報道発表資料

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2023年10月06日
  • 自然環境

生物多様性条約第 25 回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)並びに生物多様性条約第 15 回締約国会議、 カルタヘナ議定書第 10 回締約国会合及び名古屋議定書第4回締約国会合第二部再開会合等の開催について

1.2023 年 10 月 15 日から同年 10 月 19 日まで、ケニア共和国・ナイロビにおいて、生物多様性条約第 25 回会合科学技術助言補助機関(The Twenty-fifth meeting of the Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA 25)が開催されます。

2.また、同年 10 月 19 日、20 日の両日、生物多様性条約第 15 回締約国会議(COP15)、カルタヘナ議定書第 10 回締約国会合(CP-COP-MOP10)及び名古屋議定書第4回締約国会合(NP-COP-MOP4)の第二部再開会合が開催され、昨年 12 月に開催された COP15 第二部において残された議題の議論及び決議の採択が行われる予定です。

3.なお、環境省では、当該会期間中に侵略的外来種等に関するサイドイベントを開催します。

■ 経緯

 昨年 12 月、カナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第 15 回締約国会議(COP15)第二部において、2030 年に向けた新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組(新枠組)」が採択されました。本新枠組の実施に向け、科学技術的な見地から検討を行う第 25 回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)が、2023 年 10 月 15 日から 19 日の日程で、ケニア共和国・ナイロビにおいて開催される予定です。
 SBSTTA25 では、新枠組の各ゴールやターゲットに関する取組の進捗を測るための指標や、新枠組の進捗報告の手段として予定されているグローバルレビューに関する事項、政府間科学政策プラットフォーム(Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES)及び気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Paner on Climate Change: IPCC)において採択されたアセスメント報告書、生物多様性と気候変動などの議題について議論し、勧告案等をとりまとめる予定です。本会合の結果は、COP16 での決議案などに反映される予定です。
 また、COP15 については、昨年 12 月に開催された第二部において、一部議題に関する決議の採択が定足数不足等の手続上の問題によりなされず、閉会に至っていません。このため、残存する議題に関する審議と決議を行うため、COP15 再開会合が後日実施されることとされました。このような経緯から、今般、SBSTTA25 の開催に合わせ、COP15 第二部の再開会合が開催されることとなりました。再開会合においては、役員選出等の手続を行うなど必要な決議を経て、COP15 が正式に閉会されることが期待されています。
 また、第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2)の決議等を受け、自然を活用した解決策(Nature-based Solutions: NbS)に関する基準作り等のためのコンサルテーションが、SBSTTA25 の直前の日程で、同会場にて開催されることになりました。

■ 会議の概要

● 第 25 回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)
(1) 開催期間
    2023 年 10 月 15 日~同年 10 月 19 日
(2) 開催地
    ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ事務局本部
(3) 主な議題
    ・ 新枠組の進捗を測る指標やその報告の仕組みに関する事項
    ・ IPBES や IPCC による評価結果
    ・ 侵略的外来種
    ・ 生物多様性と気候変動 等
(4) 会議の公式ウェブサイト
    https://www.cbd.int/meetings/SBSTTA-25

● 生物多様性条約第 15 回締約国会議(COP15)第二部再開会合、カルタヘナ議定書 第 10 回締約国会合(CP-COP-MOP10)第二部再開会合及び名古屋議定書第4回締約国会合(NP-COP-MOP4)第二部再開会合
(1) 開催期間
    2023 年 10 月 19 日~同年 10 月 20 日
(2) 主な議題
    COP15 第二部で審議が終了せず、決議に至らなかった役員の選出などの 議題について、継続的な審議と決議採択が行われます。科学的、技術的、技術的助言に関する補助機関の議長は西ヨーロッパ諸国から、実施に関する補助機関の議長はアジア太平洋諸国から、それぞれ選出されることが予定されています。
   また、本年2月に発生したトルコ共和国、シリア・アラブ共和国国境において発生した地震の影響により、COP16 の開催が予定されていたトルコがホ スト国を辞退しました。これを受け、トルコ共和国が所属する西ヨーロッパ 諸国を中心としてホスト国が募集されており、その最新情報についても報告が予定されています。

● 自然を活用した解決策(NbS)に関するコンサルテーション
 (1) 開催期間
     2023 年 10 月9日~同年 10 月 13 日
 (2) 開催地
     ケニア共和国・ナイロビ 国際連合ナイロビ事務局本部
 (3) 主な議題
     UNEA決議5/5 に基づき、NbSの促進に向け、NbSの好事例、基準、障壁、 政策、コストなどについての議論とその取りまとめが予定されています。 このコンサルテーションの結果は、SBSTTA25 で議論される生物多様性と気候変動に関する議題の勧告案においても活用することが言及されています。 
 

■ サイドイベントについて

SBSTTA25 期間中に日本国政府が主催・共催する主なサイドイベントは以下のとおりです。

● 侵略的外来種による悪影響の最小化に向けた国際協力の強化
 (1) 日時:2023 年 10 月 15 日 13:15~
 (2) 会場:国際連合ナイロビ事務局本部ビル内会議室(CR-11-JUSCANZ)
 (3) 主催:日本国環境省、英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)、国際自然保護連合(IUCN)
 (4) 概要: 新枠組に侵略的外来種に関する目標(ターゲット6)が掲げられ たことや、2023 年9月に IPBES 侵略的外来種評価報告書の政策決定者向け要約が承認されたことを受け、侵略的外来種をめぐる最近の国際的な動向の紹介、世界目標の達成に向けた経験の共有、国際協力の強化や様々な主体の参画に向けた必要な行動についての議論が行われる予定です。本イベントは、G7議長国日本が主導するイニシアティブの一環として、侵略的外来種に関する最近の国際的な動向を踏まえて開催するものです。

● 生態系回復のためのランドスケープアプローチの活用
 (1) 日時:2023 年 10 月 16 日 13:15~
 (2) 会場:国際連合ナイロビ事務局本部ビル内会議室(CR-8-CEE)
 (3) 主催:国連大学サステイナビリティ高等研究所、SATOYAMA イニシアティブ 国際パートナーシップ、日本国環境省
 (4) 概要: 国連生態系回復の 10 年(2021~2030)のもと、日本の里山で実践されているような統合的なランドスケープアプローチが生態系回復 にどのように貢献しているのかについて、世界各地の経験を共有し、 こうしたアプローチがいかに生態系回復を加速させ、GBF の実施を支援できるかについてパネルディスカッションを行います。
【参考1】
  科学技術助言補助機関(SBSTTA: Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice: SBSTTA)
  生物多様性条約第 25 条に基づいて設立された条約の補助機関のひとつ。条約の実施状況 について科学技術的な見地から締約国会議(COP)及び他の補助機関に対して助言を行うこ とを任務とする。

【参考2】
 生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム (Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services: IPBES)
  生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして、2012 年4月に設立された政府間組織。科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱とし、気候変動分野で同様の活動を進める IPCC の例から、「生物多様性版の IPCC」と呼ばれることもある。

【参考3】
  環境省による「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に関するウェブサイト
https://​ https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/treaty/gbf/kmgbf.html

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8275
室長
鈴木 渉
室長補佐
浜 一朗
係長
石井 颯杜
環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性主流化室
直通
03-5521-9108
室長
浜島 直子
係長
松本 恵里
環境省自然環境局野生生物課 外来生物対策室
直通
03-5521-8344
室長
松本 英昭
室長補佐
藤田 道男
室長補佐
松﨑 花