大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣記者会見録(平成25年10月1日(火) 17:24 ~ 17:36  於:環境省22階第1会議室)

1.発言要旨

本日の閣議では、消費税について総理から御発言があり、決定しました。当方に関連する案件はありませんでした。
私から1点御報告します。昨日、新しい副大臣、政務官が就任されました。事務分担について御報告します。

北川副大臣、牧原政務官には、総合環境政策。放射線健康管理を除く公害健康被害対策。化学物質対策をはじめとする環境保健関連。更に、地球温暖化対策をはじめとする地球環境問題。そして、自然環境の保全を中心に担当していただきます。

留任になりました井上副大臣、浮島政務官には、指定廃棄物や災害廃棄物をはじめとする廃棄物・リサイクル対策。放射線健康管理。放射性物質による汚染対策をはじめとする大気、水、土壌環境の保全を中心に担当していただきます。この他にも、内閣府を兼務し、原子力防災に関する事務もお二人に担当していただきます。
 私からの報告は以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社のNHKの横井と申します。冒頭2問、お伺いします。
 1点目が、温室効果ガスの削減目標なのですけれども、今朝一部の報道で2005年比、6%か7%で調整するというような報道がありました。大臣のほうで、かねてからCOP19までに新たな数値目標を策定するということをおっしゃっていたと思うのですが、現在の協議がどこまで進んでいるのかということを教えて下さい。もう1点が、今日から福島県の帰還困難区域でモデル除染が始まったということなのですけれども、今後福島の復興の帰趨を決める上で非常に重要な調査だと思うのですが、この調査を開始したということで大臣の御所感をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。
(答)一部報道にありましたようなパーセントを決めたということはありません。今朝の会合では経済産業大臣、外務大臣とともに、官房長官に会って、エネルギー・環境問題について話したことは事実です。環境政策やエネルギー政策の日本を取り巻く環境。また、COP。今週にはプレCOPもあります。そのような意見交換を行いました。政府としてどうするか。私がこれまで答弁してきたことを思い出していただきたいのですが、政府としては、1月に安倍総理から、COP19までに25%削減目標をゼロベースから見直すようにと指示を受けています。また、私からことあるごとに話をしていることは自民党のJファイル2013にあるとおり、実現可能な最大限の削減目標を含めた、新たな地球温暖化対策計画を11月のCOP19までに策定すべく、鋭意調整していくと、公約をしていますので、関係省庁と調整を続けているところです。今の段階で明確な数字を確定するにいたっていないことは事実です。しかし、公約にあるように政府として実現可能な目標をCOP19までに策定していく。またプレCOPには就任されたばかりの北川副大臣に御参加いただき、2020年以降の国際的な新たな枠組みをはじめ、COP19の主要議題について主要国間で調整していただく。私としては、COP19に向けて成功の機運が高まることを期待しています。
 本日10月1日より帰還困難区域におけるモデル事業の――これは高線量地域ですが――工事を開始します。名称は除染モデル実証事業です。除染開始場所は浪江の赤字木地区。作業内容は除草、試験施工及び土壌の剥ぎ取りです。この他の地区でも、浪江の2地区、双葉の2地区で事業を開始する予定です。今話した赤江木地区というのは、50ミリから75ミリシーベルト/yの高線量地域です。高線量地域での除染の効果を把握するために行います。復興のあり方を検討するにあたって重要な知見が得られることを強く期待しています。地域の要望に配慮をしつつ、速やかに事業を実施して、年内を目途に結果を取りまとめたいと考えています。

(問)時事通信社の村山です。温室効果ガスの排出削減なのですが、政府としての排出削減目標の対応方針は今日お集まりになった官房長官も含めて4閣僚による、この枠組みで今後も主に議論を進めて決めていくことになるのでしょうか。その辺についてお考えを聞かせて下さい。
(答)先ほどもお話いたしましたが、今日集まりましたのは官房長官、経済産業大臣、私、そして外務大臣です。今後の詳細が、なぜまだ詰まらないかと言うと、省エネ、再エネの割合をどういうボリュームに持っていくのか、これにより数字が確定してきます。この数字を決める上での前提等々で、省庁間に若干の見解の相違があります。これを統一的なものにしていく。この作業に今しばらく時間がかかる。そして、御存じのとおり、大飯原発が止まっていますので、現在稼働している原発はゼロです。そのような状況の中で、省エネ、再エネ等々でどれだけ積み上げていくことができるのか。関係省庁で調整して、最終的には温暖化対策推進本部――これは総理が本部長です。私と茂木経済産業大臣、官房長官が副本部長――で取りまとめて閣議決定するという流れになると承知しています。

(問)共同通信の齋藤と申します。2点お伺いします。1点目は、IPCCの報告書、新しい科学の知見に関する報告書が先日公表されました。地球温暖化の気温上昇や海、異常気象への影響をよりはっきり明確に書いている報告書ですが、大臣の内容の御所感とそれを受けた温暖化対策への意気込みを教えて下さい。
2点目は、また排出削減の目標の話になるのですが、今日の報道では原発ゼロが前提になっているのですが、原発の前提については、今どういう議論がされているか教えて下さい。
(答)IPCC、これは先週、私もある意味ではこの報告を見てショックを受けました。科学的根拠に関する報告書が承認、公表されたということは、1つ大きな出来事です。海面の上昇が過去に言われていた数値よりも高くて、80センチを超えている。先般、訪問した南太平洋のツバルにとっては、まさに国土が消滅する恐れのある数字です。この報告書で何を感じるかというと、温暖化の進行は自分たちが思っているよりももっと現実的に地球に大きな影響をあたえているということが1点です。そして人間の生活が温暖化の有力な要因であった可能性が極めて高いということを科学的根拠に基づいて示している1つの報告だと思っています。これを受けて、地球全人類が21世紀、22世紀と生存を続けていけるように、環境先進国の日本として世界に発信をしていかなければならないと感じたところです。
また、原発の比率をどうこうするということはけっして決まった訳ではありません。私が申したのは、COP19が行われる時に日本の原子力発電所は、このままでいくと1基も稼働していない。それが現実です。この現実に基づいて物事を整理していくということが流れとしては良いのではないか、という考えを先ほどお話したところです。数字も原発が何%動けばどうだということを決めてはいません。ただ、これまでも明らかになっているとおり、鳩山内閣の時は2030年で電力全体の5割。麻生目標は、(2020年で)40%、ちょっと正確に数字は覚えていませんが、それが原子力発電の占める割合だったということは事実です。