我が国に生息・生育する野生生物の絶滅のおそれを的確に把握するため、2025年に引き続き、未公表の各分類群について第5次レッドリストの公表を進めます。
その上で、絶滅危惧種のうち、「希少野生動植物種保存基本方針」における選定基準に照らし、その必要があると認められる種については、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号。以下「種の保存法」という。)に基づく国内希少野生動植物種に指定し、その捕獲や譲渡し等を規制するほか、生息地等保護区の指定や、個体の繁殖の促進や生息地等の整備・保全等が必要と認められる種について保護増殖事業を実施します。事業の実施に当たっては生息域内保全を基本としつつ、動植物園等と連携しながら生息域外保全や野生復帰の取組を進めます。また、絶滅のおそれの高い種や個体群について、生殖細胞や種子等の保存を進め、絶滅危惧種の絶滅リスクの低減と遺伝資源の確保に努めます。さらに、定量的な目標設定の下、生息・生育状況の改善を図り、事業を完了する事例を創出することなどにより、効果的な保全を推進します。さらに、国際的に協力して種の保存を図るため、ワシントン条約及び二国間渡り鳥等保護条約等に基づいて指定した国際希少野生動植物種の流通管理を徹底します。
さらに、2025年10月に設置した「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の在り方検討会」において、今後の種の保存法の具体的な在り方の検討を進め、2026年夏頃をめどに報告書を取りまとめる予定です。
野生鳥獣に高病原性鳥インフルエンザ等の感染症が発生した場合や、油汚染事故による被害が発生した場合に備えて、サーベイランス、情報収集、人材育成等を行います。
近年、我が国においては、ニホンジカやイノシシ等の野生鳥獣が全国的に分布を拡大し、希少な高山植物の食害など生態系被害、生活環境被害、農林水産業被害が深刻化しています。ニホンジカ・イノシシについては、2028年度までに2011年度比で個体数を半減する目標の達成に向け、引き続き捕獲強化の取組を進めます。また、クマ被害対策等に関する関係閣僚会議において2025年11月に決定された「クマ被害対策パッケージ」や2026年3月に決定された「クマ被害対策ロードマップ」に基づき、人の生活圏からクマを排除するとともに、周辺地域において捕獲等を強化することで、増えすぎたクマの個体数の削減・管理の徹底を図り、人とクマのすみ分けを実現します。具体的には、人の日常生活圏への出没による人身被害の発生が継続していることから、地方自治体へのクマの被害対策防止に必要な資機材整備、専門人材や高度な捕獲技術を持つ事業者やガバメントハンター等を含む捕獲技術者確保等のための財政支援、技術的支援を進めます。また、クマ対策の担い手の育成、統一的な手法による個体数推計、生息環境管理等を進めます。さらに、鳥獣による被害の防除、鳥獣の広域的な管理やジビエ利用拡大等に取り組みます。
外来種対策については、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)に基づき、特定外来生物を指定し、輸入、飼養等の規制を行うとともに、侵入初期の特定外来生物や生物多様性の保全上重要な地域での防除を行います。また、地方公共団体が行う防除等対策事業に対し、交付金で支援を行うほか、国際協力の推進、ビジネスセクターを含む多様な主体の外来種対策への参画促進、適正な飼養等の確保のための普及啓発など総合的な外来種対策を推進します。2025年10月に行われた特定外来生物等専門家会合の結果を踏まえ、オヤニラミ属等魚類5種類の特定外来生物の新規指定を進めます。ヒアリ類に関しては、水際対策に万全を期すため、ヒアリ探知犬を始めとする新たな対策技術の実証も進めます。また、企業による外来種対策の実施を促進するためのガイダンスを作成します。さらに、「生態系被害防止外来種リスト」の改定を行います。
遺伝子組換え生物については、環境中で使用する場合の生物多様性への影響について事前に的確な評価を行うとともに、生物多様性への影響の監視を進めます。
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(平成20年法律第83号)及び愛玩動物看護師法(令和元年法律第50号)に基づき、動物の虐待防止や適正な飼養の促進等の動物愛護に係る施策及び動物による人への危害や迷惑の防止等の動物の適正な管理に係る施策を総合的に進めます。