石原大臣記者会見録(平成25年7月2日(火)11:01 ~ 11:21  於:環境省第2、3会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。私からは冒頭3点御報告します。
 この週末、沖縄県を訪問し、「地球温暖化防止とサンゴ礁保全に関する国際会議」に出席しました。会議冒頭に私から「島国まるごと支援」を表明しました。これは島嶼国に対してこれまでどおり、縦割りで、廃棄物の処理、あるいは環境問題、あるいは再生自然エネルギーなどを一つ一つの案件ごとに、御支援をするのではなくて、パッケージにして一緒に考えていこうという支援策です。
 (会議では)島嶼国の抱える様々な課題について忌憚のない意見交換ができたと思っています。また、予想以上に海外の参加者、あるいは国内の学者さん、OISTの学長さんも含めてですが、高い評価をいただいたと思っています。併せて、沖縄県と参加をいただいた島嶼国の閣僚、あるいは専門家の方々から、これからも沖縄という場所を拠点として島嶼国との環境協力を促進するような機会をもっと作ってもらいたい。こんな期待が示されました。環境省としても、こうした期待に応えられるよう、これからもしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 また、翌日ですが、国立公園予定地の慶良間諸島を訪ねて、実際に国立公園にふさわしいかどうかを見てきました。ちょうど今から12年くらい前、沖縄復帰35周年の時に小泉内閣の閣僚として訪ねた際と、座間味の同じ場所を見てきました。その時は平成10年頃のオニヒトデの大量発生によるサンゴ礁の白化等々で、見るも無惨な砂漠みたいな海だったのですが、そこが地元の方々の努力によってサンゴが息を吹き返して、これならば、――ここにどういう規制をかけるか、という問題はあると思うのですが――来た方々に、これはきれいだなと(思っていただける。)サンゴ礁もきれいだし、魚も、もちろん浅いところですから回遊魚はいませんが、熱帯魚あるいは鯛なども群れをなしていました。これは非常に価値のあるものだということを実感してきたところです。
 また、慶良間諸島には座間味村と渡嘉敷村と2つ村があるのですが、慶良間諸島の渡嘉敷村の村長さんは何故か座間味さんという名前で、座間味村の村長さんは宮里さんといいます。渡嘉敷村には渡嘉敷姓の方がいないそうです。そこで、ビューポイントを何カ所か案内してもらって、国立公園に指定されたら、是非こういうものをしっかり作ってもらいたいなどと(いうような御意見をいただいた。)あるいは、観光が唯一の産業ですが、国立公園になって規制が強化されると、観光客に対してもゴミを捨てるなとか、サンゴに立つなとか細かいことを言わなければならない。そういうこともあるけれども、観光が命なので、観光客の方が絶えず来訪できるような体制をしっかりと整備してもらいたい。このようにかなりいろいろな意見交換をさせていただきました。お二人のお話からしても、国立公園指定に向けて強い熱意を感じることができました。また、国立公園に指定することによって、環境省としても、今申したように観光の最大の財産であるサンゴ礁のモニタリング調査やオニヒトデの駆除も予算額がそんなに大きくなくて、ボランティアに依存する部分が大変高いのですが、こういうものもこれから充実していかなければならないと考えています。地域と連携した海域の保全管理をより一層進めつつ、観光地として多くの方々に国立公園として来ていただけるよう努めていかなければならないと感じたところです。
 続きまして2点目ですが、今日閣議の後、復興推進会議が開かれました。今回は冒頭に、大島本部長から、自公の復興加速化に関する第二次提言が総理に渡されました。この中で、大島本部長から、福島県、特に除染と中間貯蔵の施設の重要性についての言及がありましたので、私のほうから、除染やがれきの処理というのは復興の大前提となる重要な事業であり、環境省の体制強化、体制整備も含めて、今後しっかりと取り組みたいという発言をさせていただきました。
 3点目ですが、1月に発表しました「低炭素社会創出ファイナンス・イニシアティブ」。ファンドを作ってあと一歩というところの後押しを役所が行う仕組みができないかということで始めたものですが、これに基づき、「地域低炭素投資促進ファンド」の創設に向けた準備を進めてきました。公募をして、どういう方々にこのファンドをを担っていただくのかを選んできたのですが、「グリーンファイナンス推進機構」という一般社団にファンドの運営を担ってもらうことになりました。昨日から事業がスタートされたところです。今日の午後、「グリーンファイナンス推進機構」の代表理事の末吉竹二郎さんとお話をする予定になっています。末吉さんは、国連環境計画金融イニシアティブ特別顧問も勤め、元々はバンカーの方です。
 このファンドは、地球温暖化対策税の税収を活用して、ファンドですからequityですね、「出資」という形で低炭素投資を進める我が省にとって初めての取組です。温暖化対策と地域経済の活性化を同時に実現する地域モデルづくりを後押しするために、地域の企業や金融機関主導の取組に重点を置いて支援をしていくというものです。現状は大規模な太陽光発電は進んでいるものの、地域主導でのプロジェクトを立ち上げようとすると、資金不足に直面するケースが多いわけです。自己資本があともう少しあれば、地銀も地域の信金、信組なども融資できる、事業が回るということがありますので、このファンドは、そこの主体というよりも、最後の一押しの「出資」を行って、民間資金の呼び水になって事業を実現させていきたいというものです。初年度は、小さく産んで大きく育てようということで、14億円という事業規模でありますが、どれだけのニーズがあるか。これはもう少し宣伝しないと環境省とファンドというものは、なかなか繋がりませんので。ニーズに合わせて積み増しをして、数百億円規模ぐらいに育てていければ、環境問題の解決を後押しすることができるのではないかと考えています。今日はこんなことを末吉さんにお会いしてお願いしようと考えています。また、どんなお話があったか、先方からどんな話があったかということについては、後ほど事務方からブリーフします。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今月幹事社の日経新聞の浅沼と申します。よろしくお願いします。沖縄県の慶良間諸島の沿岸海域の国立公園の指定に関して2点お願いします。1点目大臣冒頭の御発言にもありましたけれども、実際に慶良間の方でダイビングをされたというようにお伺いしたんでですね、もう少しどういった状況かというところをご感想をお伺いできればと思います。あと2点目は今回この国立公園が指定されれば、釧路湿原以来になると思うんですね。そういったところで26年ぶりの国立公園指定に向けて、どういったプロセスがあって、今後どういうスケジュール感で進めていくのか、そのあたりを教えて下さい。
(答)1点目の話ですが、実は、私が初めて海に潜ったのは今から40年前の沖縄なんです。これは八重山のほうで潜りました。その後慶良間なども何度も潜ったのですが、当時はやはり一面サンゴ礁です。本当にきれいなサンゴで、それはそれはその当時を知っている人間としては説明しようのないファンタジーの世界だったのです。それがやはりオニヒトデ等々に、これは八重山の石垣島とか西表なんかも全部そうなのですが、やられてしまいました。また、水質汚濁も大きな衰退の原因です。あそこは赤土ですので、産業工場化が進んで、宅地が開発されたりして赤土が流れ込んで水質が悪くなるとサンゴ礁の生息が非常に厳しくなる。あるいは、温暖化によって水温が上がるということもまた1つの理由だと思います。オニヒトデという天敵、これはとんでもないヒトデで、見たらあまりのグロテスクさにびっくりします。毒を持っていて、うちの省員も刺されたというのです。それで2度目刺されると、蜂と一緒で、反応が大きく出て、死に至るような毒性を持ったものです。今は、酢酸を10ミリぐらい注射すると大きなオニヒトデが死んでしまって、その後はもう有機物ですので自然に溶けていく。こういう形で除去をみなさんがしてくださっています。先ほど申したように12年前に潜った時は砂漠みたいな海だったものが、地域の方々の努力によって、一部ですが、面として復活していました。例えば座間味の港から少し出た50メートルぐらいのところは、水深にして1メートルも無いのですが、子どもでもシュノーケルで、サンゴ礁が広がっているのが簡単に見れます。なかなか見ることができないものです。また、ホワイトサンド、白い浜、こういうものはなかなかこの辺だと伊豆の白浜ぐらいですかね。あとは黒い砂ですので、そういうものが割と密集しています。私としては非常に国立公園というものにふさわしいのではないか。ただ国立公園というものはさっきも申しましたように規制がかなり強化されます。この2人の村長さんが漁業者等々とずっと交渉してくださって、漁業組合もまとめていただいた。お会いして御苦労に感謝を申し上げました。今後のスケジュールですが、どのぐらいの区域にするか。やはり海水面ですので、少し広めに取っていきたいと思っています。さらにラムサール条約に入っているところなんかも中に入ってきます。区域や規制の内容について、やはり観光が産業ですので、今後調整を行って、この夏にはパブコメにかけて意見をいただく。その後秋に中環審の武内先生等々に現地を見ていただき、審議を経て、来年早々にも指定したいと考えています。今御指摘のとおり(新規指定は)昭和62年の釧路湿原以来26年ぶりですので、末永くこの公園が多くの方々に愛されるナショナルパークになるように今準備を進めているところです。

(問)NHKの間嶋です。ファンドのことで伺います。直接事業に補助金を出すのではなくてファンドにお金を出す。この売りがどこにあるのかということを改めて伺いたいのと、現状金融機関がお金を融資していないのはやはりリスクも大きいという面もあると思うのですけれども、この辺りのリスクについて環境大臣としてどのように対応していきたいか、2点お願いします。
(答)例えば公庫なんかもそうなのですが、事業を展開しようという民間会社があっても、メインバンクには公庫はなれないのですね。民間があってそこを何割かサポート出来る。このファンドも民間がやはりあって、例えば再生可能エネルギーでも第3セクターとか市とか町がかんでるいるところは資金が集まってくるのですが、なかなか民間だけだと、ぎりぎりのところまで事業努力をしても、最後のお金が足りなくて事業が出来ないということが意外にあります。もちろん大手企業がやろうとしている、例えば地熱発電なんかも数カ所出て、今度私も見てこようと思っているのですが、やはり、資本ですよね。こういうところを後押しすることによって、補助金というかたちではなくて、その会社が立ち上がって、例えば地域自立分散型のエネルギーの供給。なんでも良いと思います。どんなものが出てくるか。これからまた末吉さんとも話をさせていただこうと思うのですが、そういうものを後押しすることによって環境負荷全体の低減というものに資するようなことが出来ればと思っています。ともかく小さく産んで大きく育てようと思っていますので、少し初年度を見て、これから考えていきたいと思います。

(問)朝日新聞の青木です。短く3点お願いします。除染の目標について追加被ばく線量年1ミリシーベルトということで環境省で進められております。この1ミリの考え方についてホームページなどで0.23マイクロ/時ということで環境省のほうで出していますけれども、環境省の除染の目標の長期的目標として0.23マイクロ/時という理解でよろしいのか。それが1点目。2点目、各市町村においては除染の目標を0.23マイクロ/時まで下げて下さいということで業者にお願いしているところがわずかながらございます。ただ国はそういう除染の目標を設けずに発注して、結局結果として0.23をほとんど達成しないまま除染が完了するということがございました。これについてなぜ国は目標値を設けていないのかについてお答え下さい。3点目、昨日TVタックルという番組で原発から3キロの距離にある方が、帰れないなら帰れないと言ってほしいということを訴えていらっしゃいました。8月に計画の見直しということで御照会があったところですけれども、この計画の見直しの中で帰れないところを帰れないということを盛り込むお考えがあるかどうかについて確認をしたいです。
(答)2年間除染をして、結果を見て、夏頃見直しをして、どんな具合かということをやっていくということで、除染の方針を今まで変更するようなことはありませんし、変更するような場合にはしかるべく説明をさせていただく。政府の長期的目標は、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを下回るものについて、長期的な目標として年間の追加被ばく線量を1ミリシーベルト以下となることを目指すというのが、前政権も現政権も、事業が継続していますので善し悪しは別として、変わっていないということに変わりはないと思います。テレビの内容については見ていませんのでコメントは出来ません。
(問)0.23の解釈について伺っていないのですが。
(答)これは変更ありませんし、先ほど冒頭でお話させていただきましたように、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルトを下回る地域について、長期的な目標として年間の追加被ばく線量を1ミリシーベルト以下となることを目指すということが政府の長期的目標です。

(以上)

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