大気環境・自動車対策

平成16年度自動車交通騒音の状況

平成18年3月31日(金)
環境省水・大気環境局自動車環境対策課

 環境省は、平成16年度に行われた自動車騒音常時監視(騒音規制法に規定される都道府県及び騒音規制法上の政令市により自動車騒音の状況が監視されるもの。)の報告に基づき、全国の自動車交通騒音の状況について取りまとめた。その概要は次のとおりである。

1.自動車騒音常時監視の実施状況について

 平成16年度は、平成12年度の自動車騒音常時監視の施行後5年にして、対象地方公共団体の概ね全て(全国170のうち165)において、環境基準の達成状況の評価が実施された。評価の対象は、延長13,322kmの道路に面する地域の、2,663千戸の住居等である。平成15年度に比べて評価の対象は、道路延長、住居等ともに、約1割増加している。なお評価の対象となる住居等は、道路端から50mの範囲にあるものとしている。

2.環境基準達成状況

(1)全体の状況
 評価の対象とされた2,663千戸のうち、昼間(6時~22時)または夜間(22時~6時)で環境基準を超過していたのは496千戸(19%)であり、夜間に環境基準を超過していたのは474千戸(18%)であった。
幹線交通を担う道路に近接する空間における1,109千戸のうち、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは325千戸(29%)であり、夜間に環境基準を超過していたのは307千戸(28%)であった。
環境基準の達成状況の経年変化は、概ね横這い傾向である。
(2)道路種類別の状況
 全体を道路種類別に分けて集計したところ、昼間または夜間で環境基準を超過していた割合がもっとも低かったのは、4車線以上の市区町村道であった。

 この状況は、(独)国立環境研究所が運営するインターネットサイト「全国自動車交通騒音マップ(環境GIS 自動車交通騒音実態調査報告)」においても、地図と共に情報提供している。
インターネットアドレス(リンク)

1.自動車騒音常時監視の実施状況について

(1)施行状況

 自動車騒音常時監視は、騒音規制法に規定され、都道府県及び騒音規制法上の政令市(特別区を含む。)が自動車騒音の状況を監視し、環境省へ報告するものである。自動車騒音常時監視は、騒音規制法の改正により平成12年度に96地方公共団体で始まったが、新たな中核市・特例市の誕生等に伴い、騒音規制法政令市の数が年々増加し、平成16年度は170地方公共団体(47都道府県、14政令指定都市、34中核市、40特例市、35その他の騒音規制法上の政令市(特別区を含む。))において行われた(図1)

図1:自動車騒音常時監視を実施する地方公共団体数の推移
図1 自動車騒音常時監視を実施する地方公共団体数の推移

 自動車騒音常時監視では、騒音に係る環境基準(平成10年環境庁告示第64号)に基づいて、道路に面する地域における環境基準の達成状況の評価を実施することとしており、自動車騒音の状況把握の必要に応じて、騒音の測定を行うこととしている。ここで評価の対象となる範囲は、道路端の両側から50mの範囲にある住居等としている。評価については、相当の準備が必要なこと等により、平成12年度は27地方公共団体でしか実施されなかったが、平成16年度は165地方公共団体により実施された(表1)

表1 自動車騒音常時監視を実施した地方公共団体(平成16年度)
種別地方公共団体名※1
都道府県 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
指定都市 札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市
中核市 旭川市、秋田市、郡山市、いわき市、宇都宮市、川越市、船橋市、横須賀市、相模原市、新潟市、富山市、金沢市、長野市、岐阜市、浜松市、豊橋市、岡崎市、豊田市、堺市、高槻市、姫路市、奈良市、和歌山市、岡山市、倉敷市、福山市、高松市、松山市、高知市、長崎市、熊本市、大分市、宮崎市、鹿児島市
特例市 函館市、八戸市、盛岡市、山形市、水戸市、前橋市、高崎市、川口市、所沢市、越谷市、平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、厚木市、大和市、福井市、甲府市、松本市、沼津市、富士市、一宮市、春日井市、四日市市、大津市、岸和田市、豊中市、吹田市、枚方市、茨木市、八尾市、寝屋川市、尼崎市、明石市、加古川市、宝塚市、呉市、下関市、久留米市、佐世保市
その他の
騒音規制法上
の政令市
一関市、日立市、土浦市、ひたちなか市、桐生市、伊勢崎市、太田市、松戸市、君津市、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、上田市、多治見市、西宮市

※1 ★付きの地方公共団体は、測定のみ実施している。

(2)評価の対象とされた道路・住居等の状況

 平成16年度は、延長13,322km※2の道路(高速自動車国道625km、都市高速道路29km、一般国道5,408km、都道府県道6,346km、4車線以上の市区町村道784km、その他の道路131km)に面する地域について、2,663.1千戸の住居等を対象に、環境基準の達成状況の評価が実施された(図2)
 47都道府県が全体データに占める割合は、上位10都道府県で7割以上を占める(表2)。平成15年度に比べて評価対象は、道路延長で10.3%、住居等で11.2%増加している。
 道路種類別に評価区間(評価の実施に当たり、自動車騒音の影響が概ね一定とみなせる区間に分割したもの。)の延長を集計したところ、総延長に対する各道路の割合(抽出率)は、4.4~10.0%であり(表3)、一般国道がもっとも高く、都市高速道路がもっとも低い。
 評価区間の総数は10,633で、評価区間の平均延長は1.3(km/区間)であったが、道路種類別の評価区間の平均延長は0.8~3.2(km/区間)とばらつきがある(表4)

図2:自動車騒音常時監視における評価対象数

表2 都道府県別の評価対象住居等割合※3
表2:都道府県別の評価対象住居等割合

表3 道路総延長に占める評価延長の割合
表3:道路総延長に占める評価延長の割合
表4 道路種類別の評価区間の数と平均延長

※2
  • 平成12年度は、道路種類別内訳が不明。
  • 端数処理の関係で、合計値が合わないことがある。
※3
住居等戸数は、各道路の交差点等で重複する戸数を含めて算出している。
※4
出典:道路統計年報2005(平成17年8月 国土交通省)より。

2.環境基準の達成状況

(1)全体の状況

 全体で集計したところ、評価の対象とされた2,663.1千戸のうち、昼間(6時~22時)または夜間(22時~6時)で環境基準を超過していたのは495.9千戸(18.6%)であり、夜間に環境基準を超過していたのは473.9千戸(17.8%)であった(図3)
幹線交通を担う道路に近接する空間※5の基準値が適用される地域における1,109.5千戸について、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは324.8千戸(29.3%)、夜間に環境基準を超過していたのは307.3千戸(27.7%)となっている。
一方、非近接空間における1,553.6千戸について、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは171.1千戸(11.0%)、夜間に環境基準を超過したのは166.6千戸(10.7%)となっている。

図3:環境基準の達成状況の評価結果(全体)
図3 環境基準の達成状況の評価結果(全体)

(2)道路種類別の状況

 全体を道路種類別に分けて集計したところ、昼間または夜間で環境基準を超過していた割合がもっとも低かったのは4車線以上の市区町村道であり、354.6千戸のうち53.2千戸(15.0%)であった(図4)

図4:環境基準の達成状況の評価結果(道路種類別・全体)
図4 環境基準の達成状況の評価結果(道路種類別・全体)

※5 下線付きの語句の説明は、本資料の末にある

 道路種類別に、幹線交通を担う道路に近接する空間非近接空間別に集計した結果を、図5図6に示す。幹線交通を担う道路に近接する空間において、昼間または夜間で環境基準を超過していた割合がもっとも低かったのは、高速自動車国道で、15.3千戸中2.4千戸(15.6%)であったが、高速自動車国道では非近接空間の方が、昼間または夜間で環境基準を超過していた割合が高い(29.7千戸中4.8千戸(16.3%))。

図5:環境基準の達成状況の評価結果(道路種類別・幹線交通を担う道路に近接する空間)
図5 環境基準の達成状況の評価結果
(道路種類別・幹線交通を担う道路に近接する空間)

図6:環境基準の達成状況の評価結果(道路種類別・非近接空間)

(3)複合断面道路の状況

 全国で評価の対象とされた住居等のうち、複合断面道路に面する地域にあるとされた102.3千戸について集計した結果を図7に示す。昼間または夜間で環境基準を超過していたのは39.5千戸(38.6%)であった。
幹線交通を担う道路に近接する空間の基準値が適用される地域における46.4千戸について、昼間または夜間で環境基準を超過していたのは23.3千戸(50.3%)、夜間に環境基準を超過していたのは23.2千戸(50.1%)となっている。

図7:環境基準の達成状況の評価結果(複合断面道路に面する地域)

(4)経年変化の状況

 平成12年度から平成16年度まで、環境基準の達成状況の経年変化を図8に示す。各年で評価の対象としている住居等の違いを考慮する必要はあるが、環境基準の達成状況は、概ね横這い傾向である。

図8:環境基準の達成状況の評価結果(全国・経年変化)
図8 環境基準の達成状況の評価結果(全国・経年変化)

3.騒音測定の地点における状況

 幹線交通を担う道路に近接する空間にある地点※6における、夜間の騒音測定結果について、環境基準の基準値と比較判定したものを図9に示す。夜間に環境基準の基準値を超過する割合がもっとも少なかったのは高速自動車国道であり(3.3 %、90地点中3地点)、6dB以上超過する割合がもっとも少なかったのは都市高速道路であった(0%、6地点中0地点)。なお、図9に示される値は、個別の住居等へ到達する騒音の状況が不明であることから、環境基準の達成状況を表すものではない。

図9:幹線交通を担う道路に近接する空間にある地点における騒音状況(夜間)

※6 幹線交通を担う道路に近接する空間であって、かつ環境基準の類型が指定されていること、環境基準の類型がA又はBの場合は1車線の道路に面する地域でないこと、の条件を満たすものとしている。

本文中の用語の説明について
「幹線交通を担う道路」 高速自動車国道、都市高速道路、一般国道、都道府県道、4車線以上の市区町村道としている。
「幹線交通を担う道路に近接する空間」 次の車線数の区分に応じ道路端からの距離により範囲が特定される。
  • 2車線以下の車線を有する幹線交通を担う道路  15メートル
  • 2車線を超える車線を有する幹線交通を担う道路 20メートル
「非近接空間」 幹線交通を担う道路に近接する空間の背後地や幹線道路以外の道路に面する地域
「複合断面道路」 複数の道路により断面が構成される道路

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