報道発表資料
環境省ではこれまでに110件の排出削減・吸収プロジェクトを実施しており、これらの事業からの削減量は年間約65万トンと見込まれます。今後も、優れた低炭素技術による世界全体の温室効果ガスの排出削減を実現するため、JCMをより一層推進していきます。
本年、日・ベトナム間のJCMプロジェクトとして登録されている2件のプロジェクト実施者から、JCMの合同委員会に対してクレジットの発行申請が行われました(申請の段階で第三者機関による検証を実施済み)。その後、本日の合同委員会においてJCMクレジットの発行が決定され、両国政府に対して、それぞれが発行すべきJCMクレジットの量が通知されました(合計439トン)。
これを受けて、本日、日本政府はJCMクレジットを発行しました。なお、本プロジェクトは環境省JCM設備補助事業の採択案件で、日本政府として277トンのクレジットを獲得しました(プロジェクトの概要は、参考資料をご参照ください)。
クレジットの発行状況
プロジェクト名 |
プロジェクト概要 |
クレジット発行 対象期間 |
クレジット 発行量 (tCO2) |
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うち日本政府への発行量 |
うちベトナム政府への発行量 |
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デジタルタコグラフを用いたエコドライブ |
ベトナムBinh Duong省(ホーチミン市近郊)及びハノイ市において、トラック130台にデジタルタコグラフを活用したエコドライブ啓発システムを装着し、トラックの実走行燃費を向上させることでCO2削減を実現することに加え、交通事故の減少や輸送品質の向上にも結び付くものである。 |
2015年8月1日~ 2016年6月30日 (11カ月) |
288 |
201 (70%) |
29 (10%) |
南部地域の送配電網におけるアモルファス高効率変圧器の導入 |
ベトナム南部の送配電網(南部配電公社管轄地域)にアモルファス高効率変圧器を1,618台導入する。アモルファス高効率変圧器は、当該地域において一般的に使用されているシリコン型変圧器と比較し、無負荷損失が約6割低減するため、省エネルギーを図ることができ、その結果、GHG排出削減が実現する。 |
2016年1月1日~ 2016年3月31日 (3カ月) |
151 |
76 (約50%) |
16 (約11%) |
【参考1 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)とは】
JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。
JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ、フィリピンの17カ国です。
JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。
※参考1、2の詳細はこちら http://mmechanisms.org/initiatives/index.html
【参考2 COP21首脳会合 安倍総理スピーチ ※抜粋 平成27年11月30日】
先進的な低炭素技術の多くは、途上国にとってなかなか投資回収を見込みにくいものです。日本は、二国間クレジット制度などを駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていきます。
※スピーチ全体はこちら http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/1130speech.html
【参考3 過去のJCMクレジット発行実績】
インドネシア(2016年5月)https://www.env.go.jp/press/102497.html
モンゴル(2016年9月)https://www.env.go.jp/press/102859.html
パラオ(2016年12月)https://www.env.go.jp/press/103333.html
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代 表 03-3581-3351
直 通 03-5521-8354
室 長 鮎川 智一(内線 7716)
国際企画官 小圷 一久(内線 6757)
室長補佐 吉田 愉史(内線 6728)
担 当 﨑枝 京子(内線 6739)