大気環境・自動車対策

平成10年度騒音規制法施行状況調査

平成11年12月7日

環境庁は、全国の都道府県等の報告に基づき、平成10年度における騒音苦情の状況及び騒音規制法の施行状況を取りまとめた。その概要は次のとおりである。

(1)騒音苦情の状況
騒音苦情の件数は、平成 10 年度は 12,679 件で、前年度に比べると 約 9.5 % 減少した。
苦情の主な発生源別内訳をみると、工場・事業場騒音が最も多く約 38.3 %、 次いで建設作業騒音が約 21.9 %、営業騒音が約 14.5 %、家庭生活騒音が 約 8.4 % であった。
(2)騒音規制法の施行状況
法に基づく規制対象地域は、全国の約 65.0 % に当たる 2,117 市区町村で 指定が行われている。この中、平成 10 年度中に、新たに5町1村に規制対象 地域が指定された。
同地域において規制対象となる工場・事業場及び建設作業に対する苦情に ついては立入検査が 1,876 件、行政指導が 1,968 件実施された。法に基づく 改善勧告は5件行われ(前年度7件)、改善命令は行われなかった(前年度0件)。

 環境庁としては、今後とも、騒音規制法に基づく騒音対策の推進を図っていく。

1.目的

 環境庁では、騒音防止行政の一層の推進を図るため、毎年度、全国の都道府県、指定都市及び中核市を通じ、騒音に係る苦情の状況、騒音規制法に基づく各種措置の施行状況等について調査を行い、その結果を取りまとめている。

2.調査結果

(1)騒音苦情の状況

[1]
平成10年度に全国の地方公共団体が受けた騒音に係る苦情の件数は、12,679 件であった。これは、平成9年度( 14,011 件)と比べると 1,332 件、約 9.5 %の減少となる。(図1参照)

図:図1 騒音苦情件数の推移

[2]
苦情件数を都道府県別にみると、東京都の 2,532 件が最も多く、次いで大阪府1,511 件、神奈川県 1,233 件、愛知県 1,131 件の順となっており、この4都府県で全国の騒音苦情件数の約 50.5 %を占めている。(表1参照)
苦情件数の都道府県別の対前年度増減状況を見ると、減少件数の大きいのは、東京都、埼玉県等であり、増加件数の大きいのは、宮城県等である。(表2参照)

表:表1 都道府県別苦情件数(上位10都道府県)、表2 苦情件数の都道府県別対前年度増減状況

[3]
苦情件数を発生源別にみると、工場・事業場騒音が 4,861 件( 38.3 % )で最も多く、次いで建設作業騒音が 2,773 件( 21.9 % )、営業騒音が 1,844 件( 14.5 % )の順となっている。
また、発生源別の増減状況としては、苦情の総数の4割近くを占める工場・事業場騒音(前年度比 557 件の減)に係る苦情が減少するなど、多くが減少している。
(図2参照)

図:図2 過去3カ年の苦情件数の発生源別内訳

[4]
規制対象とそれ以外の苦情件数との比較
工場・事業場に対する苦情総数 4,861 件のうち、法の規制対象となる指定地域内の特定工場等に対するものは、約 24 % の 1,164 件であり、建設作業に対する苦情総数 2,773 件のうち、同指定地域内の特定建設作業に対する苦情は約 37.7%の 1,046 件となっている。(表3参照)

表:表3 規制対象・非対象別苦情件数

(2)地域指定の状況

騒音規制法に基づき地域指定が行われている市区町村数は、平成 10 年度末現在2,117(平成9年度 2,111 )で、全国の市区町村数の約 65.0 %に相当する。
(表4参照)
平成10年度中には新たに5町1村に規制対象地域が指定された。

(3)騒音に係る環境基準の類型当てはめ状況

環境基本法に基づく環境基準の類型当てはめ地域を有する市区町村数は、平成 10 年度末現在 1,720(平成9年度 1,715 )で、全国の市区町村数の約 52.8%に相当する。(表4参照)

表:表4 地域指定の状況(平成10年度末現在)

(4)工場・事業場に対する規制の状況

[1]
特定工場等総数及び特定施設の届出数
騒音規制法に基づき届出された特定工場等の総数は、平成 10 年度末現在で   206,921(平成9年度末現在 206,120 )となっている。
また、特定施設の総数は 1,485,606(同 1,478,666 )となっている。
特定工場等の内訳をみると、空気圧縮機等を設置しているものが約 34.2 %と最も多く、以下、金属加工機械を設置しているものが 22.0 %、織機を設置しているものが約 13.1 % の順となっている。
特定施設の内訳をみると、空気圧縮機等が約 36.4 %と最も多く、以下、織機が約 28.7 %、金属加工機械が約 18.1 %の順となっている。
(表5−1、表5−2参照)

表:表5 法に基づく届出数(平成10年度末現在)

特定工場等の総数及び特定建設作業の件数については、工場・事業場の指標となる特定工場等の総数は若干増加し、特定建設作業の件数は平成9年度に引き続き増加した。(表6参照)

表:表6 特定工場等・特定建設作業の最近の推移

[2]
法に基づく措置等の状況
指定地域内の特定工場等に係る苦情 1,164 件(平成9年度 1,157 件)に対して、平成 10 年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収 200 件(同 213 件)、立入検査 975 件(同 912 件)、騒音の測定 508 件(同 523件)であった。騒音測定の結果、規制基準を超えていたものは 334 件(同 360 件)であり、改善勧告は4件(同7件)行われ、改善命令は行われなかった(同0件)。
また、これらの措置のほか、騒音防止に関する行政指導が 1,019 件(同 964 件)行われた。(表7参照)

表:表7 指定地域内の特定工場等に係る措置等の状況

(5)特定建設作業に対する規制の状況

[1]
特定建設作業の実施届出件
平成10年度中の特定建設作業実施届出件数は 56,967 件(平成9年度50,480件)であり、その内訳をみると、さく岩機を使用する作業が 27,906 件(同28,282件)と最も多く、次いでバックホウを使用する作業が 13,141件(同 7,653 件)、くい打機等を使用する作業が 5,939 件(同 6,499 件)の順になっており、これらで全体の約 82.5 %を占めている。(表8参照)

表:表8 特定建設作業実施届出件数

[2]
法に基づく措置等の状況
指定地域内の特定建設作業に対する苦情 1,046 件(平成9年度 872 件)に対し、平成10年度に行われた騒音規制法に基づく措置の件数は、報告の徴収 208 件(同194件)、立入検査 901 件(同 759 件)、騒音の測定 341 件(同 253 件)であった。騒音測定の結果、基準を超えていたものは 106 件(同 86 件)であった。改善勧告は1件(同0件)行われたが、改善命令は行われていない
(同0件)。
また、騒音防止に関する行政指導が 949 件(同 809 件)行われた。
(表9参照)

表:表9 特定建設作業の騒音に係る指定地域内における法に基づく措置状況、表10 自動車騒音に係る指定地域内における法に基づく措置等の状況

(6)自動車騒音に対する措置等の状況

指定地域内の道路交通騒音の苦情 345 件(平成9年度 339 件)に対して、騒音の測定は 210 件(同 185 件)行われており、要請限度を超えていたものは 37 件(同 49 件)であった。また、都道府県公安委員会に対する交通規制等の要請は行われていないが(同0件)、道路管理者に対する道路の構造改善等の意見陳述が15 件(同 12 件)行われた。
なお、これらの騒音規制法に基づく措置のほか、道路管理者に対する協力依頼等の措置が 107 件(同 114 件)、都道府県公安委員会に対する同様の措置が1件(同7件)行われた。(表10参照)

(7)低周波音(低周波空気振動)に係る苦情の状況

平成10年度に地方公共団体が受けた低周波音(低周波空気振動)に係る苦情の件数は 44 件(平成9年度 34 件)であった。
内訳をみると、工場・事業場が 22 件(同 19 件)等であった。
(表11参照)

表:表11 低周波音(低周波空気振動)に係る苦情の状況

(8)一般地域における環境基準の適合状況

全国の一般地域(道路に面する地域以外の地域)における環境騒音の状況を把握するため、地方公共団体により測定された環境騒音の環境基準(昭和46年5月25日閣議決定)の適合状況について調査している。(表12参照)

[1]
環境騒音の測定実施状況
平成10年度に環境騒音の測定を実施した地方公共団体について、都道府県、指定都市及び中核市ごとに取りまとめ、全国集計を行ったところ、測定実施団体数は 437(平成9年度 492 )で、環境基準の類型あてはめがなされている 1,720 市区町村数の約 25.4 %であった。
測定地点の総数は 7,021 地点(同 9,282 地点)であり、そのうち定点測定地点数(毎年度実施しているものとは限らない)は 5,424 地点(同 7,075 地点)で、全体の約 77.3 %となっている。
[2]
環境基準の適合状況
地域の騒音状況をマクロに把握するような地点を選定している場合と、騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合とに分けて集計を行っている。
 地域の騒音状況をマクロに把握する様な地点を選定している場合
全測定地点 6,063 地点(同 8,362 地点)のうち約 70.9 %の地点で適合(同 68.3 %)している。
地域類型別にみた場合、A類型地域(住居系地域)では 4,121 地点(同 5,885 地点)のうち約 63.9 %の地点で適合(同 61.7 %)しており、B類型地域(住居・商工業混在地域)では 1,940 地点(同 2,472 地点)のうち約 85.9 %の地点で適合(同 83.8 %)している。
 騒音に係る問題を生じやすい地点等を選定している場合
全測定地点 958 地点(同 920 地点)のうち、66.0 %の地点で適合している(同 67.0 %)。
地域類型別にみると、A類型地域では 624 地点(同 606 地点)のうち約 51.8 %の地点で適合(同 55.6 %)しており、B類型地域では 334 地点(同 314 地点)のうち 92.5 %の地点で適合(同 88.9 %)している。
(注)この集計における環境基準の適合・不適合の判定については、原則とし測定した全ての時間帯において環境基準を満たした場合を「適合」とした。

表:表12 一般地域における環境基準の測定及び適合状況(道路に面する地域を除く)

ページ先頭へ