大気環境・自動車対策

低周波音問題に関するQ&A

Q1 低周波音問題への環境省の対応はどのようになっていますか?

A1 環境省では、低周波音問題の対応のため、平成16年に「低周波音問題対応の手引書」を、平成14年及び平成20年に「低周波音防止対策事例集」、「低周波音対応事例集」を取りまとめ、公表しました。
この内容に基づき、研修等を行って、低周波音や騒音等の苦情処理を行っている地方公共団体等に対応をお願いしております。
 また、一般の方向けの解説書として、「よく分かる低周波音」も作成しているので、ご覧ください。
なお、環境省では、音として通常聞こえる空気振動のうち、周波数20Hz〜100Hzの低い周波数の音と、音としては通常聞こえない20Hz以下の空気振動を、まとめて「低周波音」と呼んでいます(20Hz以下の空気振動を指す場合は、「超低周波音」と呼んでいます)。

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Q2 手引書はなぜ作成されたのですか?

A2 平成5年度頃から低周波音の苦情が増加の傾向にあり平成12年に「低周波音の測定方法に関するマニュアル」を作成しましたが、それ以降、さらに低周波音の苦情は急激に増加しました。なかでも暗騒音(問題となる騒音以外の騒音)が小さい(音圧レベルが低い)、静かな地域の家屋内における、小さい低周波音に関する苦情が多く見られました。しかしこのような低周波音について測定方法は示されたものの、苦情にどのように対処していくかが明確ではありませんでした。これを改善するため、平成16年に「低周波音問題対応の手引書」が作成されました。

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Q3 手引書には何が書いてあるのですか?

A3 手引書には、[1]苦情申し立て内容の把握、[2]現場の確認、[3]低周波音の測定、[4]測定された低周波音の評価の方法、[5]対策の検討、[6]対策効果の確認という一連の筋道における、具体的な方法や配慮事項、技術的な解説が盛り込まれています。事例集と併せて用いることで、低周波音問題の解決を図ることが期待されています。 特に、低周波音の評価の方法としては、発生源側で測定される低周波音と苦情者側で測定される低周波音の対応関係を調べることが特に重要であることが述べられ、対応関係を調べる方法が示されています。これと併せて、手引書では『評価指針』が示され、それまでの手法では対応の難しかった小さな(音圧レベルの低い)低周波音に関する苦情に対応するために、『参照値』が提案されました。

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Q4 『参照値』とはどのようなものですか?

A4 建具類のがたつきや室内での不快感などについて苦情申し立てがあった場合に、低周波音によるものかどうかを判断する目安となる値です。
 手引書では、低周波音の測定を行い、まず、1)発生源側の測定結果と苦情者宅の測定結果の対応関係の有無を確認します。対応関係がなければ、推定された発生源以外が原因である可能性があります。2)対応関係が認められた場合には、苦情者宅の測定結果を『参照値』などと照らし合わせて、苦情の原因が低周波音である可能性について検討します。

1)は、具体的には、以下のように行います。

  1. [1]原因が疑われる低周波音の発生源の施設・機器等を稼働・停止させたときに、苦情者の苦情の状況に変化があるか
  2. [2]発生源と苦情者宅での測定結果を比較して、音圧レベルの変化や周波数特性に対応関係があるかどうか

 『参照値』とは、発生源の稼働状況と苦情内容に対応関係がある場合に用いるものです。具体的には、測定された「ある周波数の低周波音が、その値以上であれば、その周波数の低周波音が苦情の原因である可能性が高い」と判断するための、「その値」であって、周波数毎に定めています(1/3オクターブバンド中心周波数毎及びG特性音圧レベル)。

 なお、一般の生活環境中にも低周波音は存在していますが、あまり気にはなりませんし、影響も現れません。低周波音について、どの程度の大きさの音圧レベルが発生しているのかが重要なのです。

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Q5 『参照値』以下では、低周波音が原因ではないのですか?

A5 測定値がどの周波数でも『参照値』以下であれば、多くの場合、低周波音は原因ではないと考えられるので、100Hz以上の(低周波ではない)騒音や、地盤の振動など他の原因について慎重に検討するよう手引書で示しています。問題となる周波数や原因が違っていれば、十分な対策の効果が得られないからです。ただし、感受性等に個人差があることもあり、『参照値』以下であっても低周波音が原因である場合も否定できません。この場合は、詳しく調査をするよう、「手引書」では勧めています。
 なお、発生源側との対応がない場合には、苦情者自身の問題(耳鳴り等)の可能性も考えられます。耳鳴りなどの苦情者自身の問題の可能性については、苦情者の申し出を注意深く聞きながら、苦情の内容を医学的・総合的に判断することが必要であり、最終的には専門家の判断が必要であるとしています。

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Q6 『参照値』に科学的な根拠はありますか?

A6 『参照値』は平成15年に独立行政法人産業総合研究所において実施した聴感実験データから、一般被験者の90%の人が寝室で許容できるレベルとして設定したものです。この聴感実験では、低周波音を発生させた実験室に被験者を部屋に入れて、被験者の反応を調査することで行いました。なお、被験者は、実験室の中で、耳だけでなく全身が低周波音に浴しており、いわゆる骨導音の影響も実験の中で自然に含まれ、総合的に把握されていると考えられます。

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Q7 感覚閾値と『参照値』は違うものですか?

A7 感覚閾値とは、なんらかのかたちで低周波音を感じることのできる最小の音圧レベルです。一方、『参照値』には、1)建具類のがたつきなどの「物的苦情の『参照値』」と2)圧迫感、振動感、不快感などの「心身に係る苦情の『参照値』」の2種類があります。「物的苦情の『参照値』」については、建具等ががたつき始める最小の音圧レベルを実験等によって求めたものです。「心身に係る苦情の『参照値』」については、長時間継続する低周波音を受けた場合に、大部分の人があまり気にならないで許容できる最大音圧レベルです。このように、「心身に係る苦情の『参照値』」と「感覚閾値」とでは定義が異なります。大小関係で言うと、実際には、「心身に係る苦情の『参照値』」は「感覚閾値」より少し大きな値となっています。

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Q8 『参照値』はいわゆる基準値ではないのですか?

A8 いわゆる基準値は、「この値以下に保つことが望ましい目標(すなわち目標値)」や「超えてはならない値(規制値)」ととらえられますが、『参照値』はこのようなどちらの意味での基準値ではありません。上で説明してきたように、苦情申し立てがあった場合に、低周波音によるものかどうかを判断するための目安です。
 手引書にも、『「環境アセスメントの環境保全目標値」、「作業環境のガイドライン」として作成したものではない」』と明記しています。
 「『参照値』以下であるからよい」「『参照値』を超えているから改善が必要」と単純に判断するのではなく、実際の影響に注目して判断することが重要です。

<参考> 低周波音問題対応の手引書における参照値の取扱について(都道府県等宛通知 平成20年4月) [PDF 75KB]

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Q9 『参照値』は風車(風力発電)には適用できないのですか?

A9 『参照値』は、ある程度の時間連続して低周波音を発生する固定された音源からの音圧レベル変動の小さい低周波音を対象として設定したものです。【風車からの騒音・低周波音は、風速によってローターの回転や出力が変わるため音圧レベルや周波数特性が変化する、風向によって音が拡散する方向が変化するという特徴があります】。
 このため、『参照値』を風車の低周波音に適用することはできません。

<参考> 低周波音問題対応の手引書における参照値の取扱について(都道府県等宛通知 平成20年4月) [PDF 75KB]

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Q10 風力発電から、低周波音が出て健康や生活環境に影響があると聞きましたが本当ですか?

A10 風力発電の建設が進むにつれ、風力発電の騒音等についての苦情は増えています。風力発電からは、羽根(ローター)の風切り音や発電機等からの機械音などの音が発生します。また、低周波音も出ている場合もあります。一般的に音は、音源から距離が離れれば小さくなる(減衰)ので、風車があるからといって直ちに影響があるとは限りません。一方、風車からどのような音や低周波音がどのくらいの大きさで住宅等に届いているのか、どのくらい距離が離れれば十分減衰するのか、地形や風が減衰に及ぼす影響はどうか、風が吹くことによって発生する音(葉ずれ、波音、電線の鳴りなど)が大きいときに風車の騒音等はどのように感じるのか、人への影響など、必ずしもまだよく分かっていないことがあります。このため、環境省では、平成22年度より、風力発電施設から発生する騒音・低周波音の実態把握、周辺住民を対象とした社会反応調査、被験者実験による聴感反応調査等を進めています。

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Q11 風車に関する騒音や低周波音に適用できる基準はありますか?

A11 環境省では、上で述べた調査をもとに、基準の必要性も含めて、適切な対応について検討を行うこととしています。

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