「海藻押し葉」を楽しもう

草花の押し花や押し葉を作ったことはありますか?草花の美しさや姿を留めるのに良い方法です。
今回は、海藻を使って「海藻押し葉」を作ってみましょう。潮の引いた浜で拾った海藻を使うと、標本と言うよりはすてきな作品ができあがります。意外と簡単で、押し花よりもすばやく完成します。きっと海藻のカラフルさや形のおもしろさに驚くことでしょう。手順は次のとおりです。
1 採集
まず、潮の引いた浜できれいな海藻を拾いましょう。海が荒れた後の砂浜では、たくさんの種類の海藻が拾えます。拾い集めた海藻は、水を切ってすばやく持ち帰ります。
2 塩抜き
海藻に付いたごみや砂を落として、数分間水道水に漬けておきます。
3 台紙に乗せる
海藻を乗せる台紙は、硬くて腰のあるケント紙などを用います。そして、水抜きした海藻を水の中に入れて、形を整えながら台紙に広げて、そっと上げます。

4 水切り
斜めに置いた板の上に海藻が乗った台紙を5分くらい乗せて、余分な水を切ります。

5 新聞紙をはさむ
新聞紙は水を良く吸収するので、古新聞に台紙をはさんで乾燥させます。ここで大切なことは、海藻は糊の成分を持っているので新聞紙に貼り付いてしまわないように、布をかけることです。新聞紙は多めに使い、厚めの板を乗せて、さらにブロックなどの重石を乗せます。

6 乾燥
風通しの良い場所に置いて乾燥させます。吸湿のための新聞紙は、朝夕によく乾燥している新聞紙と取り替えます。こうして2~3日間乾かします。

7 仕上げ
乾いたら、布をそっとはずします。台紙にきれいに固定できていれば完成です。
海藻は自身の糊成分で台紙にしっかり貼り付いていますが、はがれているものがあったら、合成糊などで貼ります。海藻が折れたり、気に入った形になっていなかったりした場合は、また水に漬けてやり直します。
完成品は、ラミネートパックしたり、ブックカバー用のフィルムを張ったりすれば、傷みにくくなりより長持ちします。しおり、はがき、グリーティングカードなどにも使えます。

海藻押し葉は、カラフルで芸術作品のような出来栄えで、多くの人に喜ばれています。押し花標本のように紙テープを用いることもなく、きれいな形を見せてくれます。海藻押し葉は、種類にもよりますが海藻自体が持っている糊成分によって台紙に貼り付きます。この方法の開発や普及は横浜康継さんや野田美千代さんが始めたもので、ここに紹介したものは最も簡単な方法です。
何種類も海藻押し葉を作ったら、図鑑で名前を調べてみましょう。また、いろいろな海藻を組み合わせて、美しい作品を作ってみましょう。



