大気環境・自動車対策

平成11年度騒音規制法施行状況調査について

平成12年12月25日

 環境庁は、全国の都道府県等の報告に基づき、平成11年度における騒音苦情の状況及び騒音規制法の施行状況を取りまとめた。その概要は次のとおりである。

(1)騒音苦情の状況
 騒音に係る苦情の件数は、平成11年度は12,452件で、前年度に比べると227件、約1.8%減少した。
 苦情の主な発生源別内訳をみると、工場・事業場騒音が最も多く4,533件、約36.4%、次いで建設作業騒音が2,890件、約23.3%、営業騒音が1,878件、約15.0%であった。
(2)騒音規制法の施行状況
 騒音規制法に基づく規制対象地域は、全国の約65.1%に当たる2,116市区町村で指定が行われている。
 同法に基づき届出された規制対象の工場・事業場(特定工場等)の総数は平成11年度末現在で全国で205,915件(前年度比約0.49%減)となっている。この特定工場等に対して法に基づく立入検査が860件(前年度975件)、改善勧告が2件(前年度4件)行われた。
 この他、行政指導が935件(前年度1,019件)行われた。また、同法に基づき届出された建設作業(特定建設作業)の総数は60,242件(前年度比5.8%増)となっている。この特定建設作業に対して法に基づく立入検査が901件(前年度901件)、改善勧告が1件(前年度1件)行われた。この他、行政指導が981件(前年度949件)行われた。

 環境庁としては、今後とも、騒音規制法に基づく騒音対策の推進を図っていく。

1.目的

 環境庁では、騒音防止行政の一層の推進を図るため、毎年度、全国の都道府県、指定都市及び中核市を通じ、騒音に係る苦情の状況、騒音規制法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い、その結果を取
りまとめている。

2.調査結果

(1)騒音苦情の状況

[1]
 平成11年度に全国の地方公共団体が受けた騒音に係る苦情の件数は、12,452件であった。これは、平成10年度(12,679件)と比べると227件、約1.8%の減少となる。(図1参照)

図:図1 騒音苦情件数の推移
(図をクリックすると拡大表示します。)


図1 騒音苦情件数の推移

[2]
 苦情件数を都道府県別にみると、東京都の2,469件が最も多く、次いで大阪府1,384件、神奈川県1,175件、愛知県1,081件の順となっており、この4都府県で全国の騒音苦情件数の約49.1%を占めている。(表1参照)
 苦情件数の都道府県別の対前年度増減状況を見ると、減少件数の大きいのは、大阪府、宮城県等であり、増加件数の大きいのは、埼玉県等である。(表2参照)
表1 都道府県別苦情件数(上位5都道府県)
順位苦情件数人口100万対件数
都道府県件数都道府県件数
東京都 2,469 東京都 211.4
大阪府 1,384 青森県 162.2
神奈川県 1,175 大阪府 160.5
愛知県 1,081 愛知県 157.2
埼玉県 820 神奈川県 141.1
全国 12,452 全国平均 98.9

注)人口は、平成12年3月31日現在の住民基本台帳人口による。

表2 苦情件数の都道府県別対前年度増減状況
都道府県H10H11増減 都道府県H10H11増減
北海道 144 209 65   滋賀県 111 104 -7
青森県 205 244 39 京都府 235 222 -13
岩手県 70 52 -18 大阪府 1,511 1,384 -127
宮城県 282 157 -125 兵庫県 575 527 -48
秋田県 33 27 -6 奈良県 84 67 -17
山形県 80 82 2 和歌山県 79 72 -7
福島県 101 93 -8 鳥取県 15 23 8
茨城県 207 191 -16 島根県 21 24 3
栃木県 135 113 -22 岡山県 100 101 1
群馬県 132 153 21 広島県 229 218 -11
埼玉県 639 820 181 山口県 86 98 12
千葉県 491 490 -1 徳島県 48 32 -16
東京都 2,532 2,469 -63 香川県 33 47 14
神奈川県 1,233 1,175 -58 愛媛県 109 88 -21
新潟県 140 135 -5 高知県 40 56 16
富山県 42 47 5 福岡県 333 367 34
石川県 73 70 -3 佐賀県 49 32 -17
福井県 32 42 10 長崎県 115 76 -39
山梨県 45 53 8 熊本県 75 40 -35
長野県 166 179 13 大分県 139 132 -7
岐阜県 164 125 -39 宮崎県 103 111 8
静岡県 265 350 85 鹿児島県 90 84 -6
愛知県 1,131 1,081 -50 沖縄県 43 61 18
三重県 114 129 15 合計 12,679 12,452 -227
[3]
 苦情件数を発生源別にみると、工場・事業場騒音が4,533件(36.4%)で最も多く、次いで建設作業騒音が2,890件(23.3%)、営業騒音が1,878件(15.0%)、家庭生活騒音が903件(7.3%)の順となっている。
 これを平成10年度と比較すると、苦情の総数の4割近くを占める工場・事業場騒音に係る苦情が減少(前年度比328件減)しているのに対して、建設作業騒音に係る苦情が117件、飲食店、興行場、娯楽施設等の営業騒音に係る苦情が34件増加している。(図2参照)

図:平成11年度 騒音に係る苦情件数 12,452件
図:図2 過去3カ年の苦情件数の発生源別内訳
(図をクリックすると拡大表示します。)

図2 過去3カ年の苦情件数の発生源別内訳

[4]
 規制対象とそれ以外の苦情件数との比較
 工場・事業場に対する苦情総数4,533件のうち、法の規制対象となる指定地域内の特定工場等に対するものは、約24%の1,069件であり、建設作業に対する苦情総数2,890件のうち、同指定地域内の特定建設作業に対する苦情は約36.5%の1,054件となっている。(表3参照)
表3 規制対象・非対象別苦情件数
工場・事業場発生源指定地域   建設作業発生源指定地域
特定工場等 1,069
(23.6%)
60
(1.3%)
1,129
(24.9%)
特定工場等 1,054
(36.5%)
20
(0.7%)
1,074
(37.2%)
上記以外 3,175
(70.0%)
229
(5.1%)
3,404
(75.1%)
上記以外 1,760
(60.9%)
56
(1.9%)
1,816
(62.8%)
4,244
(93.6%)
289
(6.4%)
4,533
(100.0%)
2,814
(97.4%)
76
(2.6%)
2,890
(100%)

(2)地域指定の状況

 騒音規制法に基づき地域指定が行われている市区町村数は、平成11年度末現在2,116(平成10年度2,117)で、全国の市区町村数の約65.1%(同65.0%)に相当する。(表4参照)
 平成11年度中には新たに2町において規制地域が指定されているが、市町村合併により4町が1市となったことから、地域指定の市町村数は前年度と比べ1減となっている。

(3)騒音に係る環境基準の類型当てはめ状況

 環境基本法に基づく環境基準の類型当てはめ地域を有する市区町村数は、平成11年度末現在1,736(平成10年度1,720)で、全国の市区町村数の約53.4%(同52.8%)に相当する。(表4参照)

表4 地域指定の状況(平成11年度末現在)
 全市区町村数
指定市区町村数 671 23 1,989 569 3,252
地域指定 669 23 1,246 178 2,116
割合 99.7 100 62.6 31.3 65.1
環境基準の地域の
類型当てはめ
637 23 962 114 1,736
割合 94.9 100 48.4 20.0 53.4

(4)工場・事業場に対する規制の状況

[1]
特定工場等総数及び特定施設の届出数
 騒音規制法に基づき届出された特定工場等の総数は、平成11年度末現在で205,915(平成10年度末現在206,921)となっている。
 また、特定施設の総数は1,500,532(同1,485,606)となっている。
 特定工場等の内訳をみると、空気圧縮機等を設置しているものが約34.8%と最も多く、以下、金属加工機械を設置しているものが約22.0%、織機を設置しているものが約12.8%の順となっている。
 特定施設の内訳をみると、空気圧縮機等が約37.0%と最も多く、以下、織機が約27.8%、金属加工機械が約18.3%の順となっている。(表5−1、表5−2参照)

表5 法に基づく届出数(平成11年度末現在)

5−1特定工場等総数
設置特定施設総数(%)
205,915 100
金属加工機械 45,299 22.0
空気圧縮機等 71,531 34.8
土石用破砕機等 4,184 2.0
織機 26,410 12.8
建設用資材製造機械 3,772 1.8
穀物用製粉機 575 0.3
木材加工機械 21,847 10.6
抄紙機 704 0.4
印刷機械 21,875 10.6
合成樹脂用射出成形機 8,632 4.2
鋳型造型機 1,086 0.5
5−2特定施設総数
特定施設総数(%)
1,500,532 100
金属加工機械 275,300 18.3
空気圧縮機等 555,606 37.0
土石用破砕機等 25,647 1.7
織機 416,530 27.8
建設用資材製造機械 5,732 0.4
穀物用製粉機 3,625 0.2
木材加工機械 68,911 4.6
抄紙機 2,357 0.2
印刷機械 80,363 5.4
合成樹脂用射出成形機 58,754 3.9
鋳型造型機 7,707 0.5

注)特定工場等とは、特定施設を有し、法の規制対象となる工場・事業場をいう。

 特定工場等の総数及び特定建設作業の件数については、工場・事業場の指標となる特定工場等の総数は若干減少し、特定建設作業の件数は平成10年度に引き続き増加した。(表6参照)

表6 特定工場等・特定建設作業の最近の推移
 平成9年度平成10年度平成11年度
特定工場等総数 206,120 206,921 205,915
対前年度増
(増加率)
1,298
(0.63%)
801
(0.39%)
△1,006
(△0.49%)
特定建設作業件数 50,480 56,967 60,242
対前年度増
(増加率)
9,257
(22.46%)
6,487
(12.85%)
3,275
(5.75%)
[2]
 法に基づく措置等の状況
 指定地域内の特定工場等に係る苦情1,069件(平成10年度1,164件)に対して、平成11年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収204件(同200件)、立入検査860件(同975件)、騒音の測定458件(同508件)であった。騒音測定の結果、規制基準を超えていたものは287件(同334件)であり、改善勧告は2件(同4件)行われ、改善命令は行われなかった。(同0件)また、これらの措置のほか、騒音防止に関する行政指導が935件(同1,019件)行われた。(表7参照)
表7 指定地域内の特定工場等に係る措置等の状況
苦情 1,069
行政措置等 報告の徴収204
立入検査860
測定458
うち基準超287
改善勧告2
改善命令0
行政指導935

(5)特定建設作業に対する規制の状況

[1]
 特定建設作業の実施届出件数
 平成11年度中の特定建設作業実施届出件数は60,242件(平成10年度56,967件)であり、その内訳をみると、さく岩機を使用する作業が28,760件(同27,906件)と最も多く、次いでバックホウを使用する作業が14,766件(同13,141件)、くい打機等を使用する作業が5,718件(同5,939件)の順になっており、これらで全体の約81.7%を占めている。(表8参照)
表8 特定建設作業実施届出件数
特定建設作業件数(%)
60,242 100
くい打機等を使用する作業5,7189.6
さく岩機を使用する作業28,76047.7
びょう打機を使用する作業1610.3
空気圧縮機を使用する作業4,7837.9
コンクリートプラント等を設けて行う作業4180.7
バックホウを使用する作業14,76624.5
トラクターショベルを使用する作業1,6392.7
ブルドーザーを使用する作業3,9976.6
[2]
 法に基づく措置等の状況指定地域内の特定建設作業に対する苦情1,054件(平成10年度1,046件)に対し、平成11年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収224件(同208件)、立入検査901件(同901件)、騒音の測定288件(同341件)であった。騒音測定の結果、基準を超えていたものは65件(同106件)であった。改善勧告は1件(同1件)行われたが、改善命令は行われていない。(同0件)
 また、騒音防止に関する行政指導が981件(同949件)行われた。(表9参照)
表9 特定建設作業の騒音に係る指定地域内における法に基づく措置状況
苦情 1,054
行政措置等報告の徴収224
立入検査901
測定288
うち基準超65
改善勧告1
改善命令0
行政指導981
表10 自動車騒音に係る指定地域内における法に基づく措置等の状況
苦情 330
測定176
うち要請限度超45
公安委員会へ要請0(0)
道路管理者への意見陳述14(10)
要請以外の公安委員会への措置依頼4 (2)
意見陳述以外の道路管理者への措置依頼105(27)

(  )内は要請限度を超えたものの件数である。(内数)

(6)自動車騒音に対する措置等の状況

 指定地域内の道路交通騒音の苦情330件(平成10年度345件)に対して、騒音の測定は176件(同210件)行われており、要請限度を超えていたものは45件(同37件)であった。また、都道府県公安委員会に対する交通規制等の要請は行われていないが(同0件)、道路管理者に対する道路の構造改善等の意見陳述が14件(同15件)行われた。
 なお、これらの騒音規制法に基づく措置のほか、道路管理者に対する協力依頼等の措置が105件(同107件)、都道府県公安委員会に対する同様の措置が4件(同1件)行われた。(表10参照)

(7)低周波音に係る苦情の状況

 平成11年度に地方公共団体が受けた低周波音に係る苦情の件数は45件(平成10年度44件)であった。
 内訳をみると、工場・事業場に係るものが21件(同22件)と最も多く約46.7%を占めている。(表11参照)
 また、苦情件数の年次推移を見ると、数年前から増加傾向にある。(表12参照)

表11 低周波音に係る苦情の状況
苦情件数
合計 45 100
工場・事業場2146.7
営業817.8
家庭生活12.2
鉄道12.2
道路交通12.2
建設作業00.0
その他1328.9
表12 低周波音に係る苦情件数の年次推移
 年度
発生源
1011
合計 26 23 36 37 43 33 23 32 34 44 45
工場・事業場 19 10 20 15 18 12 12 16 19 22 21
建設作業 0 2 0 2 0 1 1 1 1 0 0
道路交通 2 5 2 1 0 3 2 1 1 2 1
鉄道 1 2 2 4 18 8 4 3 0 2 1
その他 4 4 12 15 7 9 4 11 13 18 22

(8)一般地域における環境基準の適合状況

 全国の一般地域(道路に面する地域以外の地域)における環境騒音の状況を把握するため、地方公共団体により測定された環境騒音の環境基準の適合状況について調査している。(表13参照)

[1]
環境騒音の測定実施状況
 平成11年度に環境騒音の測定を実施した地方公共団体について、都道府県、指定都市及び中核市ごとに取りまとめ、全国集計を行ったところ、測定実施団体数は410(平成10年度437)で、環境基準の類型あてはめがなされている1,736市区町村数の約23.6%であった。
 測定地点の総数は4,752地点(同7,021地点)であり、そのうち定点測定地点数(毎年度実施しているものとは限らない)は2,896地点(同5,424地点)で、全体の約60.9%となっている。
[2]
環境基準の適合状況
 地域の騒音状況をマクロに把握するような地点を選定している場合と、騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合とに分けて集計を行っている。
地域の騒音状況をマクロに把握する様な地点を選定している場合
 全測定地点4,013地点(同6,063地点)のうち約66.0%の地点で適合(同70.9%)している。
 地域類型別にみた場合、A類型及びB類型地域(住居系地域)では3,071地点(同4,121地点)のうち約63.8%の地点で適合(同63.9%)しており、C類型地域(住居・商工業混在地域)では937地点(同1,940地点)のうち約73.2%の地点で適合(同85.9%)している。
騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合
 全測定地点739地点(同958地点)のうち、約67.9%の地点で適合している(同66.0%)。
 地域類型別にみると、A類型及びB類型地域では523地点(同624地点)のうち約63.9%の地点で適合(同51.8%)しており、C類型地域では215地点(同334地点)のうち77.7%の地点で適合(同92.5%)している。
(注1)
 この集計における環境基準の適合・不適合の判定については、原則として測定した全ての時間帯において環境基準を満たした場合を「適合」とした。
(注2)
 環境基準の適合率については、平成11年度に測定の評価手法を従来の中央値(L50)から等価騒音レベル(LAeq)に変更したため単純には比較は出来ない。
表13 一般地域における環境基準の測定及び適合状況(道路に面する地域を除く)
環境基準の類型あてはめがなされている市町村数測定実施
自治体数
平成11年度における測定状況
 全測定地点数定点測定地点数[1]地域の騒音状況をマクロに把握する地点を選定している場合[2]騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合
AAA及びBAAA及びB
1,736 410 測定地点数
(A)
4,752 2,896 5 3,071 937 4,013 1 523 215 739
適合地点数
(B)
3,150 1,904 3 1,959 686 2,648 1 334 167 502
(B)/(A) 60.0% 63.8% 73.2% 66.0% 100.0% 63.9% 77.7% 67.9%
AA:
特に静穏を要する地域
A :
専ら住居の用に供される地域、
B :
主として住居の用に供される地域、
C :
相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域
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