平成14年10月17日
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平成9年4月に施行された改正大気汚染防止法に基づき、平成9年度から地方公共団体では有害大気汚染物質の大気環境モニタリングを本格的に開始したところであるが、今般、平成13年度に地方公共団体が実施した有害大気汚染物質の大気環境モニタリング調査結果について、環境省の調査結果と併せて取りまとめた。 ベンゼン等に係る環境基準が設定されている物質に係る調査結果の概要は以下のとおりである。 ○ 全国の平均濃度の推移 (単位:μg/m3)
○ ベンゼンについては、全国の平均濃度は低下しており、環境基準値(3μg/m3)と比較すると、368地点中67地点(18%)について環境基準値を 超過していたが、平成10年度は292地点中135地点(46%)、平成11年 度は340地点中79地点(23%)、平成12年度は364地点中74地点(20%) であり、全般的には改善傾向にある。 ○ トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンについ ては、すべての地点において環境基準値(各々200μg/m3、200μg/m3、150μg/m3)を下回っていた。 なお、ダイオキシン類の大気環境モニタリング調査結果については、別途公表の予定。 |
| 1.概要 | |||||||||
| 大気中の濃度が低濃度であっても人が長期的に曝露された場合には健康影響が懸念される有害大気汚染物質については、環境省において、昭和60年度から大気環境のモニタリング調査を行ってきたところであるが、平成9年度から、改正大気汚染防止法に基づき、地方公共団体(都道府県・大気汚染防止法の政令市)においても本格的にモニタリングを開始したところである。 今回、地方公共団体における平成13年度の有害大気汚染物質の大気環境モニタリングについて調査結果がまとまり、環境省の調査結果と併せて公表することとした。 なお、調査地点によっては、測定頻度が少なく、年平均値を算出し、環境基準等により評価できないデータもあるが、有害大気汚染物質の大気環境中の濃度を把握する上で貴重な情報となるため、これらの調査結果についても併せて示した。 | |||||||||
2.調査方法、対象物質及び測定地点数 | |||||||||
| (1)調査方法 | |||||||||
| 大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準(平成13年5月21日制定。以下、「処理基準」という。)及び有害大気汚染物質測定方法マニュアル(環境省環境管理局大気環境課)に準拠して調査を実施した。 | |||||||||
| (2)対象物質(19物質) | |||||||||
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| (3)測定地点 | |||||||||
| 測定地点の区分については、処理基準に基づき一般環境、固定発生源周辺及び沿道の3種類とする。 また、平成13年度における3区分全体の測定地点数(環境省及び政令市が実施した調査地点数を含む。)を都道府県・測定対象物質ごとにまとめたものは参考1のとおりである。 環境基準が設定されている4物質のうち、ベンゼンについては438地点、トリクロロエチレンについては403地点、テトラクロロエチレンについては397地点、ジクロロメタンについては384地点で測定が実施された。このうち、月1回以上の頻度で1年間にわたって測定した地点は、ベンゼンについては368地点、トリクロロエチレンについては332地点、テトラクロロエチレンについては333地点、ジクロロメタンについては307地点であった。 | |||||||||
3.測定値の評価 | |||||||||
| 長期曝露による健康リスクが懸念されている有害大気汚染物質のモニタリングにおいては、原則として月1回以上の頻度で測定を実施し、年平均濃度を求めることとしている。また、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンに係る環境基準も年平均値として示されているところである。 しかしながら、必要とされる頻度で測定を実施できなかった地方公共団体もあることから、すべての測定結果について年平均濃度を算出し、評価をすることは困難である。 このため、今回の取りまとめにおいて、別添の個別測定地点の調査結果表の平均値の欄には、当該測定地点における複数回の測定結果の算術平均値を記載したが、調査地点によっては、必要とされる測定頻度の測定を実施していない場合もあることから、環境基準値との直接的な比較はできないものもあることに留意する必要がある。 また、月1回以上の頻度で1年間にわたって測定していない地点も含め、今回取りまとめたすべての地点のデータについてまとめた値を表1、表4の中の括弧内に示したが、環境基準値との直接的な比較ができないデータも含めた数値であることに留意する必要がある。 | |||||||||
4.調査結果の要点 | |||||||||
| (1)ベンゼン | |||||||||
| 平成13年度のベンゼンの濃度については、表1及び図3のとおりであった 平成9年度から平成13年度の環境基準超過地点数及び平均濃度の推移を表2及び図1に示す。環境基準値と比較すると、一般環境について208地点中15地点で、発生源周辺について66地点中13地点で、沿道について94地点中39地点で環境基準値を超過しており、合計すると368地点中67地点(18%)で環境基準を超過したが、平成10年度における292地点中135地点(46%)、平成11年度における340地点中79地点(23%)、平成12年度における364地点中74地点(20%)と比較すると、全般的には改善傾向にある。また、全国の平均濃度も低下している。 | |||||||||
| 表1 平成13年度ベンゼンモニタリング調査結果の概要 | |||||||||
| 表2 ベンゼンの環境基準超過地点数及び平均濃度の推移 | |||||||||
| 平成9年度から平成13年度にかけて継続して月1回以上の頻度で調査を実施した地点におけるベンゼン濃度の推移を表3及び図2に示す。環境省及び地方公共団体において、継続して調査を実施した地点は39地点あり、これらの地点における平成13年度のベンゼンの平均濃度は、平成9年度の3.6μg/m3に比べ約33%減少し、2.4μg/m3であった。 | |||||||||
| 表3 継続測定地点におけるベンゼン濃度の推移 | |||||||||
(2)トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタン | |||||||||
| 平成13年度のトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンの濃度については表4及び図4〜図6のとおりであった。 環境基準値と比較すると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンとも、すべての地点で環境基準値を下回っていた。 | |||||||||
| 表4 平成13年度トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタンのモニタリング調査結果の概要 | |||||||||
(4)その他の有害大気汚染物質 | |||||||||
| その他の有害大気汚染物質については、表5、表6のとおりであった。平成12年度に比べ、全般的に濃度の低下がみられる。 | |||||||||
| (注)1μg(マイクログラム)は100万分の1g 1ng(ナノグラム)は10億分の1g | |||||||||
| (参考)ベンゼンの環境基準は、年平均値3μg/m3以下(平成9年2月設定) トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの環境基準は、各々年平均値200μg/m3以下(平成9年2月設定) ジクロロメタンの環境基準は150μg/m3以下(平成13年4月設定) | |||||||||
5.今後の対応 | |||||||||
| 有害大気汚染物質の大気環境モニタリングについては、大気汚染防止法に基づき、国及び地方公共団体が調査の実施に努めることとされており、地方公共団体においても現在本格的な調査が実施されているところである。 環境省としては、今後とも、有害大気汚染物質の大気環境モニタリングの充実を図るとともに、有害大気汚染物質による大気汚染の健康リスク評価を行い、対策の推進に役立てていくこととしている。 また、有害大気汚染物質対策としては、中央環境審議会答申「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第六次答申)(平成12年12月)」に基づき、平成13年6月に「事業者による有害大気汚染物質の自主管理促進のための指針」を改正し、平成15年度を目標年度とする事業者団体ごと全国単位の自主的な排出削減計画を策定し対応を進めるとともに、特にベンゼンについては、固定発生源が相当程度寄与して高濃度となっている5地域を対象として、新たに地域単位の自主的な排出抑制の取組の促進を図るなど、対応を進めているところである。 | |||||||||