報道発表資料
水銀に関する条約の制定に向けた議論のため、政府間交渉委員会の第1回会合が、6月7日(月)から11日(金)まで、ストックホルム(スウェーデン)において開催されました。会合では、条約の目的や条約に盛り込むべき内容等について参加各国から意見が述べられました。
会合の結果、次回の会合に向けてUNEP事務局が条約に盛り込まれるべき要素を提示すること及び議論に必要な様々な情報を整理すること並びに次回の会合を日本において開催すること等が決定されました。
1.背景
国連環境計画(UNEP)においては、2001年より地球規模での水銀汚染に関連する活動(UNEP水銀プログラム)を開始しています。
2009年2月にナイロビ(ケニア)で開催された第25回UNEP管理理事会では、水銀によるリスク削減のための法的拘束力のある文書(条約)を制定すること、及びそのための政府間交渉委員会を設置して2010年に交渉を開始し、2013年までのとりまとめを目指すことが決定されました。
2.政府間交渉委員会第1回会合の概要
- (1)
- 開催地・会議期間
- 会議期間:
- 2010年6月7日(月)~11日(金)
- 開催地:
- ストックホルム(スウェーデン)
- (2)
- 主な議題
- ○
- 事務的事項
- ○
- 条約の制定に向けた準備(条約の目的や内容等)
- (3)
- 会議文書等
議題、会議文書等は以下のウェブサイトから入手可能です。
http://www.unep.org/hazardoussubstances/Mercury/Negotiations/INC/
INC1MeetingDocuments/tabid/3391/language/en-US/Default.aspx - (4)
- 我が国からの出席者
我が国からは、環境省(早水輝好環境安全課長ほか)、外務省及び経済産業省から構成される政府代表団が出席しました。
3.会合の結果
- (1)
- 事務的事項
委員会の議長及び副議長等については、以下のように決まりました。- 議長:
- フェルナンド・ルグリス氏(ウルグアイ:ラテンアメリカ地域代表)
- 副議長:
-
ジャマイカ(ラテンアメリカ地域代表)
アメリカ及びスウェーデン(西欧等代表)
チェコ及びロシア(中東欧代表)
中国及びヨルダン(アジア太平洋地域代表)
マリ及びナイジェリア(アフリカ地域代表)
(書記はスウェーデンが兼務)
- (2)
- 条約の制定に向けた準備(条約の目的や内容等)
会合の冒頭で、各国及び地域からステートメントが述べられました。我が国からは、政府間交渉委員会の設置を歓迎するとともに、水俣病の経験国として、同様の健康被害や環境破壊が世界の他の国で繰り返されないよう今後とも交渉に積極的に貢献していくこと、我が国の知見や経験、並びにそれらを踏まえた汚染防止対策、排出抑制技術及び水銀代替技術の共有を通じて水銀によるリスクの低減に貢献していくことを発言しました。また、その一環として、2013年後半に条約の採択及び署名のために開催が予定される外交会議を我が国に招致し、承認される条約を「水俣条約」と名付けたいと考えていること、及び来年1月に開催される政府間交渉委員会第2回会合を我が国で開催することを提案しました。
その後、条約の目的及び内容等(水銀の供給・需要・貿易の削減、水銀廃棄物の適正管理、水銀の保管、大気への排出の削減、普及啓発、能力開発及び技術的・財政的支援等)について、順次各国から意見が述べられました。
各国からの意見を基に、次回の会合に向けてUNEP事務局が、条約に盛り込まれるべき要素を提示すること及び議論に必要な様々な情報を整理すること等が決定されました。
なお、我が国は、アジア太平洋地域のコーディネーターとして、同地域の意見のとりまとめ等を通して議論の進展に貢献しました。 - (3)
- 今後の日程
我が国の提案を踏まえ、政府間交渉委員会第2回会合(2011年1月24日(月)~28日(金))を千葉市で開催することが決定されました。
政府間交渉委員会の第3回会合以降の開催場所については、第3回会合はブルキナファソ(2011年)、第4回会合はウルグアイ(2012年)、第5回会合はスイス及びブラジル(2013年2月)、また外交会議は我が国から、それぞれ開催の提案があり、各国から歓迎されました。最終的な決定は今後なされる見込みです。
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表:03-3581-3351
課長:早水 輝好(内線 6350)
課長補佐:関谷 毅史(内線 6353)
担当:寺井 徹(内線 6356)