報道発表資料
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の第12回年次会合(政府間会合(IGM)と科学企画グループ(SPG)会合の合同会合)が、3月21-23日、ホノルル(米国)において開催されました。
APNは、アジア太平洋地域における地球変動研究の推進を目的として1996年に我が国のイニシアティブで発足した政府間組織で、現在は、地域内21カ国が参加し、日本(環境省・兵庫県)、米国、オーストラリア、ニュージーランド、韓国からの財政支援を得て、主に公募型共同研究プログラム(ARCP)及び開発途上国の研究能力開発・向上プログラム(
年次会合は、APNの最高意思決定機関であり、参加各国の政府代表及び科学者が参加して、予算・決算、活動計画の策定、支援プロジェクトの選定、重点的に取り組む科学分野の選定等を行っています。11年間の活動を通じてAPNが推進してきたアジア太平洋地域における研究ネットワーク作りと研究能力向上の実績は国際的に高い評価を得ています。今年の年次会合の結果、2007年度支援プロジェクトとして、公募型共同研究プロジェクト19課題、能力開発プロジェクト13課題が採択されました。また、役員の改選が行われ、運営委員長にフィリピン環境資源省のペニャフィエール地域局長が、副委員長に環境省の塚本研究調査室長が、科学企画グループの共同議長にニュージーランドのマシューズ博士とスリランカのダルマラトナ博士が選出されました。
1.開催日時・場所
平成19年3月21-23日、東西センター ホノルル(米国)
2.出席者
(1)APN加盟国の政府代表/科学企画グループメンバー
- ○ 公募型共同研究プログラム(ARCP)
- 公募型共同研究については、新規24課題の応募があり、科学企画グループ会合による厳格な審査の後、本政府間会合において、新規分11課題、継続分8課題を含め、19課題が支援プロジェクトとして採択された。
採択課題のテーマは、以下に掲げる事項係るものであり、一覧は別紙のとおりである。- 気候変動:影響、適応、モニタリングデータへのアクセスと応用の向上、古気候、CDM
- 生物多様性
- 土地利用、土地利用変化、都市化
- 農作物病害
- 政策との関連と持続可能性
- ○ 開発途上国の研究能力開発・向上プログラム(
CAPaBLE ) - CAPaBLEについては、新規13課題の応募があり、科学企画グループ会合等による厳格な審査の後、本政府会合において、新規分7課題、継続分6課題を含め、13課題が支援プロジェクトとして採択された。
採択課題のテーマは、以下に掲げる事項に係るものであり、一覧は別紙のとおりである。- 気候変動:国レベルでの科学的能力開発、科学と政策のリンケージ、生物多様性や土地利用などとの分野横断的課題、水・食糧の安全保障問題
(2)今後の重要課題(科学アジェンダ)
科学企画グループから、APNの活動対象として重要である事項として、以下が挙げられた。特に、第1次産業(特に農業)に依存する開発途上国では、洪水、干ばつ及び水循環の問題、また、気候変動への適応に関する問題が分野横断的な課題として重要であるとの共通認識が確認された。
- 気候変動:気象・気候要素の観測、影響評価と適応、気候変動の予測能力向上
- 水:洪水、干ばつ、水循環
- 農業:産業としての農業と食糧安全保障
- 生物多様性
- 人の健康
- 持続可能な発展に関する教育
(3)その他
APNも参加している全球地球観測システム(GEOSS)に関連し、APNとアジア水循環イニシアティブ(AWCI)※との連携を目指すこと等が合意された。
また、政府間会合及び運営委員会において、我が国(環境省・兵庫県)を始めとする資金拠出国、及び会議・事務所経費等の現物出資に対し、格別の謝意が表明された。
※アジア水循環イニシアティブ(The Asian Water Cycle Initiative : AWCI)は、GEOSSに貢献する国際的プロジェクトであり、水災害に対するリスク軽減や水資源の有効利用管理を目的とし、水に関わるデータの相互利用性、データマネージメント等について国際的に広く議論するため、2005 年11 月に東京で行なわれた第1 回アジア水循環シンポジウムで設立された。
【参考】アジア水循環シンポジウム(英語)
※詳細については、アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)事務局にお問い合わせ下さい。
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-1 IHDセンタービル
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)事務局
TEL:(078)230-8017 FAX:(078)230-8018
Email:info@apn-gcr.org
Website:http://www.apn-gcr.org
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課研究調査室
室長:塚本 直也(内線6730)
補佐:名倉 良雄(内線6731)
担当:塚原沙智子(内線6733)
関連情報
関連Webページ
過去の報道発表資料
- 平成18年3月29日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第11回政府間会合 / 科学企画グループ会合及び関連ワークショップの開催結果
- 平成17年11月22日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)国際ワークショップ「アジア太平洋地域における地球観測及び能力開発ニーズに関するスコーピングワークショップ:気候に焦点をあてて」の開催結果
- 平成17年4月18日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)第10回政府間会合の結果について
- 平成17年3月22日
- アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)科学シンポジウム「アジア太平洋地域の脆弱性評価と適応対策(沿岸域を中心に):APNの貢献」の開催について