化目標について、COPまであと2週間強というところまできたのですけれども、先日の中環審、産構審でも議論がまとまらないという状況にあって、今は議論の進捗状況というのはどういうところにあるのか教えて下さい。
(答)中環審と産構審の合同会議の話だと思いますが、この会議で、削減目標について意見を取りまとめていただくということはありません。地球温暖化対策計画に位置付ける、対策、施策について議論していただいている。これまでの委員の方々の発言内容というものは若干変わってきて、歩み寄ってきている部分もあるのではないかという印象を、実は持っています。合同会議では政府の対策、施策について幅広く議論していただき、貴重な意見を賜ったものだと承知しています。では、実際はどうかということですが、国会でも答弁しているように関係省庁で鋭意議論が進み、かなりのところまできているという感触を持っています。まだ皆様方に、これだと言えるところまで話が詰まっていないということもまた事実だと思います。